企業兼大株主関東電化工業東証プライム:4047】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

2022年4月から始まりました第12次中期経営計画におきましては、サステナブルな次世代事業の技術開発を方針に掲げ、当社独自の技術によるケミカルチェーンの創生、省エネルギー・高効率生産プロセス技術の開発、環境対応技術・リサイクル技術の開発強化を目標に設定して活動を実施しております。

2022年度の具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスの開発に関しては、事業本部半導体材料開発部に製造-販売-開発を集約して顧客密着型の活動を行ってまいりました。電池材料に関しては、事業本部精密化学品開発部、総合開発センター水島開発室および水島工場技術開発部門が連携して製品・技術開発を実施してまいりました。鉄系材料の開発に関しては、精密化学品第1部と総合開発センター渋川開発室が連携して開発に努めてまいりました。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発については、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行ってまいりました。次世代事業分野においては、テーマの探索活動および研究開発計画の立案から評価までの統括管理を開発企画部が遂行してまいりました。研究・知的財産部は、開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでまいりました。

 この第12次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,148百万円でありました。

 次に、今後の研究開発活動の方向性を説明します。  

 既存事業の強化を目的に、半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料については事業本部と連携することにより新製品開発のスピードアップを図っていきます。それと並行して、次世代事業創出のための基礎検討を推進します。具体的には半導体産業、エネルギー関係、医療および環境対応分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品・技術開発を目指してまいります。

 さらには、環境対応を意識したリサイクル技術の開発について、LCA(ライフサイクルアセスメント)の構築を目指し、環境に配慮した3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動を加速してまいります。また、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)に関連した法規制の動向に焦点をあてて情報収集に努めてまいります。

 以下、各テーマにおける研究開発活動の概要を示します。

(1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス

 現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に拠点を設置し、COS等の生産を開始しております。また、半導体材料評価設備を導入中であり、評価体制の構築を目指してまいります。

(2) 電池材料

 リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、1997年より製造販売を開始しました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入したことに続き、2022年4月にLiPO2F2(ジフルオロリン酸リチウム)の上市を行いました。現在、高性能電解液用の各種添加剤の開発、および次世代電池材料の探索を行っており、ラインナップ強化を図っていく計画です。

 さらに、社内外の部門と連携して電池材料のリサイクル技術の開発にも着手しました。これらを手掛けることで電池材料事業の拡大を目指してまいります。

(3) 鉄系材料

 当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。

(4) 基礎化学品

 基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。

(5) 有機機能性材料

 当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した展開を目的とした事業展開を進めております。将来の収益性を確保していくために自社原材料や技術を用いた当社独自の付加価値を加えた新製品開発を推進することで、事業拡大を目指してまいります。

(6) 次世代事業

 当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。

 さらに、新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。

 また、サステナブルな技術開発につながるテーマの探索を行う目的で、環境対応技術やリサイクル技術の開発に焦点を合わせて、自社内外部門との連携により推進して参ります。

(7) 研究開発の効率化

 研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。

 新製品探索を強く推進していくため、社外の開発コンサルタントを導入することにより、当社の強みを引き出すとともに、かつ市場が求める製品を探し当てる目利き力の育成・強化を図っております。

 自由な発想で独創的な開発テーマを行えるように、業務時間のうちの20%を自由な創造的開発活動の時間に充当した「20%ルール」の運用を継続しております。

AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。

 また、昨今のコロナ禍において、顧客とのオンライン面談や、学会・セミナーへのオンライン参加を積極的に実施しております。

 その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学など外部研究機関との共同開発も積極的に推進しております。

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