企業兼大株主H.U.グループホールディングス東証プライム:4544】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題

Ⅰ.当社グループのMission, Vision

 当社および当社グループは、「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というMissionのもと、「人々の健康に寄り添い、信頼とイノベーションを通じて、ヘルスケアの発展に貢献するグループを目指す」というVisionを掲げ、事業環境が急激に変化する中、将来の飛躍的な成長のために、医療領域に留まることなく広くヘルスケア領域へと事業を展開しております。

Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要

 当社は、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~』(以下、「本中期計画」)を2020年9月に策定いたしました。

 本中期計画策定時点における想定を大幅に上回る新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化により、グループ一丸となってPCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査等の対応に尽力してまいりました。一方で、後ろ倒しとなっていましたH.U. Bioness Complexは2023年5月に全面稼働となり、一部遅れはあるものの本中期計画は着実に進捗しております。当社としましては、引き続き本中期計画の達成に向けて尽力するとともに、事業環境の変化に対応した中長期的な成長戦略について継続的に協議してまいります。

①当社グループを取り巻く事業環境と本中期計画の重要テーマ

 当社グループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展、簡易迅速的に検査結果の提供が可能な検査キットや機器・試薬のニーズの拡大など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者の行動変容や患者様の受診抑制等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。

 海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。

 このような事業環境の中、当社は、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画『Transform! 2020』(以下、「前中期計画」)において推進してきた成長基盤の整備、組織と業務の変革を土台として、下記3点を本中期計画における重要テーマとして掲げグループ一丸となって推進してまいります。

・H.U. Bioness Complexの稼働

・CDMO事業の強化

・ヘルスケア×ICT

②企業価値向上へのストーリー

 当社グループは、LTS事業およびIVD事業を有する世界的にみても稀有なグループ企業であり、これらの事業に加えて滅菌関連事業や在宅・福祉用具事業をはじめとする様々なヘルスケアに関連する事業の拡大・強化に取り組んでおり、幅広い事業展開を行っております。これらの事業活動により高付加価値または新しい価値を創出していくことが、当社グループの企業価値を向上させるものと考えております。

・当社グループの価値創造ストーリー

 当社グループの有する無形資産を基にグループシナジーを最大限活用し、顧客提供価値の最大化を図ってまいります。

LTS事業およびIVD事業においては、検査の早期開発、開発評価、承認取得を、グループR&D機能も活用し一体となって進めることにより、新規臨床検査の早期実用化を実現してまいります。このLTS事業とIVD事業での価値創造モデルは、今般のSARS-CoV-2抗原検査の早期実用化と収益への貢献により、あらためて実証されたと考えております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、検査の重要性および当社グループが行うLTS事業が医療を支える社会インフラであるということも社会的に広く認識されたと自負しております。

 今後は、中央材料室および手術室における滅菌サービスを提供する滅菌関連事業と合わせて、グループとしての総合提案を行っていくことで、顧客提供価値を最大化し、グループの企業価値を向上してまいります。

※1HSセグメントにおける滅菌関連事業

※2多様な顧客との関係性、それらのカスタマーリレーション

※3KOL:Key Opinion Leader

・グループの事業展開

 病院を中心とした医療機関へのグループ総合提案等により着実な成長を果たすとともに、先端領域の検査拡充、次世代プラットフォームの開発等、更なる成長のための施策に取り組んでまいります。

 また、検査情報のデジタル化を推進するとともに、PHR(Personal Health Record)を含むICT(Information and Communication Technology)サービスツールを導入・推進することにより、事業を通じて得られる様々なデータの利活用と医療/健康情報プラットフォームの確立を目指し、ヘルスケア×ICT領域へと事業展開を進めてまいります。

※ HSセグメントにおける滅菌関連事業

・ヘルスケア×ICTサービスの展開

 地域医療や予防医療の一層の充実が求められる中、当社は、在宅事業やセルフメディケーション・健保事業等を新規育成事業として強化しており、これらのサービスとICTを融合させた新たなサービスを展開してまいります。

