阿波銀行
【東証プライム:8388】「銀行業」
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企業概要
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当行グループは総合金融サービス業として銀行業及びリース業を行っているため、下記の内容は当行グループの事業全体の経営方針等を記載しております。
(1) 経営の基本方針
当行は、1896年(明治29年)の創業以来培ってきた経営理念「堅実経営」を行是とし、経営方針として①「信用の重視」②「地域への貢献」③「お客さま第一」④「人材の育成」⑤「進取の精神」の5項目を掲げております。
行是「堅実経営」には「原理原則に基づき、信用を重んじる」「良き伝統を守り、未来に挑戦する」というふたつの意味があり、単に堅実だけでなく、「守るべきは守り、進むべきは進む」という時代の変化に積極的に対応する想いが込められております。
また、当行は伝統的営業方針として「永代取引」を掲げております。「永代取引」とは、世代を超えた息の永い取引を継続し、お客さまの永続的な発展に貢献するという考え方であります。
当行はこれからもこの「堅実経営」及び「永代取引」をしっかりと守り続け、地域やお客さまの成長・発展に貢献してまいります。
<存在意義(パーパス)>
当行は、2023年度からスタートした経営計画策定にあたり、「永代取引によるお客さま感動満足の創造と豊かな地域社会の実現」という存在意義(パーパス)を制定しました。変化が激しく不確実性の高い環境下、当行の揺るがない行動や意思決定の軸として全役職員が共有し、永代取引の進化及び持続可能な地域社会への取組みを加速させてまいります。
(2) 経営環境
地域金融機関を取巻く経営環境は、人口減少や少子高齢化により深刻化する人材不足や後継者不足、地域経済の規模縮小、規制緩和や異業種参入、さらに金融政策正常化にともなう預金獲得競争の激化など金利のある世界への対応も含め厳しい環境が続いております。また、地政学的リスク、相互関税など通商・貿易政策と金融政策の動向、及びそれらに起因する金融市場の変動には一層の留意が必要であり、先行きの不確実性は極めて大きくなっています。その中で、地域の中小企業等のお客さまは、物価高に見合う賃金の引上げや適切な価格転嫁など、喫緊に向き合うべき課題は多く、その一方で、DXやGXなどサステナビリティへの対応に向けた社会の変化は急速に進んでいます。地域金融機関として、将来に亘る持続的な成長と社会課題解決に向けた取組みを、地域とお客さまに寄り添い伴走しながら強化していく必要があります。
(3) 経営戦略・経営計画
当行グループでは、重要課題(マテリアリティ)として「地域経済の発展と産業振興」「長寿化社会への対応」「人材育成と働き方改革」「気候変動・南海トラフ地震への対応」を定め、当課題に積極的に対処するため、経営計画「Growing beyond 130th」を展開しております。
当経営計画は、「永代取引の進化」「持続可能な地域社会への取組み」「活力ある組織と多様な働き方の実現」「経営基盤の強化」を基本戦略とし、目まぐるしく変化する経営環境に迅速に対応するため、3年計画を1年毎にアップデートしていく「ローリング方式」を採用しております。本年度からは、2028年3月期を期限とする最終の3rdステージが始まりますが、当行の存在意義(パーパス)である「永代取引によるお客さま感動満足の創造と豊かな地域社会の実現」に向けた取組みを一層強化してまいります。特に、重点テーマとして、お客さま感動満足の創造、人的資本経営の取組み、DXを起点としたイノベーション推進、事業領域の拡大を掲げ、基本戦略の下、企業価値の向上を図ってまいります。
経営計画の概要は以下のとおりです。
長期経営計画「Growing beyond 130th」の概要
① 計画概要
② 経営計画の位置づけ
③ 経営計画(骨子)
(注)RAF(リスクアペタイト・フレームワーク):取るべきリスクを明確化し収益性と健全性のバランスの最適化を図っていくという経営管理の枠組み
④ 経営目標各指標(2025年3月期実績及び2026年3月期計画)(単体)
| 2025年3月期実績 | 2026年3月期計画 | 採用理由 |
修正OHR | 62.19% | 62%未満 | 筋肉質な経営体質の構築をめざし経営効率性を測る指標として採用しております。 |
コア業務純益ROA | 0.44% | 0.46%以上 | 高い付加価値を創造し、経営効率の更なる向上をめざしていくため採用しております。 |
当期純利益 | 131億円 | 133億円以上 | 株主還元や経営資源・人的資本などへの投資の源泉となる利益を、安定的に計上できる収益体質の構築をめざしていくため採用しております。 |
