DOWAホールディングス
【東証プライム:5714】「非鉄金属」
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企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
企業理念 地球を舞台とした事業活動を通じて、豊かな社会の創造と資源循環型社会の構築に貢献する
ビジョン(2030年のありたい姿) 本業とする資源循環と優れた素材・技術の提供を進化させ、安心な未来づくりに貢献し続ける |
当社グループは、1884年(明治17年)の創業以来、時代の変化とともに事業内容を様々に進化させてきました。現在では、5つのコアビジネス(環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理)からなる独自の「循環型ビジネスモデル」を形成し、企業理念の実現を目指しています。
当社グループの「循環型ビジネスモデル」を構成する製品・サービスは、いずれも社会の根幹を支えているとともに、経済活動に伴う環境負荷の低減に寄与しています。そのため、これらの製品・サービスを発展的に進化させ続け、様々な社会課題の解決に取り組むことが重要であると考えています。
これからも社会の変化に適応しながら、5つのコアビジネスをそれぞれに進化させ、サステナブルな社会の実現に貢献する製品・サービスを提供し続けることにより、当社の企業価値の最大化を目指していきます。
≪価値創造ドライバー:循環型ビジネスモデル≫
DOWAグループは、5つの事業領域を組み合わせた独自の循環型ビジネスモデルを構築しています。
世界中から廃棄物やリサイクル資源を集めるネットワークを保有し、多種多様な金属のリサイクルをするとともに、リサイクルできない廃棄物を適正に処理し環境負荷の低減を図っています。また、世界を変える技術革新に貢献する素材の生産や、製品の寿命を伸ばす技術・サービスを提供しています。
循環型ビジネスモデルを通じた社外との連携により新たな価値を創出することで、循環のクオリティを追求し、本質的な循環を実現します。
強み01 | リサイクル原料の集荷(集める) |
グローバルな原料集荷ネットワークを構築し、サンプリングや分析精度に対する高い信頼性を基盤として、多様なリサイクル原料の安定的かつ継続的な集荷を実現しています。 | |
強み02 | 高効率な金属の生産(分ける・つくる) |
製錬所や廃棄物処理・リサイクル施設を連携させ、リサイクル原料や使用済み製品等から、20種類以上の金属を高効率に回収・生産しています。また、リサイクルできないものは焼却、埋立等により環境負荷を低減しています。 | |
強み03 | 金属の高付加価値化(つくる) |
超高純度化、薄膜成長、粒子合成、金属組織制御、表面処理等の技術を用いて金属の可能性を引き出すことにより、高機能な製品・サービスを顧客に提供しています。 |
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社は2022年度より、「循環型ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ・マネジメントの強化」を基本方針とする「中期計画2024」(対象期間:2022年度~2024年度)を推進してきました。また、その進捗を踏まえ、2025年5月に2025年度~2027年度を対象期間とする「中期計画2027」を公表しました。
なお、「中期計画2027」の詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://hd.dowa.co.jp/ja/ir/strategy/plan.html
<中期計画2024のレビュー>
施策につきましては概ね計画通りに実行し、「循環型ビジネスモデルの進化」では新製品・新技術の実用化が進みました。また、「サステナビリティ・マネジメントの強化」では、活動の効率化を図り事業貢献に直結させるフェーズへと移行しました。事業投資は計画に基づいて実施し、一部は収益貢献を果たしました。加えて、事業ポートフォリオの見直しにより、収益性や経営効率の向上を進めました。一方で、金属価格の下落やエネルギー価格の上昇といった外部環境の変化に加え、販売面では一部の製品・サービスで市場や競争環境の変化が生じた結果、最終年度の財務数値は目標未達となりました。
今後は、これまでの施策や投資成果の刈り取りに注力するとともに、新たな変化への対応を進めていきます。
《注力テーマのレビュー》
《財務目標の達成状況》
<中期計画2027(対象期間:2025年度~2027年度)>
① DOWAグループが目指すもの
近年、日本は大量生産・大量消費・大量廃棄型の「線形経済(リニアエコノミー)」から、あらゆる段階で資源を効率的かつ循環的に利用し、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値の最大化を図る「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行を目指しています。そのため、これからは環境を守り、限りある資源を有効活用しながら、経済を発展させることが一層求められます。
当社グループは5つの事業領域を組み合わせた独自の「循環型ビジネスモデル」を推進しており、循環経済への移行はグループにとって大きな追い風となります。複合的かつ長期的である本質的な循環を目指し、140年にわたり積み上げてきた技術や「循環型ビジネスモデル」をドライバーとしてクオリティの高い循環の実現を目指します。
循環のクオリティを追求し続けることにより、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
② 基本戦略
「中期計画2027」においては、企業価値の向上に向けて、「価値の創出」・「変動の抑制・期待の醸成」を基本戦略とし、成長事業の強化、新規事業・製品の開発、資本効率の向上、リスクの低減等の施策を推進します。
各取り組みの詳細は「中期計画2027」の公表資料をご参照ください。
③ 経営目標
「中期計画2027」の経営目標及び前提条件は、次のとおりです。
《財務目標》
| 2024年度実績 | 2025年度予想 | 中期計画2027 (2027年度目標) |
営業利益(億円) | 322 | 240 | 470 |
経常利益(億円) | 435 | 340 | 600 |
ROA(%) | 6.7 | - | 9 |
ROE(%) | 7.0 | - | 10 |
※ROA:総資産経常利益率(経常利益/期首・期末平均総資産)
ROE:自己資本当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本)
《前提条件・感応度(営業利益/年)》
| 前提条件 (中期計画2027) | 変動幅 | 感応度 (2025年度) |
為替(米ドル) | 142.0円/$ | ±1円/$ | 4.9億円 |
銅 | 9,000$/t | ±100$/t | 0.3億円 |
亜鉛 | 2,600$/t | ±100$/t | 5.3億円 |
④ 資本政策・資本配分方針
「中期計画2027」の資本政策は、事業から生み出す資金で資金需要を賄うことを基本とし、健全な財務基盤を前提に、事業投資による利益向上や段階的な株主還元の拡充を行うこととしています。
《株主還元方針》
当社は、株主の皆様への利益還元を経営における最重要課題の一つと位置付けています。「中期計画2027」の資本政策は、事業から生み出す資金で資金需要を賄うことを基本とし、健全な財務基盤を前提に、事業投資による利益向上や段階的な株主還元の拡充を行うこととしています。
本方針を踏まえ、「中期計画2027」の期間(2025年度~2027年度)の株主還元方針は、次のとおりとします。
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