企業兼大株主HEROZ東証スタンダード:4382】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 「世界を驚かすサービスを創出する」という理念のもと、将棋等の頭脳ゲームAIを開発する過程で培った技術力を活用し、またグループ会社で蓄積されたSaaS関連技術・セキュリティ関連技術等もフルに活かして、AI革命を起こし、未来を創っていく集団であり続けることを当社グループの基本方針としております。

(2)経営環境・経営戦略

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルスの収束に向けた動きが加速され景気が緩やかに持ち直しの動きを見せた一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、国内外におけるインフレや世界的な金融引締めの傾向が見られる等、先行きが不透明な状況が続きました。

 このような環境の中で、当社は「驚きを心に」をコンセプトとして、人々の生活が便利に楽しくなるように、AIを活用したサービスをBtoCおよびBtoB領域で展開してまいりました。そして、第2四半期連結会計期間において、「より安定的な収益基盤の構築」「社内に蓄積されたAI技術・データの利活用」「様々な業界へのAI・SaaSの更なる展開」等を目的とし、バリオセキュア株式会社(以下、「バリオセキュア」という。)及び株式会社ストラテジット(以下、「ストラテジット」という。)の株式を取得し連結子会社化いたしました。

 AI市場は、ディープラーニング等の機械学習関連アルゴリズムの高度化に加えて、機械学習に利用可能な計算機の能力向上やデータの増加により更なる成長が続いております。また、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大も見込まれると認識しております。

 特にAI市場においては、OpenAI社(以下、「OpenAI」という。)が「ChatGPT-3.5」「ChatGPT-4.0」を発表し、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。現状、各産業において上記モデルを含むAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の動きが高まっており、今後も更なる技術革新に伴いAIXに関する需要が拡大していくことが見込まれます。なお当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。

 このように、国内外においてより急激に技術革新やAIXを含むIT関連投資が進む中で、当社グループは、「AI SaaS」戦略を掲げ、グループ内に蓄積されたAI関連技術をフルに利活用することにより、各産業に革新的なソリューションを提供し世界を驚かせるAI革命を目指したいと考えております。具体的には、「AI/DX事業」「AI Security事業」の各セグメントにおいて、各企業・業界のAI/DX化推進やグループシナジーの強化に努めていきたいと考えているほか、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAI・SaaS・セキュリティ関連分野において積極的に研究開発を進め、よりスピード感をもって「AI SaaS」戦略としてグループ全体の事業拡大を目指してまいります。

 セグメント別の事業戦略は、以下となります。

・AI/DX事業

 当社グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、AI・SaaS導入支援やSaaS間連携開発等を提供することにより、各企業・業界のAI/DX化推進を目指す事業となります。具体的には、HEROZ株式会社の提供するBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、ストラテジットが提供するSaaS導入支援やAPI連携開発等が含まれています。

・AI Security事業

 マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュアが提供するAI Security事業になります。

 また、当社が2019年12月24日の公募増資によって調達した資金について、新規人材の採用関連費用、機械学習用サーバ等への設備投資、同サーバ費用等の通信費、オフィス増床の為の敷金及び費用、当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資、運転資金等へその一部を充当しております。その一環として、2022年8月にストラテジット株式を、2022年9月にバリオセキュア株式を取得しいずれも連結子会社化いたしました。残額については、2022年6月10日に開示しております「資金使途の変更に関するお知らせ」にて記載の通り、引き続き当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資資金に充当する想定であり、当社の中長期的な成長戦略の実現を目指してまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルスの収束に向けた動きが加速され景気は緩やかに持ち直している一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、国内外におけるインフレや世界的な金融引締めの傾向が見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。

 その一方で、情報サービス業界においては、経済産業省が推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資がより一層重要性を増しております。特にAI市場においては、従来のディープラーニング等の機械学習関連アルゴリズムの高度化に加え、OpenAIにより発表された大規模言語モデル「ChatGPT-3.5」「ChatGPT-4.0」が大きな注目を集めており、各企業がAIX投資の動きを加速させております。また、SaaS市場においても、新型コロナウイルスの影響等により市場は拡大を続けており、今後、サービス導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」や「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要が拡大すると見込まれます。

 また、セキュリティサービス市場においては、サイバー犯罪のほかに国家主導型の攻撃も増加しており、サイバーセキュリティの脅威が高度化・巧妙化する中で、各企業におけるセキュリティ対策の重要性が拡大しております。

 このような状況の下で、当社グループでは、継続的な事業拡大のため、以下の課題について対応が必要であると考えております。

① AI・SaaS関連の新技術への対応

 当社及び当社グループが強みとするAI関連・SaaS関連の技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。

 また先述のとおり、OpenAIが2022年11月に大規模言語モデル「ChatGPT-3.5」を、2023年3月には「ChatGPT-4.0」を発表し、各企業が同モデルを含むAIXに関する投資を拡大するなど技術革新が激しく進んでおり、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。

 当社では、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努め、またコンピュータ将棋の大会で上位入賞するための情報収集や試行錯誤等を通じて、最先端のAI技術の開発と導入を行いながらその技術力向上に取り組んでおります。

 また、全社員向けに「ChatGPT Plus」支援制度を導入したほか、ChatGPT脚本によるラジオドラマ制作への技術協力の実施や、ChatGPTを企業の実業務へ適用可能とする「HEROZ Knowledge System built with ChatGPT」の提供を開始するなど、スピード感をもって最新技術の導入を進めており、そのほか大規模言語モデルを含むAI・SaaS・セキュリティ分野において積極的な研究開発も進めております。

② セキュリティサービス関連の新技術への対応

 当社のグループ会社であるバリオセキュアはインターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、インターネットセキュリティ関連分野においては、クラウドサービスの利用拡大やウィズコロナによるワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威が社外、社内という境界を超えて存在するようになりました。

