企業兼大株主NTN東証プライム:6472】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

NTNグループは、企業理念の実践を通じて、「なめらかな社会」の実現を目指します。ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され必要とされる企業として、人権の尊重とコンプライアンスを重視し、事業活動に取組んでまいります。

※「なめらかな社会」:人と自然が調和し、人々が安心して豊かに暮らせる社会

<企業理念>

 新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する

1.独創的技術の創造

2.客先及び最終消費者に適合した付加価値技術及びサービスの提供

3.着実な業績の伸長の下での社員の生活向上、株主への利益還元、社会への貢献

4.グローバリゼーションの推進と国際企業にふさわしい経営・企業形態の形成

<ステークホルダーへの姿勢>

従業員

顧客

取引先

地域社会

株主

環境

多様性と個性を尊重し、従業員が安全で健康的に働き、活躍できる職場環境づくりに努めます。

お客様と誠実に向き合い、安全・安心で信頼性の高い商品・サービスを提供することにより、お客様の満足を追求します。

公正で自由な環境のもと、取引先との相互信頼に基づく良好なパートナーシップを構築し、共に成長・発展をはかります。

事業を行う地域の文化や慣習を尊重し、事業活動を通じて、地域社会の期待に応え、長期的な信頼関係を構築します。

持続的な利益の創出による株主への利益還元に努め、積極的なコミュニケーションを通じて、長期的な信頼関係を構築します。

事業活動において自然との調和をはかり、環境負荷低減に寄与する技術と商品・サービスの提供を通じて、地球環境に貢献します。

(2) 経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

「なめらかな社会」の実現に向けて、当社グループが優先的に取組むべき13項目のマテリアリティを特定し、対応施策の策定を行い、その進捗状況を定期的に確認しています。

 昨年4月、当社は約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMと補修の両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成及び豊かな人づくりの実現を目指します。これらの「経済的価値」と「環境・社会的価値」を当社グループのステークホルダーとともに向上させることで企業価値を高め、ステークホルダーをはじめとした社会から信頼され、必要とされる企業を目指してまいります。

[中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalの概要]

 昨年4月から3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalを開始しました。「事業構造の変革(Transformation)の加速」という前中期経営計画の基本方針は変えず、前中期経営計画で果たせなかったNTNの再生を完了させる期間と位置づけています。NTNの再生のために、生産再編を中心とする事業構造改革を実行するとともに、「SQCCD」の強化を通じて「稼ぐ力」の向上に注力しております。

※ Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、

   Delivery(納期)&Development(開発)

1.基本戦略

(1) デジタル技術と経営資源の融合

AIをはじめとするデジタル技術は更に進化し、ビジネスへの活用も拡大しています。それらのデジタル技術と当社が培った経営資源を融合し、事業構造の変革を加速することで、NTNの再生を成し遂げます。

(2) 生産再編

 本中期経営計画の3年間で、事業構造改革に繋がる生産再編の企画、具体化及び実行を進め固定費圧縮と競争力の向上を目指します。生産再編に必要な構造改革費用を確保するとともに、株主還元、債務返済等に適切に資金を配分した上で、2035年度に向けた成長が加速できるよう成長投資、カーボンニュートラル、情報化投資等に資金を振り分けます。

(3) 「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」に関する企業理念の定着化推進

「創業者の精神」、「企業理念」、「NTNスピリット」に代表される当社グループの企業理念体系を従業員に定着させるため、「安全、品質、法令遵守、コスト・キャッシュ、納期・開発」の頭文字をとった「SQCCD」を事業運営の柱となるポリシーと位置づけ、日頃から全世界の従業員が身近な心構えとして活用できるように徹底しています。

2.事業別戦略

OEM向け利益率向上と補修向け供給力強化を目的に、昨年4月に市場軸組織から商品軸組織へ大幅な組織変更を行いました。これまで市場軸組織で分散していた軸受事業を集約することでOEM向けと補修向け一体で稼ぐ事業へ変革するとともに、当社グループの売上の6割を占める自動車向け等速ジョイント(CVJ)とアクスル軸受の利益体質の強化を図ります。

 また、持続的成長を実現するため、「新たな領域への展開」に関わる研究開発組織を集約し、「コア技術を活かした他社優位性商品の実現」を活動軸に、マーケティングから開発、生産を一気通貫で運営する「未来創造開発本部」を昨年4月に設置しました。市場・顧客ニーズに合致した商品・サービスの創出を加速します。

(1) 軸受他事業

 自動車OEMや産業機械OEM、補修向け等様々な市場に販売している軸受製品を、商品軸で管理する事業組織に集約、変更することで、OEMと補修一体で稼ぐビジネスモデルへ変革します。OEM向けと補修向けの生産能力の最適配分、及び資産効率の最大化を図り、事業構造の変革を進めることで、補修向けの販売拡大と軸受事業の利益拡大を推進します。また、電動化・EV用新商品開発による利益ある新規案件の獲得や、お客様の設備の状態監視ビジネスの拡大等、新たな領域における事業拡大を通じて、ハードの売り切りからソフト・サービスを加えたビジネスへ変革を目指します。

