企業兼大株主横河電機東証プライム:6841】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

<リスク管理体制>

 当社ではグループにおける効果的なリスク管理を実現するため、リスク管理の統括責任をもつ代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。気候変動を含めた外部環境、戦略、品質、環境、安全衛生、危機管理、企業倫理などのグループの企業価値に影響をあたえる不確実性をリスクと定義し、「外部環境」「戦略」「オペレーション」の観点で分類・管理しています。毎年、グループ各社においてそれぞれのリスクや対策等を洗い出すとともに、経営戦略や経営課題、外部のリスク環境なども踏まえ、リスク管理委員会が重点的に管理すべきリスク(重点管理リスク)を選定しています。その選定にあたっては、リスクの重大度を、影響度及び発生可能性の面から評価しています。影響度の評価では、財務的・人的側面のほか、社会・環境面での影響も(外部機関を通じて得られた外部環境分析結果を含め)考慮しています。重点管理リスクは経営会議で決定し、取締役会に報告しています。

 また、内部監査担当部署は、グループのリスク管理プロセスの有効性を評価し、重要な事項は取締役会及び監査役に年に2回報告しています。

 なお、リスクが顕在化し、グループの経営に重大な影響を及ぼすおそれがある危機が発生した際には、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会にて対応にあたります。

 重点管理リスクについては、対策内容や対策の進捗について四半期ごとに確認し、リスク管理委員会でリスクの状況を評価するとともに、経営会議・取締役会に報告しています。また、対策の見直しや改善点の洗い出しを実施し、翌年の重点管理リスクの選定に反映させています。

 また、個社においては、洗い出したリスクに対して自律的にPDCAサイクルを回し、リスク管理を行っています。

<事業等のリスク>

 当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しています。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容とあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在時点において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1) 外部環境に関するリスク

(社会情勢等に係るもの)

 当社グループの活動範囲は日本国内のみならず世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等の外部環境変化は、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があるとともに、業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。

  ・各国の政治的または経済的要因

  ・租税や通商制限の影響

  ・各国の商慣習の違い

  ・自然災害(地震、火災、洪水・津波等)、戦争、暴動、テロ、感染症、ストライキ、その他の要因による 社会的混乱

  ・当社製品・サービス及び社内インフラへのサイバー攻撃

  ・環境保護を含め、各国規制・制裁・特許などの把握不全ならびに新たな法・規制改正

 これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部機関との契約等を通じ、その予防・回避・影響の低減に努めています。

 COVID-19の世界的な流行に対しては、局所的なロックダウンなどによるサプライチェーン混乱など経済活動への影響を把握するとともに、オフィスワークとテレワークを組み合わせた柔軟な働き方への移行など、「ウィズコロナ」への対応を進めています。

 また、ロシア・ウクライナ情勢に対しては、エネルギー需給のひっ迫、資源・原材料価格高騰などが継続しており、危機管理委員会において引き続き情報共有を行うとともに方針や諸施策について検討し、対応しています。

 当社グループの次期(2024年3月期)の業績は、世界経済が全体として低成長となることが見込まれていることや、COVID-19後に再開された大口受注案件に一巡感がでていること、また、素材産業における投資が減速する見込みであることなどにより、受注高については減少が予想されます。売上高及び営業利益は、半導体等を含む生産部品及びプロジェクト調達品の調達難が継続していることから、限定的な伸長と予想されます。これに伴い、経常利益は微増と予想されるものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益等により増益となる予想です。

 世界は脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジション等、社会課題解決に向けたニーズの高まりや、デジタル技術の革新などにより劇的に変化しており、当社グループはこのような事業環境の変化を機会ととらえ、成長に向けた社会共通課題解決を軸とした事業構造を確立し、社会や環境への貢献を拡大しながら成長を目指します。

(為替・金利・株価変動に係るもの)

 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業上の取引や事業活動におけるコストとして多数の通貨を使用しています。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結等を行っていますが、急激または大幅に変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが保有する資産及び負債にかかる金利の変動は利息の増減や資産等の価値に影響を与えるリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが保有している株式等は価格が変動するリスクがあり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 戦略に関するリスク

(市場・競合環境に係るもの)

 ① コスト競争力

 積極的な事業展開を進める中で、新設や近代化などプロジェクト案件での競争は激化しており、コスト低減要求が益々強まると同時に、資源国・新興国において自国優先的な姿勢が強まり、製品生産や雇用および役務を含む調達の現地化要求が高まっています。コスト競争力強化に取り組んでいますが、これら市場の要求する製品やサービス及び販管費を含めたコスト低減要求に効果的に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 ② デジタル技術の利活用による競争力優位性の確立

