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企業概要

 経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現を阻害するリスク(マテリアリティ)

① 気候変動への対応

 パリ協定を受けて温室効果ガスの削減に向けた対応が世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。

 世界全体が低炭素社会に移行する場合、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、炭素税など環境関連の法規制の強化やお客さまなどからの要請への対応が必要となり、追加費用が発生する可能性や、要求水準を満たさないことによる機会損失のおそれがあります。一方、気候変動に伴う自然災害の影響により、工場の生産能力の低下、サプライチェーンの寸断による原材料の供給断絶などが発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 気候変動への対応としては、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで、2050年カーボンニュートラルを見据えて、当社グループの事業活動によって発生するCO2総排出量(スコープ1および2)の30%削減(2020年比)を目標として掲げており、再生可能エネルギーへの転換など具体的な取り組みを進めています。

② 人権の尊重

 当社グループは、継続的な企業活動を行う上で人権を尊重した事業活動が必要不可欠と認識しています。当社グループおよびサプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合は、当社グループの社会的な信用が低下し、お客さまとの取引停止、訴訟や賠償金の支払いが発生するおそれがあります。

 当社グループは、関連法令や国際規範を順守するとともに、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を参照した「労働・人権に関する基本方針」を定め、全社員に展開しています。

 また、「人権の尊重」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置して取り組んでいます。2023年度は、労働・人権リスク発生の高い地域(中南米、東南アジア、中華圏)における1次サプライヤーの児童労働・強制労働の発生件数0件をKPIとして、対象サプライヤーに対してアンケート調査し確認するとともに、そのうち9社に対して実地監査を行いました。

③ 人的資本の充実

 当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、さまざまな伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指しています。一方で当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、ビジョンの実現が困難となり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組んでいます。また、第8次中期経営計画で定める重点市場に向けた教育研修プログラムにより、社員の能力の拡充を図るなど、リスクの最小化に努めています。

 また、「人的資本の充実」について、サステナビリティ委員会のもとにESGタスクフォースを設置し、女性管理職比率やリーダー候補者の選抜率をKPIとして取り組んでいます。

④ 取締役会の実効性の向上・グローバルガバナンスの高度化

 当社グループは、グローバルに事業展開を行っています。ガバナンスや内部統制が機能しなかった場合、子会社等の役員・社員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断が抑止できず、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社は執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行との分化を図っています。独立性が高い社外取締役を3分の1以上選任し、社外取締役はそれぞれの経験や知見から、有益な指摘や意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。当社のコーポレートガバナンス体制の詳細は、「第4  提出会社の状況  4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 グローバルガバナンスについては、事業組織に基づく縦のレポートラインを軸とし、海外グループ会社ごとに月次もしくは四半期でビジネスレビューを実施し、業績や事業活動に関する内容について、本社のマネジメント層がチェックする体制を構築しています。加えて、グループで統一したルールで内部統制システムのチェックや事業活動におけるリスク管理の体制を整備しています。その内容を本社で集約することで、グループ全体のガバナンス状況の把握、必要に応じた迅速な施策の立案・実行に活用しています。引き続き、グローバルリスクマネジメント体制を拡充し、グループ会社のリスク管理の支援とともにモニタリングの強化を図っていきます。

 また、当社グループは、国内では公益通報者保護法に基づく内部通報窓口(ホットライン相談窓口)を設置するとともに、主要な海外グループ会社には、別途通報窓口を設置することにより、不適切な行為の早期発見、早期是正に取り組んでいます。

⑤ その他サステナビリティビジョン(長期ビジョン)の実現を阻害するリスク

 その他、責任ある製品・サービスの提供、持続可能な調達、生成AIの普及に対応したデータセキュリティ、効率性・生産性の向上に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 事業戦略および事業内容に関するリスク

① 成長戦略

 当社グループは、2030年のあるべき姿であるサステナビリティビジョンの実現に向け、第8次中期経営計画(3カ年)を2024年1月から運用しています。第8次中期経営計画では、安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化を実現します。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場において、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境や競争環境の変化、社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などが原因で、成長戦略が想定通りに進捗しない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定し、事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。

② 特定のお客さまの需要変動

当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が比較的高い状況にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの複数の重点市場で成長戦略を遂行し、特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っており、売上高に占める特定のお客さまの割合は低下傾向となっています。

③ 原材料・エネルギー価格や労働賃金の上昇

 当社グループでは、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーなどの事業を展開し、グローバルに調達・生産・供給体制を構築しています。インフレや金融動向、地政学的な情勢により、原材料・エネルギー価格や労働賃金の想定を超える高騰が当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループはこうした状況に対して、原材料・エネルギー価格や労働賃金の高騰を適切に反映した製品値上げを実行するとともに、効率性・生産性の向上を継続しています。

(3) 財務に関するリスク

① のれんの減損損失

 当社グループでは事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末においてのれんを20,238百万円計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化し買収先会社の業績が悪化した場合、また、経済状況や金利変動等の外部環境の変化により使用価値の算定に使用する成長率および割引率が著しく変動し使用価値が減少した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。

M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。

② 為替の変動

 当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は86.6%です。これらは外貨建取引が中心であり、急激に為替レートが変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。

③ その他の財務に関するリスク

 その他、保有有価証券の時価減少や営業債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。

(4) 事業活動の継続性を阻害するリスク

2023年度に重要なリスクとして選定された天災(地震・台風・洪水等)や火災などに関するリスクについては、経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、国内全拠点への安否確認システムの導入などにより、継続的にリスクの最小化に努めています。

 それぞれの事業において、情報漏えい、独占禁止法や業法その他の各種法令違反が生じた場合に事業活動の継続が困難になることから、公正な事業活動に関するリスクを重要なリスクとして選定し、経営層も対象とする研修等により、リスクの顕在化を抑止しています。

 その他、労働安全衛生、製品・サービスの品質・安全性、サプライチェーンマネジメント、貿易管理に関連するリスクが生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクについても、主管する部門や部会が目標(KPI・アクションアイテム)を設定し、これに基づく教育や仕組みづくりなどの活動を通じてリスクを低減しています。

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