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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、中長期的な成長及び企業価値の向上を図るべく、出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育事業等において、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さらにテクノロジーをより一層活用することで、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略としております。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2023年3月期から3か年の中期経営方針において、2025年3月期に売上高2,500億円(うち、海外売上高500億円)、営業利益250億円、EBITDA311億円を達成することを経営目標として掲げておりましたが、重点事業の一つであるゲーム事業の大きな成功により、本経営目標を初年度で達成いたしました。そのため、成長戦略に基づく新たな経営目標を策定し2024年3月期第2四半期決算発表時に公表する予定です。

 また中長期的な目標として、ROE(自己資本利益率)10%を引き続き目指してまいります。
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く事業環境は、国内出版市場においては電子出版が継続的に成長する中、紙出版は減少傾向が継続しています。一方で、海外でのコミック市場を中心とする日本コンテンツ需要の拡大が継続し、当社を取り巻く事業環境がますます国際化しております。

 映画館やイベントについては、国内興行収入はコロナ禍前2019年の8割程度の水準に戻しており、規制緩和によりリアルイベント市場も回復傾向にあります。

 また、映像配信、オンラインゲーム及びオンラインライブの普及により、デジタルのコンテンツ需要が世界的に高まるとともにコンテンツを中心に他者とつながる楽しみ方も広がっております。

 こうした事業環境を捉え、当社は「グローバル・メディアミックス with Technology」を中期経営計画の基本方針とし、テクノロジーの進化を柔軟に取り込み事業のデジタルシフトを進めながら、IP創出と海外展開を強化するとともに、ファンコミュニティ運営を強化することで、IP価値の最大化と継続的な業績拡大に努めてまいります。

 加えて、クリエイティビティ、モチベーション、テクノロジーをキーワードに従業員一人ひとりが創造性を最大限発揮できる社内基盤整備を継続し、イノベーション創出に挑戦してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 事業別の状況及び課題は以下のとおりであります。

[出版事業]

 引き続き強力なIPの創出に努め、グローバルな作品流通を増やすとともに、国内では製造・物流の改革による返品率のさらなる改善や編集DXによる生産性の改善を進めてまいります。

IP創出においては、国内での小説投稿サイト「カクヨム」や「魔法のiらんど」等を通じたネット投稿作品の開発を継続強化するとともに、海外子会社と一体となってグローバルに作品を開発してまいります。また、スマートフォン読者層を拡大するため、縦スクロール漫画についても専用レーベル「タテスクコミック」を中心に開発本数を拡大してまいります。

 グローバルな作品流通においては、多言語化の制作投資を行い、電子書籍でのサイマル流通や紙書籍での流通を拡大してまいります。

 雑誌では、Webメディアを中心にデジタルシフトをさらに進めながら、収益性の向上に取り組んでまいります。

 電子書籍では、電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」において英語圏・繁体字圏に続いてタイ語での展開を2023年3月28日より開始いたしました。またIP創出においても、英語、中国語、マレー語、タイ語の賞を設けた「TATESC COMICS Global Awards」を開催しており、縦スクロール漫画、コミック、及びライトノベル等のテキスト系コンテンツのグローバル市場開拓に引き続き注力してまいります。

 また、動画や音声コンテンツによる新たな体験価値の創出、児童書等の商品化の拡大、dマガジン等の他プラットフォームとの連携、及び電子書籍のサブスクリプションサービスを推進し、多様な楽しみ方を世界中の読者に提案してまいります。

[映像事業]

 映像では、グローバルな映像配信に対応した企画制作一気通貫のIP創出体制を確立するべく、映像製作力の強化を進めております。

 アニメでは引き続き自社制作力を強化し良質な作品をラインナップしながら制作規模を拡大してまいります。また、北米を中心とするマーケティングを強化し作品認知度を上げ、国内及び海外市場における権利販売や映像配信事業に注力してまいります。

 実写映像の製作・配給におきましては、予算や契約の管理強化を含めた総合的な製作力の強化を進めてまいります。また、映像配信市場に対応した映画やドラマの海外企業との共同製作を推進するとともに、視聴態様の多様化に対応するための新たな枠組を引き続き検討してまいります。

[ゲーム事業]

 ゲームでは、国内を含む世界市場が拡大する中で、当社原作のスマートフォンゲーム開発実績が出始めており、今後は開発ラインを拡大しながら、メディアミックスによるさらなる収益力の向上を図ってまいります。

PCや据置機のゲームにおいては、『ELDEN RING』の記録的大ヒットによるブランド力や開発力の高さを活用し、『ARMORED CORE』等の当社グループのシリーズタイトルの開発や他社からの受託開発を引き続き行ってまいります。

[Webサービス事業]

Webサービスでは、ニコニコのプレミアム会員数を増加に転じさせるための継続的な取り組みとニコニコチャンネルにおけるファンコミュニティの強化を行ってまいります。また、サービスの向上と開発効率の向上及び長期的な費用低減を行うため、クラウドサーバを活用したデジタルインフラへの投資を継続的に行ってまいります。

 各種イベントの企画・運営では、2023年4月22日~30日の9日間にわたり日本最大級のユーザー参加型イベント「ニコニコ超会議」を開催いたしました。ネットとリアルのハイブリッドで開催し、4月29日~30日の幕張メッセでのリアル開催には昨年比24%増の11万8,797人にご来場いただきました。こうした大型イベントでユーザーの一体感と満足度を高めるとともに、ネットでの投稿や視聴を促進しユーザーの参加機会を拡大いたします。同時にイベントの選択と集中を高め収益の改善を図ってまいります。

[教育事業]

 教育事業では、インターネットによる通信制高校であるN高等学校及びS高等学校の継続的な生徒数増加に伴い、両校等への教育コンテンツ提供事業が成長しているとともに、VR学習教材を提供することで教育コンテンツの高度化も進めております。今後もより付加価値の高いコンテンツを提供することで収益拡大を目指してまいります。

㈱バンタンにおいては、マンガやアニメ等グループシナジーを活用した分野の新コース設立、及び既存コースのエリア拡大により継続成長を図ってまいります。

[その他事業]

 その他事業では、角川武蔵野ミュージアム、イベント、飲食などの商業施設を展開するところざわサクラタウンをはじめとするIP体験施設運営事業に関し、収益改善が困難なEJアニメホテル及び成田アニメデッキについて運営事業からの撤退と2023年上期中の営業終了を決議し、持続可能な事業への再編成を進めております。

 今後のさらなる来場者増に向けて、企画イベントの質的向上やIP体験施設運営事業のノウハウを他施設に展開することで、引き続き収益力を高めてまいります。

 財務面では、自己資本比率50%以上を維持し財務の健全性を確保しながら中長期でROE10%以上を目指すことを基本方針とし、持続的な事業成長と高い資本効率及び中長期的な企業価値の向上に向け、成長投資と株主還元を実行してまいります。

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