 また、開業医向け業務支援SaaS(Software as a Service)と、生活者向けのPHRを当社グループで一体的に提供することで、医療の場における検査結果のさらなる活用をサポートし、LTS事業における開業医向けサービスの付加価値向上に取り組んでまいります。
 

③本中期計画における重要施策

 本中期計画は、新型コロナウイルス感染症への対応およびH.U. Bioness Complex稼働に向けた構造改革を実行していくフェーズと、H.U. Bioness Complexの稼働後の投資の回収および収益拡大を果たす2つのフェーズに分かれます。

 これを前提として、「H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減」、「LTS事業における収益性の改善」、「グループ一体化戦略の推進」、「IVD事業におけるCDMO事業の拡大」を本中期計画における重要施策と定め、グループ一丸となって実行してまいります。

1.H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減

 当社が、本中期計画における最重要施策と位置付けておりましたH.U. Bioness Complexが2022年1月に稼働を開始し、2023年5月に全面稼働いたしました。

H.U. Bioness Complexは、将来の事業環境においても高品質な検査サービスを継続して提供するためのものであり、一般検査においては全自動化による業務効率化と24時間稼働による大量処理が可能となり、また特殊検査においては最先端の検査項目に対応する設備・環境を整備し、AI技術やロボティクス等を導入することで、徹底した業務効率化とさらなる品質向上を追求いたします。

 検査の自動化等により、2025年3月期には、2020年3月期と比較して、H.U. Bioness Complex単体で1検査当たりの原価の低減を見込んでおります。

2.LTS事業における収益性の改善

H.U. Bioness Complexの稼働を踏まえ、まず、2021年3月にエスアールエル福岡ラボラトリーを移転リニューアルし、福岡県福岡市にSRL Advanced Lab. FMAを開設いたしました。また、2026年度には、H.U. Bioness Complex、福岡FMAに続き京都府亀岡市に新関西ラボの開設を予定しており、この3拠点を中心に検査を集約することで、安定的な検査体制の構築と収益性の改善に努めてまいります。

 また、外部とのアライアンス推進によるシェアリング・ロジスティクスの構築やグループ内の集荷機能および拠点の統合を進めることにより、集荷・物流に係るコストの最適化を図ってまいります。

 これらの施策を通じて、高品質な検査を提供することに加え、コスト競争力の向上等によりお客様に選ばれる検査会社となり、更なるシェア向上を果たしてまいります。

3.グループ一体化戦略の推進

3-1グループ営業統合

 当社は、2020年9月に、株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社および日本ステリ株式会社の国内営業部門およびマーケティング部門を統合したH.U.フロンティア株式会社(以下、「H.U.フロンティア」)を設立し、2020年10月1日より営業を開始いたしました。また、2021年10月1日より、当社の連結子会社である株式会社日本医学臨床検査研究所、株式会社北信臨床および株式会社エスアールエル北関東検査センターの営業部門およびマーケティング部門をH.U.フロンティアに統合しております。

H.U.フロンティアは、当社グループがかねてより進めてきたグループシナジーの強化をより加速するために設立されたものであり、医療を取り巻く環境が急速に変化する中、当社グループがもつ臨床検査サービス、臨床検査薬の製造販売、医療器材の滅菌サービスなど幅広い事業をもって、顧客ニーズに応じて様々なサービスや総合的なソリューションを提供してまいります。

 また、各社の顧客基盤を一元化することで、セグメント間のクロスセル拡大や既存顧客への拡販を強化するほか、各社がもつ高い技術力を活用し、最適な新サービスや製品の開発も行うことで、グループ一体での顧客提供価値の最大化を目指してまいります。

3-2グループ内販拡大

 引き続き検査ラボや院内顧客に対するルミパルス製品の内販拡大を推進するとともに、原価率の高い検査試薬や使用量の多い試薬の開発を進めグループ内での内製化を推進し、LTS事業のコスト削減およびグループ全体でのキャッシュ・フロー改善に取り組んでまいります。

