企業兼大株主森永乳業東証プライム:2264】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)ガバナンス

当社グループは、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会のもと、グループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。

サステナビリティ委員会は、取締役会の機能を補強するための特別委員会組織として設置され、社長を委員長、サステナビリティ本部長を副委員長、社内取締役および全本部長を委員として構成し、事務局はサステナビリティ推進部が務めています。半年に1回開催する定例委員会では、「サステナビリティ中長期計画2030」の進捗等について議論を行っています。

このほか、気候変動対策部会、プラスチック対策部会、人権部会など、当社グループにとって重要なサステナビリティ課題については分科会を設置して議論を進めています。

また、月1回、部門横断のサステナビリティ委員会事務局会議を開催し、サステナビリティ中長期計画2030の各KPIについて関係部門が議論する場を設けています。

なお、サステナビリティ委員会の討議内容は取締役会に報告され、ウェブサイトでも公開しています。


※2023年3月31日時点

(2)戦略

 当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を2019年に制定し、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を当社グループのありたい姿と定めました。

 この考えのもと、2025年3月期までの3年間の中期経営計画では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」「効率性を重視した財務戦略」の3つを基本方針に定め、取り組みを進めます。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、「食と健康」「資源と環境」「人と社会」の3つのテーマにより2030年の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めます。



(3)リスク管理

 当社グループは、経営者が当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについて、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」(P21)に記載の10項目を認識しております。

 その中でも、特に「(1)酪農乳業界について」「(2)原材料の調達リスクについて」「(3)食品の安全性について」「(6)自然災害、大事故、感染症などによる影響について」「(10)環境への影響について」はサステナビリティと深く関連するものであります。

 これらのサステナビリティのリスクについては、「サステナビリティ中長期計画2030」のマテリアリティ(重要取組課題)を策定する際に、フローに織り込み、マテリアリティを決定しました。これらのマテリアリティには2030年目標のKPIを設定し、進捗管理を行っています。KPIについては、半年に1回開催されるサステナビリティ委員会にて討議し、討議内容は取締役会にも報告しています。

また、これらのリスクについては、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理部会にて、定期的にリスクの洗い出しと見直しを行っております。また、個々のリスクごとに要因と対応策をまとめ、対応策についてモニタリングを実施しております。サステナビリティ課題への対応策とその取組状況についても、サステナビリティ委員会の運営事務局を務めるサステナビリティ推進部より、リスク管理部会に定期的に報告しています。

◆主なサステナビリティに関するリスク

「(1)酪農乳業界について」

考えられるリスク:酪農家の減少による原乳量の減少や既存原料の枯渇等による生産・開発の停滞が懸念されるため、酪農乳業の支援が必要

「(2)原材料の調達リスクについて」

考えられるリスク:気候変動などの環境課題、人権侵害などの社会課題への対応遅れによる原材料調達の不安定化や信頼低下が懸念されるため、環境や人権に配慮した原材料の調達を進める。

「(3)食品の安全性について」

考えられるリスク:品質トラブルの発生による信頼低下が懸念されるため、トレーサビリティの仕組み化や、品質事故ゼロを目指した安全への取り組みを進める。

「(6)自然災害、大事故、感染症などによる影響について」

考えられるリスク:生産拠点や物流網の停止による商品供給の停滞が懸念されるため、BCP対策を進める。

「(10)環境への影響について」

考えられるリスク:自然資本の毀損や規制強化による原材料調達コストの増加、炭素税の導入による操業コストの増加、生態系の汚染・破壊による操業リスク上昇が懸念されるため、気候変動への緩和と適応や石油由来のバージンプラスチック使用量の削減などを進める。

なお、気候変動リスクについては、気候変動対策部会およびサステナビリティ委員会において定期的に評価を見直し、対応を検討しております。詳細は「TCFDへの取り組み」をご参照ください。

◆TCFDへの取り組みのURL

https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/resources_and_the_environment/tcfd/

