企業MFS東証:196A】「その他金融業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針・経営戦略等

 当社グループは「真にユーザーサイドに立った新しいフィナンシャルサービスを作る」というビジョンのもと、「テクノロジーと分析の力でユーザーにパワーを」という事業のミッションに基づき、ビジネスを展開しております。

 また、当社グループでは「Enjoy」「Big Try」「Professional」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、オンラインテクノロジーを活用し、ユーザーにとって最適な住宅ローンサービス、最適な不動産投資用サービスの開発・提供に取り組んでおります。

 こうした経営方針の下、当社グループの主要なサービスである一般顧客向けサービスである「モゲチェック」「INVASE」の普及と、関連するサービスの提供により、ユーザーにとって最適な住宅ローン選び、投資用不動産物件の選択の実現や付帯サービス提供による利便性の向上に貢献してまいります。

 具体的なマーケティング戦略としましては、ユーザーに対して当社サービスの認知を獲得するため、オンラインを中心とした広告展開を強化しております。また、当該広告展開のみならず、ユーザーの住宅ローンサービスに関連する各銀行との関係強化を図り、当社サービスの利便性強化を実施してまいります。また、モゲチェック事業については住宅ローンを取り扱うことのある不動産会社や保険代理店等との提携により、当該不動産会社や保険代理店等からユーザーに対してモゲチェックを紹介いただくことで更なる認知獲得に努めています。

 以上のような施策により、顧客の認知度向上及びサービスの満足度を向上させ、高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していく方針であります。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。

 当社グループの主要なサービスである「モゲチェック」は、住宅ローン審査申込に応じて銀行から手数料を受領するフロービジネスのモデルであるため、当該フローの源泉となりますオンラインマーケティング等による集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数を重視しております。また、当該フローに関連して住宅ローン審査申込数及び成長率に加えて、1審査申込当たりの手数料及び審査申込当たり顧客獲得コストを重視しております。

 同様に「INVASE」においてもフロービジネスとなりますため、集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数に加えて、当該フローに関連するバウチャーサービスの集客数及び申込数、借り換え本審査承認数、投資用物件の契約数を重視しております。

(3)経営環境

「モゲチェック」サービスは住宅ローンの提案サービスであることから、住宅ローン市場の市場拡大が業績に影響を与えるものと考えております。以下のグラフのとおり、2018年から2022年にかけて、国内における住宅ローンの新規貸出額は、19.4兆円から20.2兆円と約4.4%増加しております。当該住宅ローン貸出残高が上昇基調にある要因として、低金利環境の長期化、住宅ローン減税による購入需要の喚起や、マンション価格の上昇の3点が挙げられると判断しています。


(新規貸出額推移、単位:億円)

(出所:国土交通省 令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書より当社作成)

日本の低金利環境の証左として日本国債10年物の推移を見ると、2007年のリーマンショック以降低下の傾向及び2016年から現在に至るまで0.0%から1.0%程度で推移しています。加えて、民間金融機関の住宅ローンは、固定金利、変動金利ともに、1996年から現在に至るまでほぼ横ばいの水準で推移しており、先述の低金利環境は2008年の金融危機及びその後の金融緩和以降も長きにわたり継続していることから、今後の住宅ローン含む低金利環境が継続する可能性は高いものと想定しております。また、2023年4月に新しく日本銀行総裁に就任した植田総裁からも「金融緩和を継続し、経済をしっかり支える必要がある」とコメントがあり、2024年3月にマイナス金利が解除されておりますが、金利の上昇幅は限定的となっており、本書提出時点においても当該低金利環境は継続しているものと認識しております。


●日本国債10年物の推移

(出所:財務省等の公表データより当社作成)

 また、住宅ローン減税については、2022年度の税制改正により2025年末までの延長が決定(2025年中の住宅購入者まで適用)されており、また、当該減税措置の適用期間は10年から13年に延長されていることから、最大2038年までの住宅ローン減税による長期的な需要喚起が見込まれております。

 マンション価格については、日銀のマイナス金利政策や政府の住宅取得支援制度などを背景に、2022年においても首都圏中古マンション成約平米単価は10年連続の上昇を続けており、中古マンション需要が引き続き高い状態が続いております。2020年3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が緩和され、首都圏中古マンション成約件数は2020年4月を起点として緩やかな上昇傾向が続いており、2022年においても改善の兆しをみせております。(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)

 こうした環境を踏まえると、当社グループの主要なサービスであるモゲチェック事業は底堅い住宅ローン市場に伴い強固なビジネス環境に立脚していると認識しており、今後の更なる認知度向上に伴い、当社グループのサービスへの需要も更に拡大していくものと考えております。

 今後の住宅ローン市場については金利動向及び住宅に係る需給バランスによるところがありますが、以下の持ち家比率の推移にあるとおり、金利動向、経済動向に関わらず住宅購入に係る需要は常に60%程度と一定以上の水準で推移していることから、今後も一定の住宅需要が存在すると想定されます。


出所:総務省統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成

 このような最近の業界動向及び事業環境の変化を踏まえ、当社では、本書「事業の内容」についてプロダクトの開発を進めてまいりました。利便性の向上等によりモゲチェックサービス会員数、INVASEサービス会員数が増加したものと考えております。

 当社は、引き続きモゲチェックサービスの開発及び不動産会社や保険会社等との提携と、INVASEサービスにおける営業体制の強化を重点課題と位置付け、持続的な成長を維持できるよう推進してまいります。