3-3R&Dの強化

 グループ内のR&D機能を統合し知の共有を図るとともに、グループ全体最適のR&D戦略を推進し、機動的な技術の導入・開発の加速を推進してまいります。

4.IVD事業におけるCDMO事業の拡大

IVD事業における海外戦略は、ルミパルス製品の拡販を中心に取り組んでまいりましたが、後発のプレーヤーとしてグローバル大手企業と競争し収益を拡大していくことは非常に難しく、また、各国における規制等の変更により薬事関連のコストが増大しております。このような事業環境の中、海外ルミパルスに関しては、展開地域および項目に関する選択と集中を進めてまいります。一方、IVD事業の強みである免疫分野の良質な原材料・試薬開発技術および、LTS事業におけるルミパルス製品の採用実績をもとにした信頼性と評価を活用することで、CDMO事業の強化・拡大に取り組んでまいります。

④2025年3月期の経営数値目標(連結)

 本中期計画において、売上高の着実な成長と利益率の追求のみならず、資本効率の向上と安定的なキャッシュ・フローの創出を果たすべく、下記のとおり経営数値目標を掲げております。

・2021年3月期・2022年3月期および2023年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標

 

2021年3月期(実績)

2022年3月期(実績)

2023年3月期(実績)

2025年3月期(目標)

売上高CAGR

(2021年3月期実績は対前年成長率)

18.2%

20.3%

11.4%

6%以上(※)

EBITDAマージン

17.0%

23.9%

16.5%

18%以上

営業利益率

11.4%

18.5%

9.0%

10%以上

ROE

16.0%

23.2%

10.8%

12%以上

ROIC

8.7%

15.4%

7.0%

8%以上

(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)

・2021年3月期・2022年3月期および2023年3月期の実績と本中期計画における累計数値目標

 

2021年3月期(実績)

2021年3月期~

2022年3月期

(累計実績)

2021年3月期~

2023年3月期

(累積実績)

2021年3月期~

2025年3月期

(累計目標)

営業キャッシュ・フロー

356億円

908億円

1,234億円

1,500億円以上

フリー・キャッシュ・フロー(※)

73億円

317億円

346億円

500億円以上

(※)リース債務を除く

⑤セグメント別計画

1.LTS事業

LTS事業においては、収益性の改善を最重要課題として認識しており、「③本中期計画における重要施策」に記載のとおり、H.U. Bioness Complexの安定稼働と自動化による原価低減、全国ラボ再編、集荷物流機能の合理化、営業統合によるグループ総合提案等の施策を通じて、収益構造を抜本的に改善してまいります。

 さらに、先進医療技術の向上、地域包括ケアシステムの進展や医療におけるICTツールの重要性が高まる等、LTS事業を取り巻く環境は刻々と変化しており、LTS事業が環境変化に対応し飛躍的な成長を果たすべく、「商品力の強化」および「医療機関および生活者へのICTツールの導入」に関しても重要施策として掲げております。

(商品力の強化)

 特殊検査に強みを持つ臨床検査会社として、がんゲノム、血液疾患、感染症や希少疾患等、最先端かつ医療需要の大きい疾患分野の新規項目の導入を推進してまいります。また、将来的に需要が拡大することが予測される再生医療・細胞医療領域への進出を図ってまいります。

 一方、収益性の面では、ルミパルス試薬の採用項目拡大および不採算項目の整理等を通じて、コスト競争力を向上してまいります。

(医療機関および生活者へのICTツールの導入)

 開業医、生活者の双方のニーズに合致したICTツールを提供してまいります。開業医には、これまで提供してきた検査結果システムに加え、業務支援システムを提供し、生活者には、個人のヘルスケア情報を一元管理できるPHRを提供してまいります。

 当社グループが提供するICTツール間を連携させることで、開業医と生活者との間に新しい接点を創出する等、診療効率と患者様サービスの向上に資する新たな価値を創出してまいります。

(LTS事業における2021年3月期・2022年3月期および2023年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)