 デジタル技術を活用したバリューチェーンおよびライフサイクル全般にわたるビジネスプロセスでの飛躍的な生産性向上の実現に対する要求が高まっており、これにビジネスとして応え、競争力優位性を確立していく必要があります。当社グループはこれを事業成長の機会と捉え、自社はもちろんのことお客様を中心に幅広い領域でのデジタルトランスフォーメーションによる新たな価値創造の実現に取り組んでいます。新技術に追随できない場合や、これら市場の要求に十分に対応できない場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 ③ 市場ニーズに合わせたビジネスモデル変革の実現

 社会の変化、技術革新などにより、新たなビジネスモデルが数多く創造されている中で、当社グループのお客様においても、サブスクリプション型ビジネスなど、初期導入コストの低減や導入後の運用・保守の柔軟性に対する要求が大きくなっています。当社グループとしても成果報酬型ビジネスやサービス提供型のリカーリングビジネスの実現に取組むなどビジネスモデル変革を進めています。今後も多様な変化を見せる新たな市場ニーズに十分に応えられない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 ④ 気候変動への取り組みによる市場環境の変化

 気候変動への取組みに対する社会の要求が増大しており、当社グループのお客様の戦略にも影響を与える可能性があります。主要なお客様であるエネルギー関連における長期的視点でのエネルギーシフト等、お客様は環境変化に対する取り組みの検討を進めていると認識しています。当社グループは、このような変化を事業機会と捉え、市場環境の変化への対応を進めていますが、そのようなお客様の変化に対応できない場合や、当社グループの取組みに遅れが出た場合は、ビジネス機会損失や企業価値低下につながるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (※後述する気候変動及びTCFDに関する取り組みについてもご参照ください)

(戦略投資に係るもの)

 当社グループは、主に新事業・新分野への進出に対する戦略的成長投資を重点的に強化し、必要に応じてM&Aやアライアンスの可能性を検討しながら、技術、販路、製品・サービス、お客様、人財・ノウハウなどを獲得するための投資を行っています。案件の発掘から投資に至るプロセスの確実な実行と評価・検証精度の向上、投資後の迅速なビジネス立上げに万全の体制で臨んでいます。また、それを支える人財の育成・活用にも取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ環境変化等によって想定した成果があがらないリスクがあります。また、取得した資産や機会を十分に活用できない場合も含め投資後のビジネスが迅速に立ち上がらず、想定した成果をあげられないリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(研究開発に係るもの)

 当社グループは、計測・制御・情報の基礎研究、先端技術及びIIoTやAI等のデジタル技術開発をもっとも重要な経営課題として位置づけ、将来を見据えた新技術開発を継続的に推進しています。また国際規格や国際標準の変化に適応し、SDGsに代表される持続可能な社会の実現に向けた取組みを強化しています。しかし、研究・開発投資が将来市場のニーズや目標に予定通り適合しないリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、競争力を維持するための製品技術やサービス革新の研究開発投資も継続的に行っていますが、成長可能性を持った製品やサービス分野の市場動向の把握ができなかった場合、研究開発投資が成功しないリスクがあります。加えて、市場に合致しても研究開発投資が革新的な技術を生み出さない、または想定した成果をあげられないリスク、及び競合他社に技術開発を先行されてしまうリスクがあります。このような場合は、ビジネス機会損失により当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(人財の確保・育成に係るもの)

 当社グループの成長の源泉は、最先端の技術を支える人財や、高い品質を支える技能者等の有能な人財によって支えられています。特に、ソリューション提案能力を持つ人財、プロジェクトマネジメント能力とエンジニアリング能力を持つ人財、また、AI、デジタル技術、当社が進めている新規事業に関する技術と知見を有する人財の重要性が高まっています。当社グループではグローバルに人財採用、採用した人財の教育と訓練による育成を継続していますが、将来において必要人財の確保や育成が計画通り達成できないリスクがあります。このような場合は、当社グループの効果的な事業運営に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(人権に係るもの)

