ASNOVA
【東証グロース:9223】「サービス業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、『「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす』というパーパス(存在意義)及び『社員のため、社員の家族のため、顧客のため、株主のために、安心と幸せを提供し、社会性を第一優先とした、独自性、経済性を追求する企業を目指す』という経営理念のもと、仮設機材レンタルサービスの強化により経営基盤を安定させ、更なる成長が期待できる事業への取り組みを行い、建設仮設業界で最も必要とされる存在となることを経営ビジョンとして、仮設工事に係る多様なサービスをワンストップで提供するとともに、仮設工事業界のイメージ向上につながる先進的なサービスを創出し業界の抱える問題を解決することを目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社が自社の分析をする際に重視する経営指標は、売上高、営業利益、EBITDAであります。
事業規模を示す売上高、損益面において事業の収益性を示す営業利益を管理することにより、経営効率の一層の向上を図っております。
また、当社は現在投資フェーズであるため、将来の成長性を示すためにEBITDAを重視しております。
なお、仮設機材の稼働率については重視するものの、投資フェーズであることから仮設機材稼働率は変動しやすく、適正値を維持するべき指標として管理しております。
(3) 経営環境、経営戦略等
当社グループを取り巻く経営環境は、インフレの継続による実質賃金の低下による消費の低迷、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化などの地政学上のリスクを背景とした資源・エネルギー価格の高騰による資材コストの上昇など、経営環境を下押しするリスクが多い状況にあると認識しております。また、建設業界においては、内需を中心に緩やかに回復傾向にあるものの、資材価格の高騰による収益環境の悪化、時間外労働の上限規制による人材不足や高コスト化が懸念されます。また、住宅に関しては、最終消費者の価値観の多様化、気候変動による自然災害の激甚化、長期優良住宅や省エネ住宅への需要から、商品自体は高付加価値のものが好まれる反面、建築コストの上昇や土地価格の高騰もあり、経営環境は不透明な状況にあります
このような状況のもと、当社におきましては、仮設機材のレンタルから販売に至るまでワンストップで対応できるサービスの強みを活かし、当該分野での主力企業として成長するとともに、海外も含めた事業展開も拡大してまいります。具体的な経営戦略は以下のとおりです。
① 既存顧客の深耕及び新規顧客の開拓
既存顧客の深耕を通じて当該顧客の取引量拡大を図るとともに、新規顧客の紹介を受けることにより顧客基盤の拡大を目指しております。また、自社独自のマーケティングにより積極的な営業活動を通じて新規顧客の獲得を目指しております。
② 拠点開発
現在、本邦内に営業所として4カ所、機材センターとして23カ所展開しております。より近く、より便利をモットーに、これらの拠点を起点としたドミナント展開を通じ既存顧客へのサービスの拡充を図るとともに、新たな顧客の獲得にもつなげていく戦略をとっております。また、2022年10月にベトナム社会主義共和国へ子会社ASNOVA VIETNAM CO.,LTDを設立するとともに、パートナー企業と日本国内で広域にサービスを提供するASNOVA STATIONにて全国に16拠点を構えております。2025年4月にはシンガポール共和国において、仮設トイレのレンタルサービスを中心に、清掃や廃棄管理物管理サービス等を展開しているQool Enviro Pte.Ltd.の全株式を取得し完全子会社として、新たに「仮設トイレレンタル」の拠点を展開してまいります。
③ サービス・品揃えの強化
建設時の落下物を防ぐための機材で設置が義務付けられている「朝顔」を改良し、部品点数の半減かつ軽量化を実現した新機材(クサビ緊結式次世代シート朝顔 SpeeK)を開発し、展開しております。今後も、機能性の改良ニーズ・安全性の強化ニーズを汲み取ったオリジナル品の提供などを視野に入れ、サービス・品揃えの強化を進めてまいります。
④ 建設仮設業界活性化への貢献
建設仮設業界への興味・関心を高め、中長期的な視点で若手人材不足の解消を目指し、業界の更なる活性化に貢献することを目的として、オウンドメディア「カケルバ」で足場の持つ「仮設性」をテーマに継続して情報発信を行ってまいりました。また、カケルバとの連動企画としてYouTubeチャンネル「あすのばチャンネル」も展開しており、今後もより発信力の強化を目指してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く市場環境は急速に変化し、益々競争が激化しております。そのような市場環境で継続的な成長を図るために、既存事業であるレンタル関連事業の安定した収益拡大を図るとともに、更なる成長が期待できる事業を新たに創出し、更にはこれらを支える人材育成や管理体制の強化を対処すべき課題と定め、以下のような課題に取り組んでまいります。
① レンタル関連事業の強化
建設事業者あるいは足場施工業者等の当社の顧客においては、更なる事業拡大のための機材投資の他、劣化・破損・滅失等による仮設機材等の一定の補充更新需要があり、機材投資に係る資金負担が生じる中、当社の扱うレンタル品の活用により、投資負担を軽減しながら事業展開されているものと考えます。一方、当社にとっても、上記の顧客のニーズに的確に応えることで、機材のレンタル出庫量が増加し安定した収益の拡大に繋げることが可能となります。また、機材センターの開設に際しては、既存センターの立地状況を踏まえ、同一地域におけるドミナント形成も考慮に入れながら展開することとしております。顧客に対するサービスの品揃えとして、レンタルだけでなく販売も手掛けることで、単なるレンタルサービスを提供する会社からの脱却を図り、レンタル品・購入品の最適な比率のアドバイスなど、様々な相談にお応えしながら当社をご利用いただけるよう取り組んでまいります。
② 事業展開の実施
当社は仮設機材のレンタル・販売を主たる事業として展開しておりますが、単一事業であるが故に、サービスを提供する業界に不測の事態が発生した場合において、業績に大きな影響が出る可能性があるため、足場レンタル事業を安定的な事業基盤としながらも、周辺事業や新市場に進出することで、「非連続な成長の実現」を目指すことが、当社の持続的な企業価値への向上には不可欠であると認識しております。上記の周辺事業や新市場への進出に際しましては、海外への展開も視野に入れ、特にASEAN諸国は今後の急成長が見込まれており、既にベトナム社会主義共和国には子会社ASNOVA VIETNAM CO.,LTDを設立し事業展開中であり、今後の成長のためASEAN諸国は事業展開の強化が不可欠なエリアであると認識しております。上記のことから、当事業年度におきましてはシンガポール共和国で仮設トイレのレンタル及び衛生関連ソリューションサービスを展開している、Qool Enviro Pte.Ltd.の全株式を取得し子会社化する準備を整えてまいりました。
③ 人材育成・管理体制の強化
社内に新たな事業を担う社員を育成することを目的として、人事制度の再構築に取り組んでおります。具体的には、評価制度の見直しを実施し、併せて外部教育機関への入学支援や網羅的にスキルや知識を習得する教育制度の再構築を進めております。また、機材センター業務の簡素化・標準化・デジタル化を推進し、在庫予測にAIを活用する等、効率的な運営を実現するとともに、バックオフィス体制の再構築として、業務分掌を見直し、最適人数にあわせた人員補充を進め、コンプライアンス意識の更なる向上等、管理体制の強化に取り組んでまいります。
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