(4)指標及び目標

 当社グループでは「サステナビリティ中長期計画2030」にて、2030年度達成を目指したKPIを設定しています。

食と健康

 ・健康への貢献

  ―健康課題に配慮した商品の売上高('21年度比)1.7倍

  ―健康増進・食育活動への参加者('21~'30年度)延べ100万人

 ・食の安全・安心

    ―グループ全生産拠点でのFSSC22000などGFSI認証規格の取得100%

  ―消費者の求める安全・安心のためのトレーサビリティの仕組み化

  ―品質事故ゼロ・法規遵守の取り組み継続

 資源と環境  

 ・気候変動の緩和と適応

  ―Scope 1 + 2 CO₂排出量削減率('13年度比)38%以上

  ―Scope 3 GHG排出量削減率('20年度比)10%以上

  ―気候変動に対するBCP策定拠点率* 100% 

   (*)BCPを策定する必要がある拠点のうち、適応ができている拠点の割合

・環境配慮と資源循環

 ―石油由来バージンプラスチック使用量の削減率('13年度比)25%以上

 ―水資源使用量の削減率('13年度比)15%以上

 ・持続可能な原材料調達 

  ―RSPO マスバランス認証への切替率('28年度まで)100%

  ―FSC認証等環境配慮紙使用割合('24年度まで)100%

  ―原材料サプライヤーへの支援拡大

人と社会

 ・人権の多様性と尊重

  ―サプライチェーン全体での人権方針の継続遵守

  ―女性管理職比率10%以上

  ―男性育休取得率100%

  ―人財育成に向けた研修投資額4万円/人/年

 ・地域コミュニティとの共生

  ―地域活動を実施するグループ全体の事業所の割合 100%

(5)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標について

①戦略

森永乳業グループの「人的資本」

◆なぜ「人財」を資本と捉えるのか

当社グループはお客さまから選ばれる企業であり続けるために、社会課題の解決と収益力向上の両立による企業価値向上を追求しています。その源泉となる「人財」は、価値創造プロセスにおいて最も重要な資本であると捉えています。人的資本への一層の投資を通じて、社員一人ひとりが持つ“知”を結集し、「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を掛け合わせた独自の価値を創造し、持続的な成長を成しえる組織であり続けることを目指しています。

当社グループが人財について目指している姿は、「高い専門性と多様性に富んだ活力ある人財集団」です。社員一人ひとりが学び続ける文化や多様な意見が活発に議論される組織風土の構築を通じ、また社会に健康価値を提供する企業として、社員の健やかで充実した人生への貢献を目指します。

◆経営戦略の実現に向けて

中長期的に描く姿を人財の面から実現するために、当社グループでは「人」と「組織」の両面で取り組んでいます。人づくり(人財育成)においては「個人の自律」と「専門能力の発揮」に向けたアプローチ、組織づくり(環境整備)においては「多様な価値の結合」と「挑戦を称賛する風土」に向けたアプローチ、これらを両立させることが必要だと考えています。                       

また、経営戦略を実現していくには、その基盤となる社員のエンゲージメントを高めることも重要になります。2022年より全社員を対象としたサーベイを一新し、社員エンゲージメントを可視化できるようになりました。2022年のエンゲージメントスコア※を各職場で共有し、組織改善に向けたアクションプランの作成に取り組んでいます。今後も毎年1回エンゲージメントサーベイを実施して、目指す姿への実現度合いを確認し、改善活動に繋げていきます。

※社員の会社に対する共感指数(会社・仕事・上司・職場に関する質問の期待度と満足度から算出)


◆人づくり(人財育成)

森永乳業グループの人財育成では、研修や自己啓発などさまざまな機会とツールの提供を通じて、「自身のありたい姿」を描き、お客さまと仲間と自らの笑顔のために自律的に挑戦・貢献・成長する社員の育成を目指しています。

●個人の自律

当社グループでは社員個人が自律するということを「自分自身の働く意義を今の仕事に見出し、受け身ではなく自ら考え、自ら判断し動けている状態」と定義しており、これが「働きがい」や「エンゲージメント」に直結すると考えています。個人が自律した状態を作ることができれば、各所で活発な議論が行われ、活き活きとしたチャレンジ精神のあふれる職場が形成されると考えています。こうした状態を実現するために、評価会議や人財活躍会議を通じた「上司のマネジメント力向上」、キャリア調査や異動公募制の実施などによる「選択肢のあるキャリア形成支援」、社員の心身の健康維持・向上に向けた「健康経営の推進」の3点を重視して取り組んでいます。

