DMG森精機
【東証プライム:6141】「機械」
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企業概要
当社はMX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進しています。MXは、高精度な5軸マシニングセンタや複合加工機により、ワンチャッキングでワークピースの5面もしくは6面を加工し、自由曲面加工、ギヤ加工、研削加工、そして付加加工なども実現します。さらに加工物を高精度に機上で計測することにより、従来複数台の工作機械で製作していたプロセスを1台の機械に工程集約します。機械台数が少なくなることで自動化が容易になり、オペレーターをワークピースの脱着作業という、単純な重労働から解放します。これを実現するためには複合加工機にロボットを取り付けるだけでなく、切りくずの除去作業、工具の監視や交換作業、ワークの精度測定さらに補正の作業、機械の稼働監視などをセンシング、モニタリング機能などのDX(デジタル・トランスフォーメーション)のサポートにより自動化することが必要です。この取り組みにより世界中で稼働していると予想される500万台の従来機を100万台のMXシステムに置き換えることを当社のミッションとしています。
MXを導入することで人手不足の解消、省エネ、省スペース、仕掛品の削減が可能となり、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現します。高精度の5軸加工機、複合加工機による部品の複合化や部品精度の向上も達成されます。高精度、高品質、高機能の工作機械、自動化などの周辺機器、工具・クーラントなどの消耗品、システム構築、立上も含めたエンジニアリング、そしてサービスをワンストップでライフサイクルに渡って提供します。
MXを実現するにはDXが最も重要となり、非常に開発工数のかかる課題です。当社では日独のソフトウェアエンジニアが数年間注力し、ERGOline X with CELOS Xを開発しました。ERGOlineは工作機械のヒューマンマシンインタフェース(HMI)のハードウェアで、搭載されるソフトウェアCELOSと合わせDMG MORIの顔として、日独共通の操作システムをお客様に提供しています。工作機械のHMIは非常に重要な役割を果たしています。DMG MORIでは複数メーカーの制御装置を機械特性やお客様の要望に合わせて使い分けています。CELOS Xにより各メーカーの制御装置の特徴を生かしながら、共通のソフトウェアとしてHMIだけではなく、自動化システムソフトウェア、シミュレーション、独自のテクノロジーサイクルをはじめとするプログラム作成支援、加工状況や工具のモニタリング、機上計測、そしてAIを積極的に応用して工作機械や周辺装置に組み込みMXの高度化を推進しています。
CELOS Xの大きな特徴としてオンラインアップデートがあります。工作機械は約20年の長期間に渡りお客様の工場で使用されます。お客様が製品を導入した時点では最新であっても使用を続けるうちにソフトウェアモデルは更新され最新機との性能差が出ていました。今後はオンラインアップデートにより常に最新のソフトウェアに進化するメリットを得ることができます。これらのソフトウェアは概ね年に2回程度の頻度で更新されます。例えば新しいテクノロジーサイクルにより、これまで専用機でしか実現できなかった加工がDMG MORIの5軸加工機や複合加工機で実現できるようになり、それを既存の納入機にオンラインで導入しお試し加工ができるようになるのです。DMG MORIはソフトウェアの開発を最優先で進めています。
また2024年はMXを実現するための加工機として19機種をリリースし、自動化、ソフトウェア、機械コンポーネンツ、省エネ機能など33機能をリリースしています。2025年にはこれを上回る、25機種、38機能を開発する所存です。グローバル生産・販売を大規模で実現することで、日本とドイツを中心に強力な開発組織を維持・発展を可能にしています。
以上の研究開発活動の結果、無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費の総額は31,395百万円となっており、セグメント別としては、マシンツール25,439百万円、インダストリアル・サービス5,956百万円となっております。なお、上記研究開発費の総額には、研究開発活動間接費は含めておりません。
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