企業兼大株主森永製菓東証プライム:2201】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループにおける研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命とし、私たちが目指すビジョンに沿って、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。

 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,045百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,910百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が135百万円であります。

「2024中期経営計画」の初年度である当連結会計年度は、2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』実現に向けた2ndステージとして、「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を生み出す研究所」という基本方針のもと、全社戦略・事業戦略と連動しながら、中長期視点での研究開発力の強化・共創による価値創出の加速に向けた取組みを引き続き実施いたしました。

(1)既存技術-3大技術の深化-

 <ソフトキャンディ技術> 

 主力ブランドの「ハイチュウ」に関する技術伸長に注力して研究開発を継続しております。また、感性研究との連動により「幸せ食感」を訴求し、心の健康にも寄与する商品として成長し続けております。

 ハイチュウ50周年を記念して発売した「12粒ハイチュウ<王道ミックス>」は、今まで培ってきた当社の技術を最大限に駆使し、「ハイチュウ」史上初めて、ひと粒で3つのフレーバー(グレープ、ストロベリー、グリーンアップル)が楽しめるワクワク感と驚きのある品質に仕立てております。

 また米国においては「HI-CHEW」の特長であるChewyでリアルなフルーツ感をグミで再現した「HI-CHEW gummies」「HI-CHEW gummies sour」を発売いたしました。柔らかいセンターグミを歯切れのよいグミで包んだ、食感とジューシーさを楽しめるグミキャンディであります。

 <冷凍下での菓子技術>

「チョコモナカジャンボ」のモナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせるため、水分を吸着する食物繊維原料に着目し、モナカへのコーティングチョコ部分や“チョコの壁”にこの食物繊維原料を加えることでモナカの吸湿耐性を約1.2倍向上させ、“チョコの壁強化”訴求に繋がる活性化を実施いたしました。

 また当社の菓子技術を活かしたデザートアイス、コンビネーションアイスを多数発売いたしました。当社のビスケットブランド「マリー」を活用し、自分の好きなように割って砕いて食べる食感体験型カップアイス「砕<MARIE&ホワイトチョコ>」を発売いたしました。ホワイトチョココーチングのパキッとした食感とMARIEのザクリとした食感を主役に、濃厚ながら最後まで食べ飽きない品質に仕立てております。

 冷凍下でもしっとり・もちもち食感のクレープ生地が特長の「ザ・クレープ」では、「ザ・クレープ<幸せホイップ2倍>、<チョコ&チョコ>」を発売いたしました。<チョコ&チョコ>では、現在のもちもちクレープ生地になってから初の黒いクレープシートで味わいとともに見た目の楽しさも実現いたしました。

 <ゼリー飲料技術>

 高タンパク含有製品でもゼリーらしい食感を実現する技術を確立し「inゼリー プロテイン15g」をリニューアルいたしました。パインヨーグルト味からミックスベリーヨーグルト味に変更するとともに、よりゼリーらしい食感を追求するために配合の見直しを行い、飲みやすい品質に仕立てております。 

 また、まるで本物の果実を食べているような食感・美味しさを味わえるとともにビタミンや食物繊維が摂取できる「inゼリー フルーツ食感」シリーズでは、新たに<巨峰>を発売いたしました。当社が保有するゼリー食感のコントロール技術により巨峰の果肉の繊維感を表現し、みずみずしい果肉感と飲みやすさを両立した品質に仕上げております。

(2)新規技術開発-未来に向けたウェルネス新価値創出-

 <感性科学研究(心の健康)> 

 喫食時の生体計測や主観評価など、感性を可視化するために、大学などとの共同研究による多角的な分析を進め、新しい価値の創出に取り組んでおります。食感研究と感性研究の融合による「心地よい食感」に関する研究成果は、「ハイチュウ」の訴求表現(かむほど幸せ食感)や「チョコモナカジャンボ」のマーケティング戦略(ジャンボスマイルプロジェクト)などに活用しております。また、喫食時の表情解析からの感情推定、視線や脳活動測定からのパッケージ評価など、新たな取組みも開始いたしました。さらに、保育の現場における行動観察研究を通じて、おやつが子どもたちの共食の場を楽しく、豊かなものにしていることを明らかにいたしました。本研究は第18回キッズデザイン賞を受賞いたしました。今後もR&D部門を通じて「心の健康」への貢献を推進してまいります。

