JFLAホールディングス 【東証スタンダード:3069】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針(経営方針)
当社グループは「食を通じた新たな価値の創造と提供」をミッションに、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」、「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的成長」という3つの中長期戦略を実行しております。戦略に紐づく各課題へ積極的に取り組み、生産・流通・販売の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めております。
(2) グループ方針
① 持続的成長モデルの確立
・消費者のライフスタイルの変化に応える商品・サービスの提供
・デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産・流通・販売機能の競争力強化
・製販一体型モデルの深化による事業の生産性と収益性の向上
・「食」を通じて健康増進や豊かな生活を実現する新規事業(ウエルエイジング事業)の推進
② 事業リスクの耐性強化
・安定的な生産と供給を確保する様々なリスクへの耐性強化
・グループ会社の収益率基準の設定
・財務体質の強化
③ 当社が目指すSDGsの実現
・乳業や醸造工場で排出されるCO2削減による環境保全や地域貢献の実現
・生産及び販売部門で発生するフードロスや食材廃棄の低減
・グループ各社における障がい者雇用や人材の多様化を推進
(3) 部門別の重点目標
① 生産部門
・乳業事業:ノンデイリーと機能性飲料の開発強化による商品ポートフォリオの拡充と収益性向上
設備投資と人員体制の増強による生産性の向上
・醸造事業:醸造技術を生かし付加価値の高い機能性飲料や調味料の開発強化
海外市場向け商品開発の強化による輸出比率の向上
② 流通部門
・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:消費者のライフスタイルやニーズに適ったブランド・商品ポートフォリオの拡充
・ソリューション機能強化:取引先の課題解決と新たな価値創造の実現
・デジタルマーケティングの強化:電子取引、通販等のデジタルマーケティングの強化
③ 販売部門
・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:高付加価値を有するブランドを中心に事業ポートフォリオの再構築
・製販一体型モデルの推進:優良ブランドの料飲から小売商品に至るトータル展開を推進
(4) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い行動制限が緩和され、インバウンド需要も回復基調となり経済活動の正常化が徐々に進みました。一方で、緊迫した世界情勢に加え、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安進行に伴う物価上昇が続き、依然として先行き不透明な状況となり、食品・飲食業界につきましては、外食を中心に持ち直しの動きが見られたものの、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安の進行に伴う相次ぐ食品の値上げによる物価上昇や、実質賃金の減少による節約志向の高まり等、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループは、「食を通じた新たな価値の創造と提供」をミッションに、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」、「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的な成長」という3つの中長期戦略を遂行するにあたり対処すべき課題は以下の通りと考えております。
① 事業再生計画の策定と実行
当社は、2023年9月14日に事業再生計画を策定いたしました。当該事業再生計画に基づき、株式会社地域経済活性化支援機構より出資及び経営人材の派遣を受け、各課題・施策に取り組むことで、不安定な事業環境においても事業継続が可能な経営基盤の構築を目指します。
そのための各施策は下記のとおりであります。
○製品値上げによる収益性改善
原材料価格やエネルギー価格の高騰等により製造原価・仕入原価の上昇傾向が続く中、適正な販売価格の値上げを通じて収益性改善を図ります。
○製品ポートフォリオ見直しによる収益性改善
低採算製品・商品の製造または販売の見直しや廃止等を行い、高収益製品への経営資源を集中させることにより、生産効率や販売収益の最適化に努めます。
○設備投資による業務効率化及び人件費削減
生産事業を手掛ける当社子会社において、設備投資を積極的に行うことにより、工場内機械化及び製造ラインの拡充を実施し、生産性向上及び労務費の適正化を図ります。
○不採算子会社の整理
グループとの親和性や今後の業績回復が見込みにくい当社子会社については、第三者売却等により当社グループの収益性及び財務改善を図ります。
○不採算工場・店舗の閉鎖
生産事業において、工場単独での損益の改善が難しい拠点の集約や移管等を行い、経営資源の集中及び収益性改善を図ります。また販売事業においても、店舗別損益管理を徹底し、コスト削減をしてもなお赤字が見込まれる不採算店舗については、閉鎖を検討いたします。
○本部経費見直し
役員報酬の自主返納及び人員数・人員配置の適正化を図るとともに、他の経費の抜本的見直しによりコスト削減を図ります。
○経営管理体制の強化
事業再生計画の迅速な遂行のため、株式会社地域経済活性化支援機構からの派遣人員を活用するとともに、当社グループの適切なガバナンス体制の構築を図ります。
② 財務基盤の強化
当社は、2024年1月31日に、株式会社地域経済活性化支援機構への第三者割当によるA種種類株式の発行により、20億円の資金調達を行いました。また同機構より24.5億円の融資を受け、金融機関に対する借入金の一部弁済を行いました。この結果、自己資本比率は15.9%と改善しておりますが、引き続きバランスシート及びキャッシュフローの改善に努め、財務基盤の強化を進めてまいります。
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