 当社グループは、人権尊重についてその方針を定めるとともに国連グローバル・コンパクトへの支持を表明しており、ここで謳われている人権の方針と国際的な人権規範を尊重しながらその取組みを進めています。サプライチェーンにおける人権への取組みについても、強制労働・非人道的な扱い・児童労働・差別の禁止、適切な賃金、労働時間の法令順守や従業員の団結権についての指針を示し、国際的に求められている人権を支持して人権尊重に取り組んでいますが、予期せぬ事態により当社グループで人権問題が発生した場合、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(保有資産の価値低下に係るもの)

 当社グループが保有している事業資産について、時価下落及び収益性低下等に伴い資産価値が低下するリスクがあります。このような場合は、減損損失が発生するなど、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3) オペレーションに関するリスク

(製品の品質・供給に係るもの)

 当社グループは、長年にわたる技術及びノウハウの蓄積と厳格な品質管理体制の展開により、お客様に対して高い信頼性を備えた製品及びサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が内在する、また、その欠陥に起因して損害が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。

 また、主要な電子部品等の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進めるなど、リスクの低減に取り組んでいますが、外部環境変化に起因するサプライチェーンの混乱により電子部品等の調達や重要製品の製造が困難な状況となった場合、製品の供給に遅延や停止が発生するリスクがあります。このような場合、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼすとともに業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(プロジェクトマネジメントに係るもの)

 当社グループの事業において、特に製品・エンジニアリング・ソリューション・サービス・他社製品を一括してお客様に提供する形態であるプロジェクト型のビジネスでは、プロジェクトマネジメントの確実な実行が求められます。受注に至る過程での採算見積りや納期までの採算管理の精度の向上、生産・品質管理の徹底など、不採算案件の発生を防止する取組みを行っていますが、想定した見積りからの乖離や、採算・生産・品質等の管理において問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱により製品の調達や供給が困難となった場合、予期せぬ原価の発生や納期遅延等に伴う賠償責任を課されるリスクがあります。このような場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(知的財産権に係るもの)

 当社グループは、自社製品及びサービスの開発の中で知的財産権の保護と他社の権利の侵害防止に万全な管理体制を展開していますが、当社グループの知的財産権が第三者から侵害を受け、期待した収益が得られない場合及び見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされた場合は、重要な技術が使用できない不利益に加え、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(情報セキュリティに係るもの)

 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあります。当社グループでは、これらの情報管理に関する管理体制と教育を展開していますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 上記、事業等のリスクやサステナビリティ全般に関するリスク管理に関連するもののうち、特に重要な「気候変動への取り組み」、「TCFDへの賛同」、「人権尊重」についての考え方や取り組みは以下のとおりです。

[気候変動への取り組み]

 当社グループは、世界の温室効果ガス(GHG)排出量に大きな影響を与える、エネルギー、化学をはじめとする製造業をお客様として事業をしており、気候変動はリスク・機会の両面から事業活動に大きな影響を与えます。当社グループの売上の多くを占めているエネルギー関連企業のお客様は、再生可能エネルギー企業へのシフトをさらに加速しており、低炭素向け投資も拡大しています。こういった市場の変化を踏まえ、2021年度に長期経営構想を見直し、中期経営計画「Accelerate Growth 2023(以下、AG2023)」を策定しました。

 長期経営構想においては、10年後におけるお客様への提供価値のため、System of Systems(SoS)に着目し、IA2IAとSmart Manufacturingの取り組みを進めています。IA2IAでは、プラントのオペレーションを自動化から自律化へと進化させ、Smart Manufacturingでは、生産現場からサプライチェーンへとスコープを広げ、バリューチェーンを通じたシステムのつながりを広げていくことで、革新的に生産性を向上させていきます。

 制御事業の3つの業種別サブセグメントごとの状況については、「エネルギー&サステナビリティ」では、再生可能エネルギー業種に注力しています。蓄電池を含む複雑なエネルギーサプライチェーンにおけるエネルギー最適管理ソリューションビジネスを確立していきます。「マテリアル」では高機能化学市場におけるソリューションを拡大しています。カーボンニュートラルと循環型経済の動きが加速する中、モビリティ市場におけるCO2削減を背景にEV向け2次電池など新素材のニーズに応えていきます。カーボンマネジメントソリューションにより、温室効果ガス排出量を経営課題とするお客様と一緒に、脱炭素化に取り組みます。「ライフ」では、気候変動の適応に貢献する医薬・食品業種の生産性向上に関するビジネス拡大、水ビジネスでは広域排水管理や海水淡水化の海外展開、さらに再生水の飲用利用に向けた実証実験など新たな価値創出に取り組んでいきます。

