文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2023年にグループパーパスを制定いたしました。変化が激しい不確実性の時代においても、力強く持続的に成長し続けられる会社をサステナグロースカンパニーと定義し、そのような企業を数多く輩出すること、また当社グループ自身もそのような会社になるという思いを込めています。
① グループパーパス
「サステナグロースカンパニーをもっと。」
Sustainable Growth for More Companies
どんな時代にも成長し続ける企業を増やし、あらゆる人が幸せにその可能性を開花させ、社会の生産性をも上げられる、そんな未来を私たちがリードしよう。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画においては、資本効率を意識した経営を目指し、ROE(自己資本利益率)を15%以上を目標としており、それぞれ全期間達成することができました。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2020年12月期から2022年12月期にかけての中期経営計画においては、中核事業である経営コンサルティング事業を中心に「中小企業向けDXコンサルティング」を加速し、さらにグループ企業とのアライアンス力を高めながら「中堅企業向け総合経営コンサルティング」にチャレンジしてまいりました。なお、以下の各戦略につきましては、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における戦略を記載しております。2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画における戦略については、「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。
① 経営コンサルティング事業における事業戦略
デジタル革新による顧客接点の拡大とコンサルティングのデジタルシフトを推進し、クライアントの経営者に寄り添った総合経営コンサルティング支援のラインナップを拡大・加速し、中小企業経営者のプラットフォーマーとしての存在の確立を目指してまいりました。
② ロジスティクス事業における事業戦略
コンサルティング、コミュニティ、ネットワーク、データベースの4軸において、国内最大のロジスティクス事業基盤の構築を目指し、従来の業務領域をさらに発展させ、総合ロジスティクス・プロバイダー企業を目指してまいりました。
③ ダイレクトリクルーティング事業
高い継続利用率を維持し、売上拡大フェーズから利益率向上フェーズへの展開を目指し、当社グループの次の柱となる成長事業として引続き経営資源を投入してまいりました。
④ 人財戦略
グループ共通の新たなコアバリューをベースに、より多様な人財がその長所を存分に発揮できる環境をデザインし、採用・育成・活躍の好循環により、グループの持続的成長を実現してまいりました。
⑤ 資本政策の基本的方針
・基本方針
当社は、株主価値を中長期的に高めていくために、適切な資本政策の方針の策定・実行が極めて重要であると認識しております。最適な株主資本の水準の形成と併せて、株主還元の向上に努めると同時に、積極的な事業投資により利益の拡大を目指し、資本効率を高めていくことを基本方針としております。
・効率性の方針
ROE(自己資本利益率)15%以上を目指してまいりました。
・株主還元の方針
総還元性向60%以上を目指してまいりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、新たに「中期経営計画(2023-2025年)」を策定し、基本方針として「中堅・中小企業を中心としたデジタル×総合経営コンサルティング」を定め、持続的に成長し続けられる企業に向けて、以下の課題に取り組んでまいります。
① 事業戦略
当社グループの創業からの強みである、経営者との直接接点及び経営者ネットワークを豊富に有することで、上流工程からアプローチできる強みを活かし、高い収益性を維持しながら、上流コンサルティングのさらなる拡大、中堅企業領域及び高収益領域への展開、デジタルソリューションサービスの拡充を目指し、中堅・中小企業の経営課題を一気通貫でサービス提供できる体制へとビジネスを拡張してまいります。
② 業績計画
高い収益性を保ちながら、高い成長性をデジタル領域で実現し、売上高及び営業利益において年平均成長率約12%を維持し、2025年度は、グループ売上高360億円、営業利益100億円の達成を目指してまいります。
③ 人財戦略
売上高に直結する「コンサルタント人財」及び「ビジネス人財」を年平均成長率約10%で増員してまいります。コンサルタント人財は、上流工程のコンサルタントを増員し収益性を拡大、成長性の高いDX領域やM&A領域などキャリア採用を積極化、中堅企業に対応できるPM人財の採用・育成強化による生産性向上が課題となります。ビジネス人財は、システム開発やBPOを拡大し成長性を加速、エンジニア人財を増員しDXソリューションの開発の推進が課題となります。
④ 財務戦略
持続的な成長に向けて、営業活動により得られたキャッシュ・フローを積極的に株主還元及び成長投資に回すことにより、持続的な成長を目指してまいります。株主還元方針については、総還元性向60%以上、配当性向55%以上とし、成長投資については、2030年を見据えて積極的に投資することにより、資本効率の向上を目指し、2025年にはROE20%以上を目指してまいります。
⑤ サステナビリティ経営への取組み
当社グループは、変化が激しい不確実性の時代においても、力強く持続的に成長し続けられる会社をサステナグロースカンパニーと定義し、そのような企業を数多く輩出すること、また当社グループもそのような会社になるという志を込めて、グループパーパスとして「サステナグロースカンパニーをもっと。」を制定いたしました。グループパーパスの浸透及びESGへの取組みの重要性を認識し、今後もより一層取組みを強化してまいります。
