IDホールディングス
【東証プライム:4709】「情報・通信業」
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企業概要
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針としています。「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」というミッションの実現に向けて、努めていきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
<経営環境・経営戦略等>
昨今における労働人口の減少を背景に、AIをはじめとした先端ITの利活用による自動化、省人化がトレンドとなっています。また、企業を標的としたサイバー攻撃がますます激化しており、事業継続の要件としてセキュリティ対策の整備も急務となっています。
情報サービス業界では、それらにかかわるメソッドを製品・サービスとして提供する側面もあり、顧客からの投資は今後も拡大していく見込です。
当社グループは、ITコンサルティング、ITインフラ、アプリケーション開発、サイバーセキュリティ、システムマネジメントの5つのサービスを顧客ニーズに合わせて柔軟に提供しています。とくにシステムマネジメント分野においては、他社にない大規模かつ高品質なサービスを実現し、高い顧客満足度を獲得してきました。また、金融、公共、製造業など多岐にわたる業界のお客様との直接契約が6割以上を占めており、お客様のITシステムを長期にわたってサポートし続けることで、豊富な知識と経験を蓄えてきました。
当社グループはこれらの事業の強みを活かし、継続的な人材確保と育成、さらなるサービス価値向上に取り組んでいきます。
<中期経営計画について>
当社グループは、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ "JUMP!!!"」を策定し、戦略テーマとして「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つを軸に、サービスポートフォリオ戦略、顧客接点の確立、人的資本投資戦略をはじめとした6つの重点戦略を推進します。
中期経営計画の最終年度である2028年3月期の売上高は440億円、営業利益57億円、営業利益率13.0%を目標に設定しました。人材不足の加速や、技術進歩により業界の在り方が変化するなかで、当社の事業を担う「人材」の価値をこれまで以上に高め、収益力・成長性の高いビジネスモデルへの変革を図ります。
(中期経営計画の概要図)
具体的には、以下の6つの重点戦略を掲げ、各施策に取り組んでいきます。
① サービスポートフォリオ戦略
デジタルシフトの加速にともなって市場拡大が見込まれるコンサルティング、ITインフラ、サイバーセキュリティの3事業を注力領域と位置付け、より付加価値の高いサービスを提供して事業拡大を目指します。また、ITの民主化や自動化トレンドにともなう市場成長の鈍化予測のなかで、アプリケーション開発とシステムマネジメントの2事業を基盤領域と定め、選択と集中による高収益案件の獲得、利益率向上を図ります。
AIなどの技術的な進化にともなって縮小していく見込みの下流工程から上流工程への人材シフト施策として、基盤領域から注力領域への人材のアップスキルを進めます。これにより質と量の両面で強化された人材ポートフォリオを構築し、高収益モデルの実現を目指します。
サービスの付加価値を高め、事業を拡大していくためには、案件の規模や技術分野に応じたビジネスパートナーとの協業が重要になります。当社グループは、コアパートナーの認定強化や相助型の人材育成による生産体制の構築をつうじ、ビジネスパートナーとともに成長できる関係性を築きます。
国内外に多数のサービス拠点を保有する当社グループの強みを活かし、ニアショアおよびオフショア体制を強化します。特に案件受注の多い東京と中部から各拠点への発注を推進し、営業拠点に拠らないサービス提供体制を構築します。
お客さまの業務や当社グループのサービスプロセスにおけるAIの活用推進や、システムマネジメントをバーチャル空間で実現するID-VROPでの次世代システム運用の浸透、ブロックチェーンをはじめとした特許技術の活用拡大など、これまで手掛けてきた先端技術の研究開発にも継続して取り組み、ビジネスの新規創出と進化による企業競争力の向上を目指します。
② 顧客接点の確立
ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、常に付加価値の高いサービスが要求されています。さらに、急速な市場の変化に対応するためには、技術トレンドを捉え、柔軟に対応することが求められます。当社グループは、プロアクティブで横断的な営業アプローチを実現するマーケティング&ビジネス機能を新設しました。これにより、顧客の多様な課題に迅速かつ的確に対応できる中長期的なIT戦略パートナーとして、受注規模の拡大を図り、収益性の向上を目指します。
③ 人的資本投資戦略
当社グループは、プロフェッショナル人材が輝く企業を目指し、社員の「なりたい」「やりたい」を実現するための環境を提供します。社員の長期キャリアビジョンに沿った機会の提供や、実現するための創造力と変革力の強化を支援し、自律思考を促進する文化を醸成します。また、多様性と人権を尊重する組織の構築や、時間外労働の削減、有給休暇の取得率向上を図ることで、社員エンゲージメントの向上を実現します。
④ M&A戦略
中長期目標に掲げる収益性の向上に資するため、特に注力領域とのシナジーが高い企業を対象に、M&Aおよび資本業務提携を積極的に推進します。
対象企業は人材確保、技術・ライセンスの獲得、顧客開拓の3つの観点を重視します。コンサルタントやプロジェクトマネージャー人材の即戦力確保により、事業の成長を加速させます。技術やライセンスを獲得することで、既存事業とも組み合わせて新たなソリューションを提供することができます。より多角的な優良顧客の開拓は、収益基盤のさらなる安定化を実現します。
⑤ グローバル戦略
当社グループにおけるグローバル拠点について、既存のオフショア活用のみならず、日系企業の海外拠点サポートにも注力していきます。今後、海外市場はさらなる拡大を見込めており、多くの日系企業が進出するものと予想されます。当社グループはそれら日系企業を顧客ターゲットに定め、その海外進出の現地ITサポートを目指します。また、その実現に向けて国内外におけるグローバル人材の採用と育成を推進します。
⑥ 資本コストと株価を意識した経営
当社は過去10年間にわたり、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)の改善に努めてきました。
今後も持続的に株主資本コストを上回るROEと、WACC(加重平均資本コスト)を上回るROICの実現を目指します。また、経営資源の戦略的な配分を行い、人的資本投資、研究開発投資、M&A投資などを推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。
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