 また、主力サービスであるモゲチェックサービスの優位性、差別化の特徴は4点あります。以下の図は概要となります。


①業態

 モゲチェックは貸金業に基づいたオンラインにおける住宅ローン提案サービスを提供しており、他の住宅ローン比較サイトが広告業を成り立ちとしている点でサービスの内容が異なります。

②信用力分析

 モゲチェックはユーザーの信用力の分析に基づいた住宅ローンの提案サービスを軸としており、表面金利の高低による金利ランキングが中心となる住宅ローン比較サイトと異なり、ユーザー個人に対してのオーダーメード型のサービスとなっています。当該信用力分析は取得済みの特許(特許番号7366355号)「融資承認確率算出装置、融資承認確率算出方法、及びプログラム」を活用しております。住宅購入に際しての顧客の主な課題として、「自分が住宅ローンをいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」が考えられます。銀行ごとに顧客が申込を全て実施すればそれぞれの銀行において審査を受けることは可能ですが、手間あるいは購入予定物件の申込期限等に鑑みて現実的とは言い難いと考えられます。モゲチェックを通じてのみ、「自分がいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」がわかるのであれば、その利便性をもってモゲチェックを使う理由になり、他社との差別化の特徴であると考えております。

③クイック申込

 モゲチェックは申込方法の利便性を追求している一方で、他のサービスにおいては審査申込は個別銀行ごとにユーザーが対応する必要が発生します。

④チャットサポート

 モゲチェックは住宅ローンの提案から決済まで人とAIによるサポートを実施していますが、住宅ローン比較サイトはビジネスが広告業をベースとしているため、サポートができません(貸金業法第11条第2項)。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

①既存サービスの強化を目的とした認知度向上

 当社グループのサービスはオンラインサービスであることから、住宅ローン利用予定者や投資用不動産購入予定者など、潜在的なユーザーによるサービスのオンライン検索において、当社グループのサービスの第一想起が重要であると認識しています。モゲチェック事業及びINVASE事業ともに、オンライン広告やセミナーの開催等による認知度の向上に加えて、サービスサイトの導線改善等により、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果の向上が見られていることから、今後もオンライン広告を中心に、提携不動産会社の顧客網の活用等も加えて、認知度向上が可能と考えております。

②提携不動産会社等とのリレーション強化

 モゲチェック事業は、2022年7月より提携不動産会社、2023年より提携保険代理店等によるモゲチェックサービスの利用を開始しました。当該提携は、住宅ローン利用予定者との接点の拡大を企図したものであり、結果的に提携不動産会社等からの住宅ローン審査申込数は増加傾向にあり、今後も提携不動産会社等を増やすことで売上の向上に繋がるものと想定しております。

③継続的な新サービスの提供

 当社グループが今後も成長を持続していくためには他社との差別化が急務であり、サービスの優位性を高めるための機能強化・追加が必要不可欠であると認識しております。当社グループは、特定分野・技術に固執せずに、新しい技術分野にも取り組みながら、幅広い技術分野を網羅し、最適なものを組み合わせてサービスを提供することを重視しております。AIやクラウドだけでなく、将来的にはWeb、モバイル、ビッグデータ解析等の技術や、Webサービス、モバイルアプリ双方において優れたユーザー体験を実現するUI/UX(注)のノウハウを用いることで、ユーザーニーズに柔軟に対応できることが当社グループの事業展開上の強みとなっていると認識しております。今後も当社の付加価値を上げるサービスを展開してまいります。

(注) UI/UXとは、User Interface/User Experienceの略称で、UIとはユーザーがパソコンやスマートフォン等のデバイスを通じてデザイン、フォントや外観など視覚に触れる情報のことであり、UXとはユーザーがUIを実装したサービスを通じて得られる体験を指します。

④優秀な人材の継続的な採用と育成

当社グループは、成長戦略を着実に実行していくことで売上高の高成長を実現するとともに、営業利益率の向上を図ることが課題だと認識しております。そのためには、採用力強化により技術者人材やオペレーション関連人材を増員すると同時に、対応技術分野やカスタマーサポートの充実等により、付加価値の高いサービスを提供しサービス利用率の向上に努めることで、売上高の向上を図ってまいります。

⑤内部管理体制の強化

 当社グループは、今後もより一層の事業拡大及び成長を見込んでおります。そのため、事業拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。

⑥財務基盤の強化

 当社グループは、事業拡大に関する開発人員及び営業人員の採用や認知促進活動といった先行投資により、2024年6月期まで連続して当期純損失を計上しております。一方で、先行投資に関しては今後の資金繰りに支障が無いように資金調達をし、当該先行投資の結果として売上も伸長しており、収益力も高まっております。

 また、優秀な人材の採用及び育成、事業開発及びシステム開発活動など、今後の事業拡大に向けた投資資金需要に対応すべく、事業資金を安定的に確保することが必要不可欠であると考えております。今後の資金調達手段としては、主に金融機関からの借入、エクイティファイナンスを検討しております。

 加えて、売上高の成長を通じて当期純損益の黒字化を図っていくことが重要な課題と認識しております。

⑦情報管理体制の強化

当社グループは、事業の特性上、信用情報等の重要な個人情報を含む機密情報を保持しており、このような情報の流出や不適切な取り扱いを防止すべきであると認識しております。当社グループは個人情報を取り扱う業務フローの整備、社内教育等を実施しておりますが、情報セキュリティの強化等により情報管理体制の強化を図ってまいります。

より抜粋
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