 

2021年3月期(実績)

2022年3月期(実績)

2023年3月期(実績)

2025年3月期(目標)

売上高CAGR

(2021年3月期実績は対前年成長率)

17.2%

22.3%

10.7%

6%以上(※)

EBITDAマージン

14.0%

18.0%

7.5%

17%以上

営業利益率

9.0%

13.1%

0.2%

9%以上

(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)

2.IVD事業

「③本中期計画における重要施策 4.IVD事業におけるCDMO事業の拡大」に記載のとおり、IVD事業の強みを活かすとともに、生産体制の拡充と社内リソースの再配置等により、CDMO事業の強化・拡大に取り組んでまいります。

 新・グローバル戦略として、まず、継続的な研究開発活動を通じ、他社が保有しないコンテンツの開発・製品化を進めてまいります。次に、日本国内で販売拡大を進め、欧米では臨床データの取得を通じ、新規製品の臨床的価値の実証を進めてまいります。自社プラットフォームで価値が実証された項目・製品はCDMO事業モデルを通じ、世界に広げてまいります。

 国内事業については、H.U.フロンティアによるグループ総合提案および営業力強化、内外販におけるルミパルス試薬の項目拡販、LTS事業向けの項目内製化・導入推進および、マニュアル製品の選択と集中による固定費の最適化により、国内事業の成長と収益性の改善を図ってまいります。

 海外ルミパルス事業については、地域と項目の選択を行うとともに、独自性のあるアルツハイマー関連項目に注力してまいります。なお、アルツハイマー病を始めとする神経疾患関連領域に特化し、バイオマーカーの開発を実施してきたADx NeuroSciences N.V.の買収により、同社が有する幅広い原料のポートフォリオおよび最新の技術等を活用することで、アルツハイマー関連項目のラインアップ拡大を目指してまいります。

 また、ルミパルスの機能を補完・進化すべく、Fluxus, Inc. と開発中の超・高感度検出技術を取り込んだ形で、次期プラットフォーム開発を加速させてまいります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症により需要を再認識したエスプライン製品をはじめとするPOCT(Point Of Care Testing)を強化してまいります。具体的には、検体種別(唾液、鼻前庭、無痛採血等)の拡大や感染症項目のラインアップ強化等により商品力を強化していくほか、H.U.フロンティアによるLTS事業の顧客への販売を進めるとともに、生産キャパシティを拡充してまいります。

(IVD事業における2021年3月期・2022年3月期および2023年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)

 

2021年3月期(実績)

2022年3月期(実績)

2023年3月期(実績)

2025年3月期(目標)

売上高CAGR

(2021年3月期実績は対前年成長率)

24.8%

26.7%

20.5%

4.5%以上(※)

EBITDAマージン

31.8%

46.6%

44.0%

25%以上

営業利益率

25.6%

41.6%

37.9%

20%以上

(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)

3.HS事業

 滅菌関連事業においては、病院の経営環境が厳しさを増す中、医療現場のニーズに応えるとともに、医療現場の効率化やコスト削減に資するサービスを積極的に提案してまいります。

 重点施策としては、営業統合によるグループ総合提案、手術室を含めた全面受託化の深化および、継続的なオペレーションの改善による収益拡大および利益改善を図ってまいります。また、労働集約型ビジネスであることに鑑み、人件費の最適化を図ってまいります。

(HS事業における2021年3月期・2022年3月期および2023年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)

 

2021年3月期(実績)

2022年3月期(実績)

2023年3月期

(実績)

2025年3月期

(目標)

売上高CAGR

(2021年3月期実績は対前年成長率)

13.0%

0.5%

△0.8%

9%以上(※)

EBITDAマージン

11.6%

11.5%

10.0%

12%以上

営業利益率

7.3%

6.3%

3.8%

9%以上

(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)

4.持分法適用関連会社

(Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC)

