第一屋製パン
【東証スタンダード:2215】「食品業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当グループは、「おいしさに まごころこめて」をモットーとし、お客様の期待を超える感動をお届けすることを目指しております。
1947年創業の歴史の中で培われたパン及び菓子分野における技術力と商品力をベースにしながら、改善活動による品質向上と原価低減を図り、食を通じたお客様への価値提供に努めてまいりました。
今後とも、マーケティング力を強化し、独自技術で差別化した商品群を創造し、安全で高品質な商品作りに努め、食を通じて社会の発展に貢献してまいります。
(2) 経営環境
当グループの主要な事業は食品事業であり、中でもパンの製造販売が中心となります。パン市場についてはコロナ禍で一時足踏みしたものの、近年は全体で1.5兆円規模の市場が微増している状況です。しかしながら、パン市場のうち、ホールセール市場は約1兆円規模で、上位3社が過半のシェアを持つ中、一定の市場を取り合う厳しい競争環境にあるといえます。
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)においては、社会・経済活動の正常化による人流増加やインバウンド消費の拡大に、雇用・所得環境の改善も下支えとなり、個人消費は緩やかな回復基調で推移しました。
一方で、原材料や資材価格の高止まりや物流コスト高騰による物価上昇に加え、米国の今後の政策動向等の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
製パン業界におきましては、為替変動による輸入原材料や包装資材の高騰、エネルギーコスト・物流費等が上昇する中、物価の高騰が継続し、消費者の節約・低単価志向がより高まり、厳しい経営環境でありました。
このような環境下において、よりお客様目線に立った商品開発をすることに注力し、マーケティング部門の強化、商品開発部門との連携を深めることで、市場環境の変化に柔軟に対応しながら、ロングセラー商品のリニューアル、季節に合わせた新商品や話題性のある人気企業とのコラボ商品を随時発売し、商品力の向上に努めてまいりました。
また、各種コストの上昇に対応するため、部門別損益管理の強化及び単品毎の原価管理精度を向上させ、原単位での削減可能コストを見極め、徹底したコスト削減に取り組みましたが、依然として原材料価格の高止まり、エネルギーコスト・物流費の高騰や人件費の増加などが見込まれ、厳しい経営環境が続くものと思われます。
(3)経営戦略
当グループは、迅速な意思決定及び円滑な業務遂行を図ることを目的として、2023年1月1日付で、これまでの本部制を廃止し、代表取締役社長及び取締役副社長直下に各部門が位置する文鎮型の組織に組織変更を行いました。
中でもマーケティング部門と開発部門の連携をより一層強化し、NB商品の開発を磨いていくほか、当グループの強みでもあるキャラクター商品に更に注力し、売上の拡大を図ってまいります。
また、中長期の視点では、パンと親和性の高い非日配品のロングライフ商品や冷凍品のジャンルといった新領域、具体的には焼き菓子、冷凍生地等の商品群の開発に注力し、新たな売上高の上乗せを図ってまいります。
更に、遅れていた安定生産体制構築のための設備投資、業務インフラ効率化のためのシステム投資に注力してまいります。
横浜工場跡地の有効活用を始めとした不動産事業については、厳しい経営環境の中でも耐えられる収益基盤の構築、企業の安定性の確保を目指して、積極的に取り組んでまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当グループでは、2025年度の基本方針を2024年度と同じく「生まれ変わる(リボーン)」とし、引き続き厳しい外部環境が見込まれる中、積極的な設備投資を加速させ更なる成長を目指してまいります。
食品事業につきましては、マーケティング部門と商品開発部門が一体となり、お客様の視点に立った商品開発を進めて売上増大を目指してまいります。具体的には、主力であるロングセラー商品のリニューアルを加速させ、販促企画も同時に行うことで、より強固なブランドへの育成に取り組んでまいります。
また、当社の強みであるキャラクター商品についても、お客様目線に立った商品開発、販促企画を実施することで、店頭売場での活性化を図るほか、新しい販路への拡大にも取り組んでまいります。
併せて、生産部門では、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)の継続と積極的な設備投資による生産性の向上に取り組んでまいります。加えて、食品ロス削減を目的に消費期限の延長に取り組んでまいります。
更に、懸念される物流費の上昇に対しましては、配送コースの再編、遠方のエリアについては共同配送を推進し、経費の抑制と効率化を図ってまいります。
不動産事業につきましては、2024年5月に松戸の賃貸不動産を売却しました。当該不動産の賃貸収入は減少したものの、2022年12月末をもって閉鎖した横浜工場跡地の一部賃料が2024年4月より計上されており、2025年中に賃料が満額になる予定であります。これにより、厳しい経営環境の中でも耐えられる収益基盤の構築、企業の安定性の確保に繋げてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社はパン製造工場を保有し、そこで生産される製品を販売すること及び、不動産物件を保有し、物件を賃貸することを主たる事業としております。この観点より、お客様への販売実績、製造原価及び販売に関わる管理費用、賃貸先への賃貸実績、賃貸に係る管理費用が収益を算定するうえでの重要項目と認識しており、これらの項目から算出される営業利益が最も重要な指標と考えております。
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