企業兼大株主ENEOSホールディングス東証プライム:5020】「石油・石炭製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、事業活動の基礎となる「ENEOSグループ理念」を次のとおり定めています。

 また、当社グループを取り巻く事業環境はかつてない転換期を迎えています。このような環境の下、「ENEOSグループ理念」の実現に向けて「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする。」を新たな決意として掲げました。ENEOSグループは、困難な課題に挑戦し、「明日のあたり前」を創りつづけるリーディングカンパニーとして、ステークホルダーの皆様からの一層の信頼に応えていきます。

(2)ENEOSグループ長期ビジョン

 足下の事業環境は、エネルギーセキュリティの揺らぎ、カーボンニュートラルに向けた社会的コンセンサスの形成、デジタル・トランスフォーメーションの更なる進展等、変化のスピードは加速しており、脱炭素・循環型社会の実現に向けて、エネルギートランジションに挑戦することが強く求められています。このような課題認識のもと、当社グループは、次のとおり「ENEOSグループ長期ビジョン」を2023年5月に公表しています。

 今後の事業環境を展望すると、社会がカーボンニュートラルへ進むことが確実と考えられる一方、カーボンニュートラルエネルギーの主役や必要な技術ブレイクスルーの時期は依然として不透明であり、また、このような状況であってもS+3E(注1)を満たしつつ、カーボンニュートラル社会へスムースに転換する必要があります。こうした状況の中で、当社グループは、日本のエネルギートランジションをリードし、カーボンニュートラル社会においても国内の一次エネルギーの2割を供給(SAF(注2)・水素・合成燃料で最大シェア)するメインプレイヤーでありたいと考えています。

(注)1.安全性(Safety)安定供給(Energy security)経済性(Economic efficiency)環境(Environment)

2.Sustainable Aviation Fuel :持続可能な航空燃料

 現段階では、カーボンニュートラル社会の主役となるエネルギーは明確ではありませんが、当社グループは、カーボンニュートラル社会の主力となる次世代エネルギーへの強みを発現すべく、着々と布石を打ってきました。また、デジタル社会の中心素材となる製品群や高度なリサイクル技術に加え、シェアリングエコノミーの進展を支えるインフラ/ビジネスネットワークも保有しています。当社グループが有する様々なシナリオに対応する高いレジリエンス、2030年以降の大きな収益ポテンシャル(成長機会)を活かし、すべてのステークホルダーの期待に応えていきます。

2040年度に向けて、当社グループは、化石燃料中心のポートフォリオを脱炭素分野へシフトしながら、エネルギートランジションを進化させていきます。ROIC/事業領域別収益規模は、次のとおりです。

(3)目標とする経営指標

 当社は、2023年5月に2023年度からの3ヵ年の第3次中期経営計画(2023-2025年度)を策定しています。

 本中計期間を長期ビジョンの実現に向けた「周到な準備と展開」に注力する期間と位置付け、「確かな収益の礎の確立」、「エネルギートランジション実現への取組加速」及び「経営基盤の強化」を基本方針として、諸施策を着実に実行しています。

<基本方針>

<第3次中期経営計画の進捗>

①確かな収益の礎の確立

 第3次中期経営計画の基本方針である「確かな収益の礎の確立」を成し遂げるべく、製油所稼働率の改善に向けた取組を推進しました。具体的には、要因別にトラブルを分析した上で、機器保全戦略の見直しや施工業者との知見共有、マネジメント体制強化等の施策を講じました。結果として、当連結会計年度における製油所の計画外停止の割合(UCL)は、7%となりました。

 併せて、収益改善も強力に推し進めるべく、組織体制の最適化や高度な採算管理・業務効率化といった聖域なきビジネスプロセス改革(BPR)にも取り組みました。当連結会計年度は、専任組織であるビジネスプロセス改革部のもと、部門を横断した60以上のワーキンググループにおいて取り組んだ結果、約270億円(2か年累計で約470億円)の収益改善を実現しました。