 また、成長分野である、次世代モビリティ・モジュール、ロボット周辺モジュール、自然エネルギー商品を基軸に、市場ニーズに合致した、機能・品質・コストに優れたモジュール商品、ユニット商品を開発し、新事業となる商品の創出と育成を加速します。

<取組み状況>

 補修市場への供給強化に向けて、当社和歌山製作所や株式会社NTN三重製作所に整備した生産ラインを利益率の高い補修向け製品の生産に活用するとともに、汎用品在庫即納システム「FIRST」の完成品在庫を拡充し、世界中のお客様への迅速な納入につなげています。

 産機OEMビジネスは、主力8業種を拡大、維持に分類するとともに、新たに挑戦する業種を設定しました。拡大業種は生産能力の強化と販売促進、維持業種は原価及び売価の改善、挑戦業種は市場調査に基づき、ターゲット地域・顧客の選定、アプローチ等を推進しています。加えて、多面的な顧客分析を実施のうえ重要顧客を設定し、最大利益が得られる生産能力配分を決定する仕組みの構築に取組んでいます。

 自動車OEM向けでは、電動化・EV用として、従来より高水準の高速、低トルク、耐電食性等の各ニーズに適応する軸受開発を進め、これらの量産を順次開始しています。

 内燃機関(ICE)車向け軸受の需要が減少する一方で、上記の高付加価値軸受やモジュール商品・ユニット商品の開発と拡販が全体の利益改善に寄与しています。

  ※ 拡大業種:工作機械、回転電気(モーター)、航空・宇宙

     維持業種:建設機械、農業機械、変減速機、鉄道車両、風力発電

(2) CVJアクスル事業

 設計改革、調達・物流改革、事業再編に取組むことで筋肉質な事業基盤を構築するとともに、自動車の駆動領域の要となるCVJとアクスル軸受の両製品を扱う強みを活かして、電動化をはじめ新たなニーズに対応した事業展開を加速します。調達・物流・もの造り改革による原価低減とグローバル供給体制・サプライチェーン再構築等の活動を通じて技術力と価格競争力の両立を追求します。販売ではお客様に寄り添った提案と適正価格の販売に拘り、顧客満足度と利益率の向上を図ります。

 また、拡大するEV市場に対しては、大型/高角・高効率/軽量化/低フリクション化等のニーズを捉えた差別化商品の開発とスピーディな市場への投入を行います。部品・完成品の調達・供給網再構築による利益の最大化を目指す一方で、生産再編等を推進します。

<取組み状況>

CVJとアクスル軸受の利益体質を強化すべく、欧州・中国・カナダにおいて工場の統廃合等の再編計画を既に実行段階に移しており、また米国においても2025年度より実行に移していきます。

 新製品ではCFJ(高効率固定式等速ジョイント)の量産が欧州でも立ち上がり、更なる販売拡大を図るため、原価低減活動に取組んでいます。CVJアクスル事業の顧客戦略の一つであるパートナーシップ強化についても順調で、国内顧客の内製CVJの引き受けが完了した他、新規プロジェクトにおける新製品の共創活動や、成長市場であるインドにおける研究開発体制の強化を進めています。

 一方、EVシフトの鈍化やグローバル市場の景気低迷により、足元の利益改善が停滞している状況です。急速に変化する事業環境に対応すべく昨年より継続している材料価格等のコスト上昇分を確実に売価転嫁することを徹底するとともに、生産再編を早期に完了させることで、より強固な事業基盤の形成を図ります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

① 長期ビジョン及び中期経営計画に関する目標

 約10年後に目指す姿として、新たに「2035年度の姿と目標指標」を設定しました。OEMと補修の両輪で安定的に稼ぐ事業構造へ変革することで、景気変動下においても株主資本コストを安定して上回るROEの継続と、カーボンニュートラルの達成、並びに豊かな人づくりの実現を目指します。それに向けて、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalでは、最終年度の目標として下表のとおり目標値を設定しております。

目標とする経営指標(連結)

2025年3月期実績

2027年3月期目標

売上高

825,587百万円

830,000百万円

営業利益

22,959百万円

50,000百万円

営業利益率

2.8%

6.0%

特別損益

△19,068百万円

△5,000百万円

当期純利益

△23,801百万円

21,500百万円

棚卸資産回転率

3.4回

4.5回

ROIC

2.6%

6.2%

ROE

△9.6%

8.0%

自己資本比率

27.2%

30.0%

ネットD/Eレシオ

1.0

0.7

② CO2排出量削減に関する目標

「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般[指標及び目標]」に記載のとおりであります。

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