 このような環境下、バリオセキュアでは外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。さらに急速に変化する社会のニーズを的確に捉え、エンドユーザに対するサービスを提供していくため、サービス・事業開発を行う部署を設置いたしました。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。

③ 人材の確保

 当社グループは、AI市場をはじめとする情報サービス業界全体の拡大、新規参入企業の増加、顧客・ユーザのニーズの多様化、急激な技術革新等に迅速に対応していくため、最先端の技術を有する人材の確保、育成が必要と考えております。

 しかし、優秀な技能を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。

 当社グループとしましては、技術力の高さを通じて市場でのプレゼンスを高めることや、優秀な人材が興味や関心を持つ分野での各種取り組みを強化すること等によって会社の魅力を訴求していくことが重要であると考えております。また、社内研修の強化等を図っていくことで人材の育成につなげるほか、人事制度の整備・運用やエンゲージメントサーベイなどを実施し、従業員の定着率向上に努めてまいりたいと考えております。

④ 情報管理体制の強化

 当社グループでは、現在、様々な業界に対してAI SaaS関連サービスの提供を行っております。このようなAI・SaaS関連のソリューション提供のためには、それぞれの業界において蓄積されたデータが必要になるため、データを有する企業とのパートナーシップ戦略を採用しております。その結果、顧客の機密情報を扱うこととなっているため、情報管理規程等に基づいた管理を徹底しており、今後も社内教育を継続して行ってまいります。

⑤ SDGsに関する課題への対応

 当社グループは、グループ内に蓄積されたAI・SaaS関連技術、データ等を活用して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するべく、以下の重点方針に従い、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みを進めてまいります。

<重点方針>

・AIXの推進

 当社グループは「AI SaaS」モデルを掲げており、AI・SaaS関連技術の活用を通じて各産業におけるAIXを推進し、創造的な業務に注力できる産業構造を創出いたします。

・AIを通じた地域社会や地球環境への貢献

 温度や湿度等を快適にする建物制御システムに当社のAIを搭載する等、省エネルギー化につながるAIを提供し、環境負荷を軽減する取り組みに参加いたします。

・働きがいのある環境づくり

 在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しております。また、残業時間のモニタリングや産業医面談等、長時間労働や過重労働を防ぐための体制を作り、役職員の健康管理にも配慮しております。

・人材育成・価値発揮

 社員一人一人が、自己の能力を高めることができる業務体制や人事制度を整えているほか、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。また、人事制度に関してはグループ内で適宜見直しを行い、臨機応変に整備を行うことにより人材力の強化に努めております。

・最先端技術のリード

「① AI・SaaS関連の新技術への対応」に記載した内容とも関連しますが、最新技術に関する情報収集等をスピード感をもって行い、高品質で最先端なAIを提供するよう努めております。また、後述の「⑦ 知的財産権の確保等について」にも関連した内容となりますが、当社グループが発案した知的財産の権利化を進め、可能な限り、知的財産を活用できる取り組みも進めております。

⑥ システム基盤の強化

 当社の収益の基盤となるサービスを展開するためには、大量の情報処理やシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバの最適化・安定的な稼働に努めてまいります。

⑦ 知的財産権の確保等について

 当社グループでは、日々のAIソリューション提供やSaaS関連サービスの提供から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独又は共同開発企業等と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。

 しかしながら、AI・SaaS関連分野においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、当社グループも特許権等の取得により当社の活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してAIを開発することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術分野については、他社に先立って戦略的に特許権等を取得していきます。

⑧ サービスの安全性及び健全性の確保

 当社では、BtoCサービスにおいてユーザが安心して当社のサービスを利用できるように、下記のガイドラインを設け、その安全性・健全性の確保に努めております。

 当社の安全性・健全性に関するガイドライン

 第1条(目的)

 このガイドラインは、HEROZ株式会社(以下「当社」という)が運営・提供するゲーム等のサービスについて、当該サービスを利用する者(以下「利用者」という)が安心・安全に楽しめるサービスの提供を実現するために必要な施策を示すことを目的とする。

 第2条(施策)

 前条の目的を達するために以下の施策を行う。

(1)法令遵守の徹底

 サービスの開発・提供に際して、景品表示法その他の関連する法令を遵守する。提供するサービスについて将来的に違法と判明した場合は、直ちに停止する。

(2)18歳未満の利用者の保護の徹底

 入会時もしくは課金時に年齢認証を行い、18歳未満の利用者による過度な課金利用を未然に防止する。月間課金上限額(税抜)については、18歳未満利用者の場合、月額20,000円とし、16歳未満の場合は月額5,000円とする。

(3)リアル・マネー・トレード(RMT)の禁止

 RMTは一切禁止とする。利用規約においてRMTを禁止している旨を明記するとともに、RMT利用が判明した利用者には、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(4)不適切行為に対する措置

 利用規約違反など、サービスにおいて不適切と判断される行為を行った利用者に対しては、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(5)利用者間コミュニケーションの監視

 利用者間のコミュニケーションが安心・安全に行われるよう、定期的に監視し、利用者間の不適切なコミュニケーションを発見した場合には迅速な対処を行う。

(6)適切な有料アイテム出現確率

 有料ガチャのようにランダムで出現する有料アイテムについては、その出現確率を適切な水準に設定する。

(7)社員研修・教育

 サービスの安全性・健全性を向上させるため、社員の研修・教育を実施する。

 第3条(更新)

 サービスの変化、利用者の状況の変化、その他社会状況等の変化に鑑み、当ガイドラインの内容を最適な状態とするべく努力をする。

⑨ 内部管理体制の強化

 当社グループにおきましては、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、当社及び当社グループの事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 また、当社及び当社グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成も重要な課題と認識しており、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。

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