⑥ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスのより一層の向上が不可欠と認識しており、コーポレートガバナンス・コードの確実な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスを機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。
(5)気候変動の取組みとTCFDへの対応
①気候変動への取組姿勢
当社グループは、グループパーパスである『サステナグロースカンパニーをもっと。』の実現に向けて、2023年に改定した環境基本方針に基づき気候変動対応を進めております。
②ガバナンス体制
当社グループは、サステナビリティの担当取締役は取締役専務執行役員、最終責任者は代表取締役社長が担当しております。取締役会の諮問委員会として「サステナビリティ委員会」を2021年に設立し、気候変動対応を含むサステナビリティに関する目標設定や進捗状況のモニタリング及び達成内容の評価等を行っております。当委員会は年3回開催を目安とし、委員長は取締役会の指名により選任されております。また、サステナビリティ委員会で対策が必要と判断された環境関連リスクは、取締役会への答申を行い、必要な対策を決定しこれを実施しております。
③戦略
当社グループは、グループパーパスである『サステナグロースカンパニーをもっと。』の実現に向けて、企業の経営課題を一気通貫でサービス提供できる体制へとビジネスを拡張していき、グループビジョンであります“中堅・中小企業を中心とした「デジタル」×「総合」経営コンサルティンググループ”を目指しております。
また、環境基本方針の「5.事業を通じた取組」に基づき、当社グループは、自社グループの活動内だけでなく、コンサルティングやサービスを通じ、お客様と共に気候変動への取組み、環境汚染の防止、資源循環の推進等により、環境負荷の低減を図ることを掲げております。当社グループは、気候変動に関するリスクと機会による影響の把握に努め、サステナブルな社会の実現に向け、必要な戦略を遂行しております。
リスク
分類 | リスク評価 | 主な対応策 |
移行リスク | 市場 | 社会全体及びクライアントの気候変動及び脱炭素意識の向上 | 社会全体の気候変動に対する関心が高まる中、当社グループの主なクライアントである中堅・中小企業においても脱炭素化及び環境配慮型経営へのシフトが進んでおります。その中で、当社グループが提供するコンサルティングサービスにおいて脱炭素支援などのコンサルティングサービスを提供しております。 |
評判 | ステークホルダーからの評判の低下・説明不足による取引の低下 | 気候変動に対して、クライアントや投資家等のステークホルダーからの要請が急速に増し、当社が消極的な対応を取った場合や対応が遅れた場合には、当社のブランド棄損や社会的評価が低下するリスクがあります。さらには、若い世代の気候変動への危機感の上昇による人材獲得の困難化につながるリスクも想定されます。 |
物理リスク | 急性 | 自然災害・風水害の激甚化による経済停滞リスクの増大 | 当社グループの各オフィスへ物理的な被害や交通網の被害があった場合、対面型のコンサルティング事業に影響を与えると想定されます。また、事業所の被災によるデータ(支援先データ、個人情報データ)紛失リスクもあるため、情報セキュリティ統括部門やリスク管理委員会と連携し、システムインフラの強化を推進しております。 |
機会
分類 | 機会 | 主な対応策 |
機会 | 製品と サービス | 環境配慮サービスの提供 | 社会及び市場やクライアントからのサステナビリティに対する関心が高まるほど、当社へのコンサルティングニーズは増加していくと想定されます。当社としては業種ごとに展開するコンサルティングサービスにおいて、気候変動への配慮・環境へ配慮したサービス提供を拡充してまいります。 各社の取組み ・船井総合研究所では、住宅・不動産部門のZEB/ZEH建築ビジネス、カーボンニュートラル支援グループによるTCFD対応・CDP回答・SBT認定・脱炭素ロードマップ策定・カーボンニュートラル支援ソリューションを推進してまいります。また、カーボンニュートラル経営推進のために、中堅・中小企業の経営者・サステナブル責任者向けの会員制勉強会として「脱炭素経営研究会」を開催しております。 ・船井総研ロジでは、ロジスティクスESGコンサルティングを展開し、ロジスティクスの活動で生じる環境負荷の低減に取り組んでおります。ESGの観点から、企業の取組み度合いを「レーダーチャート評価」しております。診断結果を基に、物流コンサルタントが進捗と課題を分析し、戦略を検討するなど、ESGロジスティクス導入に向けた実行支援も行っております。 |
上記に記載したリスクと機会は、後述するリスク管理委員会やサステナビリティ委員会に報告・共有し、適切な対策の検討及び実施を図ってまいります。
④リスク管理
当社グループでは、企業経営・事業継続に影響を及ぼす事業リスクの識別・評価・管理が重要な課題であると認識し、リスク管理委員会において、適切に管理し、その対応策等を実施しております。また、気候変動対策におけるリスク管理はサステナビリティ委員会が担当し、リスク管理委員会との連携を図っております。
サステナビリティ委員会は、ESGの重要課題の解決を通じたサステナビリティ経営の横断的な推進及び統括することを目的としており、気候変動対応に関わる環境関連リスクの分析と報告は環境マネジメントグループを中心に行っております。対策が必要と判断される環境関連リスクはリスク管理委員会に共有し、事務局であるサステナビリティ推進室から取締役会への答申を行っております。取締役会では、他のリスクとの関連性も評価したうえで、必要な対策を決定し、これを実施しております。
⑤指標と目標
当社グループは、「中期経営計画(2023-2025年)」において、サステナビリティ目標としてGHG排出量50%削減(2019年度比)を掲げております。
再生可能エネルギーの調達について、当社グループは2021年6月より、東京本社オフィスにおいて再生可能エネルギー由来の電力契約に切り替えております。2030年には国内事業所においては、再生可能エネルギー調達率100%を目指しScope2の実質ゼロ化を実現してまいります。
就職・転職をするときに最低限チェックしておきたい項目をまとめました。
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