2023年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症関連検査の受託数が減少する一方、既存のパートナーシップからの売上拡大および新たなパートナーシップの獲得等により、がんや先天性疾患に関わる遺伝学的検査の受託数が増加し、増収となりました。2024年3月期につきましては、引き続き売上成長を図るとともに、株式公開に向けて事業を推進してまいります。

(中国平安JV(深圳平安好医医学検験実験室))

 引続き、三位一体モデル(健診クリニック、画像センター、検査ラボ)を推進しながら、中国平安グループの顧客基盤やネットワークの活用等による院内ラボ事業の拡大、特殊検査項目の導入等により、持分法投資損益の黒字化を目指してまいります。

(株式会社札幌ミライラボラトリーおよび株式会社札幌メディ・キャリー)

2021年6月10日付で、札幌臨床検査センター株式会社との間で、北海道札幌地域において共同で検体検査ラボ事業を行うための合弁会社および同地域において共同で臨床検査関連の集荷・物流事業を行うための合弁会社を設立し、2022年3月期より事業を開始しております。

(株式会社メディスケット)

2022年4月1日付で、株式会社メディパルホールディングスとの間で、医療・ヘルスケア領域における物流プラットフォームの構築に取り組むための物流合弁会社を設立し、自社の集荷・物流効率の向上のみならず、他社への集荷サービス提供の拡張を目指しています。具体的には、集荷コスト、両社のルート共通化により温室効果ガス、保有車両等の削減を目標としております。

(株式会社ガイアメディケア)

 当社の子会社であるケアレックス株式会社が、在宅事業を営む株式会社ガイアメディケアとの間で業務提携契約を締結したうえで、発行済株式総数の33.4%を取得し、当社の持分法適用会社としております。採用や教育・研修における連携や人事交流を推進し、人材やサービス提供エリアを両社で補完し合うことで首都圏を面でカバーする体制を構築していきます。

⑥財務戦略と財務規律

 本中期計画においては、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいります。

1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの改善

2)ファイナンスリースおよび不動産ファイナンスの活用

3)不動産売却の推進

(財務規律)

 

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(実績)

2025年3月期

(目標)

(リース債務を除く)純有利子負債
/EBITDA倍率(倍)

0.6倍

0.17倍

0.45倍

1.3倍以下(※)

(本中計期間中2.5倍以下を維持する)

自己資本比率(%)
(不動産ファイナンスを除く)

45.6%

48.9%

50.3%

40%以上

(※)2025年3月期

Ⅲ.2024年3月期の計画

①2024年3月期の見通しについて

2024年3月期につきましては、PCR検査をはじめとする新型コロナウイルス感染症関連検査の減少等により、下記のとおりとなる見込みです。

単位:億円(四捨五入)

2023年3月期実績

2024年3月期予想

売上高

2,609

2,450

EBITDA※1

431

360

営業利益

234

140

ROE

10.8%

4.0%

ROIC※2

7.0%

4.1%

※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費

※2 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 [(純資産+有利子負債(リース債務含む)

+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均]

②2024年3月期計画の骨子

 本中期計画の4年目にあたる2024年3月期について、「Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題 Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要」に記載のとおり、重要テーマに取り組んでまいります。

・LTS事業における収益性の改善

H.U. Bioness Complexが2023年5月に全面稼働したことを踏まえ、特に下期に向けて、検査オペレーションの抜本的な効率化等による原価改善効果を発現させてまいります。また、株式会社メディパルホールディングスとの合弁会社である株式会社メディスケットによるシェアリング・ロジスティクスの推進により、集荷・物流に係るコスト最適化効果の発現を加速させてまいります。

・CDMO事業の強化

CDMO事業における中長期な需要拡大を見据え、グローバルでの主要拠点における生産体制を強化するとともに、パートナーとの開発を推進してまいります。

Ⅳ.株主還元と成長への投資

 各事業から生み出される利益および資金につきましては、主たる配当のKPIとして連結自己資本配当率(DOE)6%レベルを目指し、その上でキャッシュ・フロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。

 また、内部留保にかかる資金は、中長期的な成長に向けた投資を最優先として充当してまいります。

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