福井銀行
【東証プライム:8362】「銀行業」
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企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(経営方針)
(1)経営の基本方針
当行は、「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」を「企業理念」とし、その実現に向けて、社会に対する経営のコミットメントとして「経営理念」を、役職員が日々の活動において大切にする価値観として「行動理念」を掲げております。
当行は、この3つの理念を心の拠り所として、地域のみなさまにご満足いただける商品・サービスの提供に取り組んでおります。
〔企業理念〕 「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」
〔経営理念〕 「トライアングル・バランスの実現」
「職員の満足(働きがい)」「お客さま(地域)のご満足」「株主の方々(投資家のみなさま)のご満足」をバランスよく高める経営を実現します
〔行動理念〕 『「誠実」×「情熱」×「行動」』
(2)企業統治の基本方針
当行は、企業理念を実現し、そして、株主の方々に当行の株式を安心して保有していただくことを目的として、「コーポレートガバナンスの基本方針」を制定しております。
当行は「指名委員会等設置会社」であり、この基本方針に基づいて、指名委員会等設置会社の特徴である「業務執行と監督の分離によるガバナンス態勢の強化」「業務執行の決定権限の委任による業務執行のスピードアップ」「社外取締役が過半数を占める三委員会の設置による経営の透明性向上(当行では三委員会とも社外取締役が委員長を務めております)」を実現するとともに、経営戦略などの本質的な議論の活性化や、株主のみなさまをはじめとするあらゆるステークホルダーとの対話を深めながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
2022年4月より、グループビジョン『Fプロジェクト(※1)Vision 2032 ~私たちは 職員・お客さまの多様なチャレンジに伴走し「地域価値循環モデル(※2)」を実現します~』を掲げ、その実現に向けた中長期戦略として、10年間の「長期経営計画」(2022年4月1日~2032年3月31日)及び「中期経営計画Ⅰ」(2022年4月1日~2025年3月31日)を開始しております。
「中期経営計画Ⅰ」では、「Fプロジェクト Vision 2032」の第Ⅰフェーズとしてスタートダッシュを切る3年間と位置づけ、「ウェルビーイング戦術」、「コンサルティング戦術」、「ユーザビリティ戦術」、「ファンダメンタル戦術」、「機能別戦術」に分けて実行しております。さらに、具体的な取組方針として、11のアクションプランを策定しており、アクションプランに紐づいた施策を実行し、「Fプロジェクト Vision 2032」の実現を目指しております。
(※1)Fプロジェクト:当行及び福邦銀行を含む連結子会社11社及び非連結子会社3社の総称であり、「当行グループ」と同義
(※2)地域価値循環モデル:職員・お客さま・地域のチャレンジへの伴走支援を通して、地域価値(お客さまの企業価値・資産価値、地域の魅力度)を持続的に向上させるモデルのこと
<アクションプラン>
長期経営計画 | 中期経営計画Ⅰの戦術 | 中期経営計画Ⅰのアクションプラン |
ウェルビーイング実現に向けた取組み | ウェルビーイング戦術 | 01_役職員へのウェルビーイングの浸透 |
3つのドメインによる事業展開 | コンサルティング戦術(地域) | 02_ネットワーク(産学官金連携)を活かした「まち・ひと・しごと」の面的支援 |
コンサルティング戦術(法人) | 03_伴走型支援を通じた真の経営課題の発見と解決 | |
コンサルティング戦術(個人) | 04_ライフステージに応じたサービスの展開によるQOLの向上 | |
ユーザビリティ戦術(法人・個人) | 05_金融インフラサービスの利便性向上とプラットフォームの構築 | |
ファンダメンタル戦術 | 06_資金運用の多様化とノウハウの蓄積 | |
事業ポートフォリオの構築 | 機能別戦術(人事) | 07_戦略分野への人財配置と計画的育成 |
機能別戦術(チャネル) | 08_地域に根差した「ヒト×デジタル」のハイブリッドチャネルの提供 | |
機能別戦術(デジタル) | 09_デジタル利活用による利便性・生産性の向上 | |
経営管理体制 | 10_収益・ALM・リスクの一体管理とコンプライアンス体制の高度化 | |
グループ体制 | 11_グループシナジーの最大化 |
(4)KPI及び目標とする経営指標