 <健康科学研究(体の健康)> 

 健康科学の研究としては、パセノール™やぶどう糖(ラムネ)などの素材が人々の健康に与える影響について研究を行っております。

 パセノール™については、長寿遺伝子として知られるサーチュインに関する研究をさらに深耕し、“有効成分であるピセアタンノールを1日あたり100mg含む試験食品の摂取により、ピセアタンノールを含まない食品を摂取した方と比較して、血中サーチュイン遺伝子発現が増加すること”をヒト試験で見出し、海外の学術論文や米国老年医学会議(GSA2024)で発表いたしました。また、ピセアタンノールを含む食品の摂取により、ヒト試験にて皮膚水分量や皮膚粘弾性の改善効果が示されておりましたが、その作用メカニズムを検証いたしました。その結果、“ピセアタンノールを皮膚線維芽細胞に作用させることでサーチュイン遺伝子発現が増加すること”や、“ピセアタンノールがサーチュインを介して肌の水分保持などに重要な役割を担うヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現を増加させている可能性”が示され、海外学術雑誌に論文発表を行っております。

 ぶどう糖(ラムネ)については、“ぶどう糖含有ラムネ菓子摂取が健康な若年成人においてポジティブな気分で認知課題に取り組み、一部の脳活動が活性化し、選択的注意力が向上すること”を見出し、学術論文や国際学会(fNIRS2024)で発表いたしました。また日本糖尿病学会第67回年次学術集会に糖質関連商品を紹介するブースを出展し、医療関係者とのコミュニケーションを通じて、商品活用シーンの拡大に向けた認知度の向上を図っております。

 また商品としては、「inバー」ブランドでは、ライトユーザーにも幅広く高タンパク製品を提供するために「inバープロテインナッツ<メープル味>、<ココア味>」を発売いたしました。タンパク質10gに加え、女性の摂取意向が強い食物繊維、鉄、ビタミンE、葉酸を配合しております。また、栄養摂取の方法が多様化する中、「時間をかけずに栄養を摂りたい」というニーズに応えるために、タンパク質など30種の栄養素が1本で摂れる「inバープロテインMEAL<ベリーショコラ>、<レアチーズケーキ>」を発売いたしました。

 さらに、ポジティブな理由で運動に取り組む人が増えている市場環境を踏まえ、「運動で健康的な美しさを目指す人」に向けて「おいしいEAA&クエン酸<レモン味>」を発売いたしました。レモン味で運動中でもすっきり飲みやすい品質に仕上げております。

 MCTオイルを配合しBMIが高めの方の体脂肪を減らす機能性表示食品「MCTスタイル」を「Light<ベイクドショコラ>」としてリニューアルいたしました。MCTオイルはチョコを溶けやすくするため加工が難しい素材ですが、長年培ってきたベイクド技術により高配合を可能としております。チョコの中にMCTオイルを閉じ込め、表面だけ効率的に熱を通すことで、外側サクサク、内側なめらかな食感の品質に仕上げ、お客様のウェルネスライフをサポートしてまいります。
 その他の機能性表示食品といたしましても、すこやかな生活にお役立ていただける商品として、γ-アミノ酪酸(GABA)を機能性関与成分とした疲労感と睡眠の質の改善にアプローチできる甘酒「発酵ラボお米のチカラ」や、ひざ関節・筋肉・肌に関する機能性関与成分を含んだサプリメント「ひざ軽コラーゲンサプリ」を発売いたしました。

 飲料としては、糖質が気になる健康志向の方向けに「甘酒糖質50%オフ185g」「甘酒糖質50%オフ1000ml」を発売いたしました。酒粕のコクと米麹のやさしい甘さを生かした森永甘酒の味わいを、糖質オフで楽しんでいただける品質に仕上げております。

 <サステナブル研究(環境の健康)

「地球環境の保全」に向けて、プラスチック容器・包装の環境配慮に取り組んでおります。「パリパリサンド」は2025年3月から、品質の改良や製造技術の進化により、プラスチックトレーを廃止いたしました。さらにトレー廃止に合わせて袋のサイズも見直し、商品1個当たりのプラスチック使用量を従来品比で約73%削減しております。

 今後、世界人口の増加に伴い、タンパク質の不足が懸念されており、サステナブルでおいしく、加工特性の優れたタンパク原料の調達が課題となっております。そのため、植物性タンパク質の物性や風味の改良研究と並行し、バイオマス発酵で作られたタンパク質等、様々なタンパク原料を探索するとともに、一部原料開発にも着手しております。

<R&Dセンター>

 当社グループの価値創造を担う中核拠点として2022年春に開設した「森永製菓R&Dセンター」で当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術融合を図るとともに、多彩な社内外のパートナーとの共創を実施いたしました。

2024年度の共創の取組みとしては、昨年を上回る企業と共創開発・研究を実施しております。また例年実施しておりますCSRイベント(横浜市立下末吉小学校・横浜市立汐入小学校との小枝教室、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校とのチョコレート学習プログラム)の他、お客様との共創による商品開発検討のための試食会や、エンゼルPLUS会員を招いたイベントを複数開催いたしました。R&Dセンターを舞台とし、国内外を問わずメディアの見学誘致やお取引先様・同業/異業種企業との意見交換を実施し、外部へ開かれた研究開発活動を推進することで新たな価値共創を目指してまいります。

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