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【東証プライム:6999】「電気機器」
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企業概要
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。
(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、地政学的な緊張、米国の貿易政策による物価上昇やデカップリングの進行等により、先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向けて環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれますが、足元では自動車向けの需要は堅調に推移する一方、産業機器向けは立ち上がりが鈍く回復が遅れる等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。
このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。
さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。これらマテリアリティへの取組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。
カテゴリー | マテリアリティ | 取組テーマ |
環境 | CO2削減と経済性の両立 | デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上 Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減 |
社会 | 未来を創る人材の確保と育成 | 多様性の向上 |
自律的なキャリアの支援 | ||
社員が生き生きと働ける環境の整備 | ||
人財ポートフォリオの構築 | ||
地域社会との連携による価値の創造 | 将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現 | |
ガバナンス | ガバナンス強化によるグループ経営基盤強化 | グループ全体での情報セキュリティの強化 |
株主・投資家と企業との建設的な対話の実現 | ||
事業 | 自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供 | 技術環境・産業構造の変化への対応 |
事業ポートフォリオ経営の強化 | ||
顧客との信頼関係の強化 | B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化 | |
強靭でフェアなサプライチェーンの構築 | グローバル供給体制の最適化 | |
お取引先様との信頼の強化 | ||
経済安全保障対策 | ||
製品の安全性と品質の追求 |
また、2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を実行してまいりました。この中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS※の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」に注力してまいりました。2025年度よりフェーズ2にあたる次期中期経営計画(2025-2027)を開始するための準備を進めてまいりましたが、米国関税政策起因による世界景気への影響により先行きが非常に不透明であることから、数値目標を含め中長期戦略の再検討を行っており、開示を延期しております。
※KPS(KOA Profit System) = 全員参加の経営改善活動
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。
このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。
具体的には、カーボンニュートラル実現に向けた自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築を進めてまいりました。足元では上記のような市場環境の変化がありますが、「ゼロディフェクト・フローの構築」を目指した品質・信頼性の向上やデジタル技術を活用した劇的な生産性の向上、顧客ニーズを先読みしたデザインイン活動からの新製品提案などの競争優位性をさらに磨き上げ、積極的な拡販およびコスト構造の変革を実践してまいります。
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