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【東証:137A】「情報・通信業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針・経営戦略等
当社は「テクノロジーとマーケティングの力で、住宅・不動産業界で働く“人“の力が最もうまく活かされる仕組みを創り上げたい」をミッションとしてクラウドサービス事業を営んでおります。当社は当該ミッションを達成するために、マーケティング・オートメーションツール(KASIKA)、SMS送信オプション、AI査定オプション等の関連オプションの開発及び改良を継続的に行っております。
後述のとおり企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は多くの企業において経営課題として意識されているものの、不動産会社の営業活動は依然として架電、紙チラシの配布、表計算ソフトを使った管理が中心となっているものと当社では想定をしております。
このような環境の中、当社は集客後に不動産会社が消費者に対して行う「追客」を自動化・効率化するサービスを提供する企業としてのポジションを確立することを目指しております。また、サービス開発にあたっては、一般的なオフィスワーカーの方をはじめとしてどんな職種の方でも親しみやすいUI(ユーザインターフェース)や高度なITスキルをもたない方でもシンプルで使いやすい操作性・機能性を追求することにより、幅広い職種の方々、小規模から大規模な不動産会社の方々にご利用いただけるサービスの展開を進めてまいります。具体的にはKASIKAのオプション機能の拡充、サービス付き高齢者住宅の提供会社やリフォーム等の不動産購入後の領域への提供等も注力してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が提供するKASIKAは、料金を顧客の使用店舗数、ユーザ数等に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益を獲得することができるものであるため、MRR(注1)、有料契約社数(注2)及び単月解約率(年間平均)を指標として重視しております。
(注)1.Monthly Recurring Revenueの略語であります。2024年5月におけるMRRは87百万円となっております。
2.2024年5月末時点における当社のサービスにおける有料契約社数は1,093社となっております(1つの法人で複数のKASIKAアカウントを利用している場合でも1社としてカウントしております)。
(3)経営環境
日本国内の経済環境は、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足が問題視される一方で、政府主導による時間外労働時間の上限引き下げをはじめとした労働法規の改正等、働き方改革が推進される中、労働生産性の向上に向けた取組みへの期待が高まっているものと認識しております。さらには、2020年初めに感染拡大の影響が出始めた新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの普及により、リモート環境における労働生産性の向上が以前にも増して重要視されており、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は喫緊の経営課題として広く意識されているものと考えられ、このような傾向は新型コロナウイルス感染拡大にともなう生活様式の変化により中長期的に継続すると想定されます。
当社では、「ソフトウェア」という市場の中に、「マーケティング・オートメーションツール市場」があり、「マーケティング・オートメーションツール市場」は「SaaS型(クラウド型)」と「オンプレミス型」(注1)に分類され、KASIKAはマーケティング・オートメーションツール市場のSaaS型に分類されるものとして位置付けております。
当社が主要な市場と想定しているSaaS型ソフトウェア(CX・デジタルマーケティング)の市場規模は2022年度から年平均9.8%で成長し、2027年度には3,740億円となる(予測)ことが見込まれております(注2)。
加えて、不動産取引業の事業者数は66,942社となっており、就業数も352,108人とサービス提供拡大の余地が大きい市場と見込んでおります(注3)。
このような市場環境の下、当社が提供するサービスに対する需要も市場の拡大に伴い高まっていくものと考えております。
(注)1.オンプレミス型とはソフトウェアの提供及び稼働等に必要となるサーバや関連機器等を自社で保有し、運用する形態をいう。
2.株式会社富士キメラ総研『ソフトウェアビジネス新市場 2023年版』より
3.事業者数及び就業数のいずれも総務省統計局 令和3年経済センサス-活動調査 事業所に関する集計及び企業等に関する集計 2023年6月27日公表 「68_不動産取引業」従業者数_男女計より
なお、同計数は2021年6月1日時点のもの。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりです。なお、優先的に対処すべき財務上の課題については、無借金経営を行っていること、キャッシュ・フロー及び手元流動性共に大きな問題はないため、該当事項はございません。
① 顧客に対する提供価値の向上と販路の拡大
当社が開発したサービスであるKASIKAの提供を開始後も顧客の声を取り入れ、KASIKA及び関連オプションの継続的な開発・改良の提供を行うことにより、顧客への提供価値の向上を図ることが重要であると考えております。また、今後も継続して広告宣伝活動、提携代理店等との連携強化等を通じ、KASIKAの販路の拡大を進めてまいります。
② 優秀な人材の継続的な採用と育成
当社が中長期的に成長するにあたり、提供するサービスの付加価値を高め、新規顧客を獲得するとともに、サービスの解約率を低く抑えることが重要であると考えております。そのためには、優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。現時点においても優秀な人材が集まる環境は実現できておりますが、引き続き従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と併せて、優秀な人材の育成を進めてまいります。
③ 情報管理体制の強化
当社は、顧客が保有する個人情報を含め様々な情報を預かっているため、当該情報管理を継続的に強化し続けることが重要であると考えております。そのため、外部の監査機関の監査を受け、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム(JIS Q 27001:2014))を取得するといった対策を行っております。また、情報セキュリティマニュアル等に基づき管理を徹底するだけでなく、社内教育・社内研修の実施やシステムの整備等を継続して行っております。
④ システムの安定性の確保
当社は、インターネットを利用して顧客にサービスを提供しているため、システムの安定稼働が必要不可欠であります。このため、顧客の増加に合わせたサーバーの処理能力を増強する施策を継続的に実施し、システムの安定性の確保に努めてまいります。また、パブリッククラウドサーバーの利用を積極的に推進することで、データ量の増加にもフレキシブルな対応が可能となり、ディザスタリカバリー(注)による安全性も担保しやすくなります。
(注) ディザスタリカバリーとは、地震や津波等の天災や、テロ、不正侵入等によりシステムが壊滅的な状況になった際に効率的、かつダウンタイムを最小限にして復旧・修復すること、また、その災害に備えたシステムや体制を指します。
⑤ 内部管理体制の強化
ⅰ)コーポレート・ガバナンスの強化
株主を含めたステークホルダーとの良好な関係の構築のためには、社会的信用を維持・向上させていく必要があると認識しております。取引先をはじめとした社外関係者との良好な取引関係を維持していくには、当社も社会的信用を維持していく必要があります。
そのため、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、内部管理体制の強化を推進してまいります。また、内部監査人と監査役との連携強化等の施策により業務執行の適法性・妥当性を監視する機能を強化し、財務報告に係るリスクを最小化して、経営の健全化に努めてまいります。
ⅱ)経営管理体制の強化
更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させていくためには、効率的なオペレーション体制を基盤としつつ、経営管理体制を強化していくことが重要であると認識しており、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図ってまいります。
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