②エネルギートランジション実現に向けた取組

 カーボンニュートラル社会においても当社グループが国内一次エネルギー供給のメインプレイヤーであり続けるべく、当連結会計年度においてもエネルギートランジション実現に向けた取組を推進しました。

 具体的には、再生可能エネルギーの分野において、国内外計11か所の風力・太陽光発電所の運転を開始し、また、秋田県八峰町及び能代市沖における洋上風力発電事業者に当社グループが代表を務めるプロジェクト会社が選定されました。

③経営基盤の強化

 幅広い事業領域を持つ当社グループにあって、急速に変化する事業環境に対応するためには、各事業の成果をさらに見える化することで資本効率を追求するとともに、スピード感を持ってそれぞれの事業特性に応じた成長戦略を実行する必要があります。このため、2024年4月、従来はENEOS株式会社(以下、ENEOS)傘下にあった機能材事業、電気・都市ガス事業及び再生可能エネルギー事業を当社の直下に配置し、主要な事業会社を6社とする分社化型のグループ運営体制に移行しました。

 同時に、ENEOSにおいても事業毎の運営・採算と経営の責任をより明確にすべく当社と同社との実質的事業持株会社体制を解消しました。

 さらには、主要な事業会社に横串を通し、会社間の連携強化や資源配分の最適化等を行うことでグループガバナンスをよりよいものとすべく、グループCxOを設置しました。

 当社の強いリーダーシップのもと、主要な事業会社間の連携強化、資源配分の最適化、ポートフォリオ経営の推進によって、各事業の成長を推進します。

④財務目標の実績及び見通し

 第3次中期経営計画から、ROICを財務目標に加えています。このROICは、事業リスクを考慮したうえで株主資本コストを設定し、そこから当社の戦略・強み等を考慮した付加価値を想定して、事業別に設定しています。

 第3次中期経営計画最終年度となる2025年度において、インキュベーション(現時点では実証段階にある等の事業として評価が相応しくない水素・合成燃料等の事業)を除き、事業全体で7%以上とすることを目標としました。

 現時点の主な経営指標の見通しは以下のとおりです。

⑤株主還元

 株主の利益還元は、引き続き経営上の重要課題であると認識しており、中期的な連結業績推移及び見通しを反映した利益還元の実施を基本に、安定的な配当の継続に努める方針です。第3次中期経営計画期間中は、3か年平均で、在庫影響除き当期利益の50%以上を「配当と自社株買い」で還元するとともに、安定的な配当継続に配慮し、22円/株の配当を下限とする考えです。

 資本効率の追求やポートフォリオの入れ替え等により財務体質が良化したことを踏まえ、この方針のもと本年2月公表分とあわせて総額2,500億円を上限とする自己株式を取得することを2024年5月14日に決定しました。これにより、2023年度2024年度平均での総還元性向は85%になる見込みです。

⑥企業価値向上に向けた取組

 昨年度からROEは大幅に良化しているものの、継続的なエクイティスプレッドの創出については未だ課題が残されており、結果としてPBRが1倍を下回る状況が継続しているものと分析しています。まずは、「稼ぐ力」の強化と「最適な資本構成」の実行により、継続的なエクイティスプレッドの創出を進めていくこと、そして 、エネルギートランジションに向けた取組を確実に進捗させていくとともに、市場との対話を進めていくことで、資本コストの低減・期待成長率の向上を進めていくことが、重要であると考えています。

(4)対処すべき課題

<「あるべきENEOSグループ」の実現に向けた取組>

 当社グループにおいて、2年連続で経営トップが「ENEOSグループ理念」に反する不適切な行為に及んだことは痛恨の極みであります。当社は、この事実を厳粛に受け止め、一層強化した再発防止策に徹底して取り組むとともに、エネルギートランジションを牽引していくことのできる「あるべきENEOSグループ」の実現に向けて、次の取組に全力を注ぐこととしました。