●専門能力の発揮

社員のスキル・能力向上を目的とした社員一人あたりの年間研修投資額は、コロナ禍に経験したオンライン化等の適切な効率化を継続したうえで、2030年度までにコロナ前を上回る水準まで拡大させることを目標としています。階層別研修に加え、部門別の研修を通じた専門能力習得機会を設けています。また経営戦略を踏まえ、グローバル人財育成プログラムを充実させています。

教育制度の充実に加え、高度な専門性が必要となる職種に対しては、キャリア採用を強化し、外部人財の登用も積極化しています。

事業成長に必要な専門知識や能力の多様性を組織内に保有し、それを強みとして本人が発揮できる力、そしてそれを発揮しやすい環境をマネジメント層の支援のもと整えることで、新たな価値の創出を目指しています。

◆組織づくり(環境整備)

●多様な価値の結合(ダイバーシティ&インクルージョン)

活力ある組織づくりに向けて、性別、年齢、国籍等の属性に関わらず多様性を認め合い、活かすことは必須条件だと考えています。そのための取り組みとして、ダイバーシティに関する研修を実施するほか、在宅勤務やフレックスタイム等の制度に加え、育児・介護支援制度を拡充して多様な働き方を実現しています。2022年度は育児休業の社内愛称を社員から公募し、当社の製品名にちなんで「はぐくみ期間」と名付けました。休業という言葉は使わずに、子をはぐくむ大切な仕事をする期間であるとして、育児休業の取りにくさや、育児における性別役割分業の払拭を目指しています。2022年10月からは出生時育児休業を100%有給で設立し、2022年度の男性育児休業取得率は90.5%となりました。

リーダー層の多様性を確保するため、女性キャリア支援にも継続的に取り組みます。2012年から始めた女性リーダー研修には累計202名の女性社員が参加しており、マネジメントやリーダーシップを学ぶプログラムを実施しています。

なお性別を理由とする処遇の違いはないものの、社員構成年齢や上位役職に占める性別の違いによって賃金差は生じています。前述のような女性のリーダー層における割合の増加に向けた施策や育児における性別役割分業の払拭を目指した取り組みを通じて、賃金差の縮小を目指してまいります。

森永乳業グループでは2022年度に、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」において要素・要件を網羅した人権方針を改定し、自社グループの事業が人権課題に影響を与えうることの理解ならびに必要に応じて是正対応・取り組みを行っていくことを改めて表明いたしました。本方針において、差別やハラスメントを排除していく旨を明記しております。本人権方針は取締役会にて承認を得ており、人権方針の実行については森永乳業株式会社の人事担当役員が責任者として実施状況を監督しています。

併せて人権デュー・デリジェンスの取り組みを開始し、森永乳業グループが優先的に取り組むべき潜在的人権リスクとして特定した日本国内の外国人労働者の権利について調査を実施いたしました。

●挑戦を称賛する風土

新たな発想を成果に繋げていくには、発想を行動に移すことができるかが大切であり、そのためには、失敗を許容し、挑戦を後押しする風土を創り上げていくことが必要と考えています。

 森永乳業グループの表彰制度(Morinaga Milk Awards)や、2022年より風土改革と事業創出を目的に開始した新規事業創出プログラムは、挑戦を称賛し合う文化の定着につながっています。

②指標並びに目標及び実績

 ※本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、

提出会社単体の記載といたします。

◆人づくり(人財育成)

●専門能力の発揮

 

2021年度

2022年度

専門性人財のキャリア入社者数(単体)

9名

14名

※研究、マーケティング、法務、知財、IT、海外部門などにおけるキャリア採用者数

 

2020年度

2021年度

2022年度

2030年度目標

研修投資額
(単体)

2.6万円

/年・人

2.6万円

/年・人

3.1万円

/年・人

4.0万円

/年・人

◆組織づくり(環境整備)

●多様な価値の結合(ダイバーシティ&インクルージョン)

 

2020

年度

2021

年度

2022

年度

2024

年度目標

2030

年度目標

女性管理職比率

(単体)3/31時点

5.2%

5.5%

5.8%

6.0%以上

10.0%以上

男性育児休業取得率(単体、正社員)

47.3%

58.6%

90.5%

-

100%

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