「中期経営計画Ⅰ」では、連結ベースでのKPI(※)及び目標とする経営指標を掲げ、その実現に向け取り組んでおります。本指標を達成し、次代に向けた経営基盤の確保を図ってまいります。
(※)KPI:Key Performance Indicatorの略称。重要業績評価指標のことで、目標の達成に向けた行動・成果を評価するための指標
<主なKPI>
項目 | KPI | 2025年3月期(計画) | 2025年3月期(実績) |
結果 | 中小企業向け貸出残高 | (※1)8,000億円 | 9,570億円 |
観光・まちづくり関連支援件数 | (※2)300件 | 561件 | |
SDGs・脱炭素関連支援件数 | (※2)500件 | 666件 | |
店舗数 | △20% | △26% | |
ATM台数 | △25% | △28% | |
地域への人財供給(自然減) | (※2)140名 | 160名 | |
行動 | インターネットバンキング・アプリ登録先数 | (※1)25万件 | 26万件 |
体制 | 戦略分野への人財配置(※3) | +60名 | +73名 |
コンサルティング人財投資 | +100百万円/年 | +120百万円/年 | |
デジタル投資 | +500百万円/年 | +657百万円/年 |
注 +△表記はすべて2022年3月末比
(※1):2025年3月末時点
(※2):2022年4月~2025年3月末の累計
(※3):コンサルティング、デジタル及び新規事業分野への人財配置
<目標とする経営指標>
経営指標 | 2025年3月期(計画) | 2025年3月期(実績) |
連結当期純利益 | 40億円以上 | 71億円 |
連結自己資本比率 | 7.0%以上 | 7.9% |
連結コアOHR | 77%以下 | 70.4% |
連結ROE | 3.0%以上 | 5.2% |
(経営環境及び対処すべき課題)
日本経済がデフレ脱却に向けて着実な歩みを進めている中、当行の経営基盤の中心である福井県では、北陸新幹線の県内延伸の効果により、地域経済の活性化の好機を迎えております。一方で、少子高齢化と都市部への人口集中による労働力の希少化、国際情勢の不安定化、物価上昇に起因する消費者の購買力低下など、経済環境の不確実性は高まっております。
このような環境下において、2026年5月に予定している福邦銀行との合併に向けた準備を着実に進めることを目的として、「中期経営計画Ⅰ」の期間を2026年3月まで1年延長し、新・中期経営計画は、新銀行が誕生する2026年度にスタートすることにいたしました。福邦銀行との合併を経て、地域の課題解決業としての進化を遂げ、当行グループが掲げる「地域価値循環モデル」の実現を目指してまいります。
「中期経営計画Ⅰ」の延長期間である2025年度は、次の施策に取り組んでまいります。
お客さまの事業成長及び資産形成の実現に向けては、引き続き「まるごと支援」の考え方に基づく伴走支援の実践により、地域における当行グループの存在感を向上させてまいります。法人のお客さまには、「金利のある世界」への移行などの環境変化を踏まえ、お客さまとの対話の機会を積極的に増やすとともに、これまで培ってきた課題解決力を活かすことで、「預金」「融資」「決済」といった金融基盤の拡大を目指してまいります。個人のお客さまには、人の安心感とデジタルの利便性を両立したチャネルを提供することにより、お客さまの体験価値の向上に取り組んでまいります。また、資産の運用や承継に関しては、お客さまの最善の利益の追求のために、野村證券株式会社と協働し、質の高いコンサルティングサービスを提供してまいります。
活力ある地域の実現に向けては、地域の構造的な課題解決にはすべてのステークホルダーとの連携が必要であるとの認識のもと、行政などの関係機関とも連携しながら、当行が推進主体となってソリューション・ネットワークを構築し、交流人口の増加やDXの推進、脱炭素化などの課題解決に資する面的支援に取り組んでまいります。
また、「地域価値循環モデル」の起点となる職員のウェルビーイングの実現に向けては、引き続き4つのキーファクターを踏まえた施策の立案・実行と、「D&I推進宣言」に基づく取組みを進めてまいります。
そして、2025年度の最大のプロジェクトである福邦銀行との経営統合については、合併に向けた準備を着実に進めるとともに、「経営統合はあくまで地域の課題解決業として進化するための手段である」との考え方のもと、お客さまの利便性を維持しながら、統合シナジーを早期に実現してまいります。
以上のとおり、今後もグループビジョン「Fプロジェクト Vision 2032」の実現に向け、グループの総力を結集し、地域活性化の中心的役割を担ってまいります。
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