①従業員が安心し、誇りを持って働ける環境の再整備

 長期ビジョンを実現するためにはそれを牽引する人材の確保・育成が極めて重要であると考え、従来、従業員の能力開発、リスキリング等の人的資本の強化やタレントマネジメントの充実を推進し、さらには、エンゲージメントの向上に努めてきました。しかしながら、今般、当社の重要なステークホルダーである従業員を失望させてしまったことを受け、「従業員が安心し、誇りを持って働ける環境の再整備」に徹底的に取り組みます。

 具体的には、「ENEOSの強み」として残すべきものと、変えていくべきもの等を精査し、それらに向かう施策を検討・実行します。また、従業員との信頼関係を維持・向上すべく、定期的なエンゲージメント調査等を実施し、結果とその対応状況の見える化も行います。

②継続的なガバナンス改革

 長期ビジョンの実現に必要なスキルを備えた社外取締役が当社の経営を監督・指導する体制としておりますが、一層その透明性・客観性を高めるべく、「継続的なガバナンス改革」に取り組んでいます。

 具体的には、取締役会における社内論理での議事進行を徹底的に排除し、また、議題選定にも外部の目線を一層取り入れるべく、社外取締役の比率を50%超とするとともに、取締役会の議長を社外取締役にします。

 併せて、「あるべきENEOSグループ」へと牽引するリーダーである当社経営トップを選定・育成すべく、「次世代のENEOSグループを担う人材像」を改めて定義した上で、後継者計画(サクセッションプラン)を再構築します。また、取締役会が同計画のブラッシュアップとモニタリングを継続することにより、変化する時代の中でも常に社会から必要とされ、信頼される会社であることを維持します。

<第3次中期経営計画の迅速かつ着実な実行>

①「確かな収益の礎の確立」に向けて具体的に取り組む事項

 当社は、以上のとおり、「あるべきENEOSグループ」を確立するとともに、長期ビジョンの実現に取り組みますが、「周到な準備と展開」に注力する第3次中期経営計画期間において「確かな収益の礎の確立」に向けて具体的に取り組む事項は次のとおりです。

 加えて、各事業における技術の開発、有力なパートナーとの連携、国からの支援制度の活用等、バランスシートに計上されない無形資産の形成にも注力し、これらの施策全体により収益最大化を図ります。

②JX金属株式会社の上場準備

 当社とJX金属株式会社(以下、JX金属)の更なる企業価値向上を目的として、JX金属の上場に向けた準備を進めます。この施策を通じて、当社は、JX金属の高い成長性を株式市場に対して適正に訴求し、ポートフォリオ転換のための投資や株主への機敏かつ確実な還元を実行します。

JX金属は、事業特性に応じた迅速な意思決定と成長分野における各種戦略の実行を実現します。また、独立経営体制を確立すべく将来的には、持分法適用関連会社への移行を目指します。

<次期の連結業績予想について(2024年5月公表)>

 製油所トラブルの抑制や石油製品の輸出数量増加のほか、2023年度に出荷を開始した既存ガス田拡張プロジェクトの年間貢献等による数量影響良化、半導体材料及び情報通信材料での販売回復等を織り込む一方で、白油・輸出マージンのプラスタイムラグの解消や輸出市況の悪化、金属事業における出資鉱山の減産や銅事業子会社株式の一部譲渡による利益剥落等を織り込んでいます。前提条件に基づく次期の業績予想は下記のとおりです。

●前提条件(2024年4月以降)

 為替:145円/ドル、原油(ドバイスポット):80ドル/バーレル

 銅価:380セント/ポンド

 売上高:14兆6,000億円 営業利益:4,000億円 親会社の所有者に帰属する当期利益:2,100億円

 在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、営業利益と同額の4,000億円と見込んでいます。

 なお、従来はENEOS傘下にあった機能材事業、電気・都市ガス事業及び再生可能エネルギー事業を当社の直下に配置し、2024年4月に分社化しました。これに伴い、2024年度より報告セグメントを変更します。

(変更前)エネルギー、石油・天然ガス開発、金属

(変更後)石油製品ほか、機能材、電気、再生可能エネルギー、石油・天然ガス開発、金属

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