当期純利益ROE | 4.07% | 4.00%以上 | 永代取引(注1)を追求し、当行のコアビジネスである中小企業取引を中心に複合取引を強化実践し、与信コストを含めた当期純利益段階での収益効率性の向上をめざしていくため採用しております。 |
株主還元率(連結) | 40.16% | 40%以上 | 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取組みの一環として、安定的な株主還元を行うため採用しております。 |
ESG投融資残高 (注2) | 1,343億円 | 2,000億円 | ファイナンスを通じたお客さまのサステナビリティへの取組みを支援するため採用しております。 |
女性役付者比率 (注3) | 29.6% | 30%以上 | 女性活躍推進のための指標として採用しております。 |
注1 永代取引・・・・お客さまと世代を超えた息の永い取引を継続し、永続的な発展に寄与していくという当行のビジネスモデル
2 ESG投融資・・外部評価のあるESG関連投融資と定義し、①グリーンローン、②グリーンボンド(サステナビリティボンドを含みます。)、③ソーシャルローン、④ソーシャルボンド、⑤サステナビリティ・リンク・ローン、⑥サステナビリティ・リンク・ボンド、⑦トランジション・ファイナンス、⑧①~⑦に準じる投融資
3 役付者・・・・・課長代理または支店長代理と同等以上の役職(管理職を含む)の職員
経営計画最終年度の2028年3月期経営目標につきましては、外部環境の急速な変化を踏まえ、現時点で開示しておりません。外部環境等の影響を精査のうえ、後日開示を予定しております。
(4) 対処すべき課題
2025年度は経営計画「Growing beyond 130th」において、最終年度に向けた3年計画である3rdステージがスタートします。
各基本戦略における優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①永代取引の進化
永代取引の進化のため、一層コンサルティング力を強化します。法人のお客さまには、資金繰り支援の継続、創業から事業承継、さらにDX・GXコンサルティングも含めた高い付加価値の提供により当行のビジネスモデルである中小企業取引の拡大を図るとともに、ストラクチャードファイナンスなどの新規事業領域にも取組んでまいります。個人のお客さまには、お客さま本位の業務運営を実践する中、ライフイベントに応じた預金・証券・保険の総合金融サービスを提案し、お客さまの資産を守り育て、豊かさの実現をめざすファミリーサポート営業を強化することで金融先進県の実現につなげてまいります。そして、お客さまを起点として、対面・非対面チャネルをシームレスにつなぎ、お客さまとのつながりをより拡大することで、当行ならではの付加価値の高い金融サービスを提供してまいります。
②持続可能な地域社会への取組み
「あわぎん未来創造ファンド」や「あわぎん事業承継ファンド」を活用し、創業・事業承継支援と産業振興を図るほか、お客さまのDXコンサルティングなど地域のデジタル化支援を推進してまいります。また、ESG投融資の拡大を図るとともに自治体との連携により脱炭素社会実現への啓発を行う中で、お客さまのESGの取組みを支援してまいります。そのほか、野村證券との連携による地域の金融リテラシーの向上や四国アライアンスなどの連携による四国創生に向けた取組みを強化してまいります。
③活力ある組織と多様な働き方の実現
人的資本経営の取組みの中で、キャリア支援を強化することで永代取引を支える人材の育成を図るとともに重点分野への戦略的な人材の配置を実施してまいります。DXやSDGsのリテラシー向上も含め新たなスキルやノウハウの習得に取組み、お客さまの多様化・高度化するニーズにより高いレベルでお応えし、お客さま感動満足の創造をめざしてまいります。さらに、人事諸制度の充実を図り、野村證券からの出向者やシニアを含む多様な人材が活躍できる環境づくり、また女性活躍の支援を積極的に進めることで誰もが活き活きと働き、チャレンジできる職場環境を創出し、合わせて役員と職員の対話を重視する組織風土を醸成することにより、エンゲージメントの向上につなげてまいります。
④経営基盤の強化
ガバナンス・リスク管理・コンプライアンス態勢強化のもと、取るべきリスクを明確化し収益性と健全性のバランスの最適化を図っていくという経営管理の枠組みであるRAF(リスクアペタイト・フレームワーク)を実践し、最適な経営資源と資本配賦の実現によって卓越した効率経営を追求してまいります。具体的には、店舗・融資業務・事務改革の取組みを加速させるとともに、社会インフラでもある勘定系を中心としたシステムの安定稼働の重要性を再認識する中、特に、業務継続態勢、サイバーセキュリティ管理態勢及びマネー・ローンダリング/テロ資金供与対策の強化を進めてまいります。
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