 AG2023では、3つの業種別セグメントにおける事業の注力分野でSDGsへの貢献を拡大するためのサステナビリティ目標を設定しています。気候変動の課題に関しても複数の目標を設定しており、重点的に取り組んでいきます。

[TCFDへの賛同]

 気候変動の課題に積極的に向き合い将来に備えていくという意思のもと、金融安定理事会(FSB)が気候変動に関する財務情報の開示を推進するために設立した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」(以下、TCFD)による提言の支持を表明しました(2019年2月)。

[人権尊重]

 当社グループのすべての事業活動は人権の尊重を前提に成り立っており、私たちは、事業を展開する世界各国・地域でのさまざまな人権課題について理解を深め、その解決に積極的に関与することで、人々の尊厳が守られ、敬意が払われるように力を尽くさなくてはなりません。その責務を果たすための指針として、「YOKOGAWAグループ人権方針」を策定し、次の内容について定めています。

1. 人権に関連した法令の遵守と国際行動規範の尊重

2. 人権デューディリジェンスの実施

3. YOKOGAWAグループの人権の重点課題

4. コミュニケーションとエンゲージメント

・人権尊重のための体制

「YOKOGAWAグループ人権方針」は、取締役会の承認により定められています。代表取締役社長を当社グループの人権に関わる最高責任者とした社内体制を整備し、継続的な取り組みを実施しています。人権に関係する部門から担当者を選出した人権実務者会議が具体的な人権に関する取り組みを進めています。

・人権デューディリジェンス

 当社グループは、事業活動、サプライチェーンおよびその他のビジネス上、人権に負の影響を与える可能性を特定、防止、軽減し、どのように対処するかについて責任を果たすための人権デューディリジェンスを進めています。

 労働安全衛生、労務管理、購買・販売管理についてはそれぞれグループ全体を対象とする内部統制システムを構築しており、リスクの低減や発見された問題の是正を行っています。

-人権に関する通報・相談窓口と救済措置

 当社グループが直接的に引き起こしている人権侵害、および間接的に関与している可能性のある人権侵害を早期発見し是正するため、YOKOGAWAグループで働く人すべてを対象とする、相談・通報窓口を社内に設置するとともに、サプライヤー向けのヘルプラインを設けています。また、お客様やお取引先様、地域社会など、外部のステークホルダーからの人権侵害に関わる通報・相談については、ホームページのお問い合わせで受け付けています。匿名での通報・相談も可能としており、通報者のプライバシーの保護、通報者への報復行為や不利益な取り扱いの禁止を定めています。 各ステークホルダーから寄せられた人権侵害事象については、企業倫理・人事・調達・法務部門等が連携して調査し、助言・啓発など適切な救済措置を講じ、再発防止に取り組みます。

-人権リスク評価

 人権リスク評価は、企業の方針、事業活動の内容、内部統制システムの運用状況の確認に加え、関係者へのヒアリングにより、取り組みの優先度の高い人権課題を特定するものです。優先度は、事業活動や取引関係を通じて悪影響を及ぼすリスクの重要度と、リスクへの影響力の2つの観点から評価します。

 リスク評価の結果、環境・社会への影響、強制労働・奴隷労働(従業員)、労働安全衛生(従業員)、公平なビジネス慣行、製品・サービスに関する品質と安全性、労働環境(従業員)の6項目が取り組みの優先度の高い人権リスクと評価されました。優先度の高い人権リスクについては、国や地域の特性も踏まえてさらなるリスクの低減に取り組み、問題の可能性が発見された場合には適切な対応を図っていきます。

 当社グループは2022年度、自社のグローバルエンジニアリング拠点33か所に対して、「強制労働・奴隷労働」「労働安全衛生」「労働環境」などに関するSAQ(Self-assessment questionnaire)を実施しました。対策を講じるべきリスクの高い拠点はなかったものの、人権侵害のリスク低減に向けてコミュニケーションを継続していきます。またサプライチェーンにおける人権侵害リスクを低減するため、お取引先様の事業所へ環境保全や人権に関するSAQを送付し、その回答を評価しました。高リスク(SAQスコアが50%未満)の事業所16か所へは、改善に向けたコミュニケーションを行います。

 

当社グループのTCFDへの対応のガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標については、サステナビリティレポート及びYOKOGAWAレポートにその詳細を掲載しています。

サステナビリティレポート: https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/

YOKOGAWAレポート    : https://www.yokogawa.co.jp/about/ir/shiryo/annual-ja/

 

PR
検索