企業兼大株主水道機工東証スタンダード:6403】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針及び経営環境について

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の堅調な改善により緩やかな回復基調を維持してきましたが、足元では物価高の進展や米国の政策動向による影響が注視される状況で推移してまいりました。

 当社グループの主力である上下水道水処理分野においては、水道インフラを取り巻く環境として、堅調な公共投資を背景に老朽化施設の更新投資は増加しているものの更なる耐震化並びに耐災害化への対応が求められる一方で、施設の老朽化や料金収入減少及び水道関連職員数の不足などの課題に直面している状況となっております。

 当社グループとしては、このような状況の中で中長期的に水道インフラの課題解決に向けて大きな役割を担うべく中期経営計画並びに2030年目標として諸施策を掲げ実行しているところです。

 当社グループでは、このような事業環境を踏まえ「2030年近傍における目指す会社の姿」として、浄水場設備におけるメンテナンス事業で営業利益6割を稼ぎ出す事業構造の転換を打ち出し、2023年から2025年の中期経営計画期間をその構造転換のための準備期間と位置付けており、本連結会計年度においても引き続き、グループ経営・総合力強化を柱に据え、グループ会社や事業の垣根を越えて、次の諸課題・施策を実行してまいりました。

 ① グループ経営・総合力強化:グループ全体での諸課題の共有・実行、機能別組織下でのグループ内連携強化

 ② メンテナンス事業の収益拡大:2030年目標達成に向けサービスステーション(*1)の拡充による基盤作り

 ③ 官民連携事業(PPP/PFI(*2)、DB/DBO(*3))への対応強化:関連案件への参画拡大

 ④ 製造・開発機能の強化:製品製造・開発基盤の体制拡充と製品管理の一元化

 ⑤ グループ内人材交流推進:交流・融合推進のための役員、幹部派遣

 ⑥ M&A・アライアンスの推進:事業全般におけるM&A機会の探索

         *1.既存納入顧客へのメンテナンスに即対応可能な技術サービス要員を配置した拠点。

         *2. Public Private Partnership/Private Finance Initiativeの略で官民連携による公共施設等建設運営とその手法。

         *3. Design Build(設計、施工)/Design Build Operation(設計、施工、運転管理)の略で一括発注方式での契約形態。

(2) 今後の事業見通し及び事業方針並びに対処すべき課題

 今後の見通しとしましては、国内景気は、緩やかな回復基調が続く見通しですが、上下水道分野におきましては、国土強靭化に向けた対策である耐震・耐災害化への投資として浄水場を含む急所施設へのインフラ投資拡大が見込まれるとともに、中長期的には国土交通省によるウォーターPPP(*1)推進や水道事業の広域連携の加速による老朽化施設の統合、更新が進められることにより、当社の対象となる市場は拡大する見通しです。

 当社グループでは、中期経営計画における事業方針に基づき次の課題への取り組みをグループの柱に据えて引き続き事業基盤強化並びに拡大に努めてまいります。

事業区分

事業対象分野等

中期事業方針

当面の課題

プラント建設

浄水場等の施設更新・建設

官需上水市場での発注形態の変化の中で、更新・建設市場における収益確保に加え、DB市場でのプレゼンス向上により浄水場更新・建設分野での現状収益の維持を図る。

受注量の維持・確保

事業基盤・要員体制の維持

新製品開発の推進

民間向け用廃水施設建設等

東レの水処理素材/システムを活用した設備納入により、メンテナンス獲得のための顧客基盤拡大を図る。

受注量の拡大

将来のメンテナンス拡大

浄水場向け標準製品製造販売等

浄水場向け製品の製造、開発拠点としての機能強化、整備を図る。

製造・開発体制の整備拡充

O&M

浄水場等のメンテナンス・保守等

浄水場等施設維持のためのメンテナンス対応ニーズが増加している顧客の状況から、潜在的な既設設備に対するメンテナンスニーズの掘り起しを強化し、安定的な収益基盤の確立を目指す。

受注量の拡大

事業基盤・要員体制の拡大

その他

SKME関連事業(*2)

サウジアラビア事業からの撤退方針を維持し、リスク低減を図る施策を実行する。

リスク低減施策の実行

撤退手法の検討

(注)

 *1.上下水道等の施設更新・整備に関する令和13年までの官民連携方式等を活用した国土交通省のアクションプラン。

 *2. SKME社(Suido Kiko Middle East Co.,Ltd)によるサウジアラビアでの水処理プラント建設等の事業。

(3) その他対処すべき課題

(関連会社に関する持分法による投資損失の概要等)

 持分法適用関連会社であるSKME社への支援状況について

①当連結会計期間におけるSKME社への支援状況

 持分法適用関連会社である在サウジアラビア国のSKME社(当社出資比率49%)は、2024年3月期末時点で28億9百万円の債務超過となっておりましたが、当社並びに現地パートナー(出資比率51%)は、SKME社の手持工事完工のために出資比率に基づき両株主が資金支援を行うことを合意し、融資を実行しております。なお、2025年3月期末時点での債務超過額は36億8百万円となり、両株主により資金支援として実行された融資額は33億26百万円となっております。

 また、当社は、SKME社が締結する工事請負契約に関し、現地金融機関が発行する銀行保証等に対して全額の債務保証を行っておりますが、SKME社の債務超過額に対する当社負担額(「持分法適用に伴う負債」として計上)は、現地パートナーの資金支援実行により減少し、2025年3月末時点で2億24百万円(前年同期9億44百万円)となっております。

 当社は、SKME社が請け負った建設工事について、顧客への引き渡しまでの契約上の義務を確実に履行させることが、不測のリスクを回避することに繋がると判断し、2024年3月期以降、現地パートナーとの合意のもとで出資比率に基づく資金支援や、当社からの債務保証や資金支援を先行して実行することで、手持工事案件の完工・引き渡しを進めてまいりました。その結果、2025年3月期において、主要な手持ち工事案件であった1件につきまして、2025年3月末に仮引き渡しを完了しました。

②SKME社への今後の支援について

 今後につきましては、この仮引き渡しを通じ、確実な工事代金の回収に努め、契約工事の最終引き渡し完了による遅延ペナルティ等の回避、並びに契約工事に紐づく債務保証金額の減額を通じたリスク低減のため、一層の管理強化を図るとともに、出資比率相当の資金支援等の負担に関して現地パートナーとの協議を継続して行ってまいります。なお、未引当の債務保証額は、2025年3月期第4四半期末時点で39百万サウジリアル(15億69百万円)となっております。

 また、主要な手持ち工事案件の今後の見通しについては、顧客からの了解のもとで運転開始を行った後1年間の運転管理期間を経て、2026年中に最終引き渡しを行う予定としております。

 これらの対応を通じて、全ての契約済み工事の引き渡し完了に目途がつき次第、サウジアラビア事業からの具体的な撤退手法を最終決定いたします。本方針を踏まえ、引き続きSKME社の経営管理を強化し、損失額の圧縮並びに現地パートナーによる保証差入等を通じた債務保証リスクの低減に取り組んでまいります。

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