企業森下仁丹東証スタンダード:4524】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下の基本方針に沿って、施策の具体化やグループ業績目標を実現していくために課題解決に取り組んでまいります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 百年を超える歴史を持つ当社グループ(以下、当社という)は、業祖 森下博が掲げた「済世利民」の信念を受け継ぎ、1893年の創業来、人々の健康や豊かな社会の実現を目指しております。

 コンシューマー事業においては、安心・安全は当然ながら、特長を持ち、「健康寿命の延伸」に貢献できる、お客さまに寄り添った製品やサービスを、グローバルに提供し続けます。

 一方、ソリューション事業においては、「市場創造型の受託企業」として、更なる技術革新による価値提供への挑戦を継続してまいります。

 企業を取り巻く経営環境は厳しくなるなか、当社としては上記のコンシューマー事業とソリューション事業の両事業をベースとして、「変革」を目指し、新たな分野にも積極的に事業展開を図ってまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社は、まず中長期的な成長の観点から経常利益率を捉え、さらに安定成長の観点から自己資本比率を重要な経営指標としてその改善に努めております。

 経営方針に沿って市場ニーズを的確に把握し高付加価値の新製品開発とコストダウンに努力するとともに営業力強化等により収益力を高め、結果として自己資本比率の向上を目指してまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、社是および創業130周年を機に策定したパーパス「思いやりの心で、オモロい技術と製品で、一人に寄り添い、この星すべてに想いを巡らせ、次の健やかさと豊かさを、丹念に紡いでゆく」のもと、モノづくりの原点である「仁丹」から発展した「球体技術」や「素材研究」を基盤に、ステークホルダーの皆様にご支持いただける製品・サービスの提供、また、シームレスカプセル受託事業及び機能性原料の販売を展開しております。これらの事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献するとともに、安定的かつ強固な収益基盤の構築を目指しております。

 なかでもコンシューマー事業は、社会課題に対応した製品の提供を通じて、当社グループの企業ブランド価値を高めるうえで、重要な事業領域と位置づけております。同事業で培った技術や知見は、ソリューション事業における受託開発や原料販売において差別化の要素として活用されており、両事業の間で相互にシナジーを創出しています。

 今後も、コンシューマー事業とソリューション事業を両輪としてバランスよく成長させることにより、社会課題の解決に寄与しながら、当社グループの企業価値と存在感のさらなる向上を図ってまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① コンシューマー事業における持続的成長に向けた取り組み

 当社は、コンシューマー事業を「健やかさ・豊かさへの貢献」というマテリアリティ(重要課題)の具現化に資する事業と位置づけ、現在は「おなかの健康」と「おくちの健康」の2領域を重点テーマとして取り組んでおります。

「おなかの健康」では、当社の主力製品「ビフィーナ®」が一定の市場シェアを維持しているものの、近年の乳酸菌ブームに伴って差別性が弱まりつつあります。そこで、当社独自のカプセル製剤技術を活用した「タンサ脂肪酸」など「腸テク」シリーズ3品を2025年4月に発売いたしました。イメージキャラクターに宮﨑あおいさんを起用し、総合型マーケティングにより、新ブランドの認知およびカプセル製剤技術への信頼度醸成を図ってまいります。

 また、「おくちの健康」は、当社が大正時代より取り組んできた領域であり、人々の健康に貢献する重要な分野です。改めて本分野への注力を強め、企業の社会的価値を高めてまいります。

 これらの取り組みにより、当社はコンシューマー事業の持続的成長を続けてまいります。

② ソリューション事業の拡大と収益基盤の強化

 当事業においては、引き続きシームレスカプセルの受託製造の拡大に注力しており、今後は製造ラインの増設を含む戦略的投資を実施し、生産能力の強化と需要拡大への対応体制を整備してまいります。また、可食分野に加え、非可食分野への市場展開も視野に入れ、技術革新を推進してまいります。

 機能性原料の販売においては、新規顧客の開拓に加え、エビデンスの強化を目的とした研究開発を引き続き推進してまいります。

 これらの取り組みにより、今後もソリューション事業を当社の収益を支える柱としてさらに育成するとともに、同事業で得た技術や知見を自社製品の開発にも還元してまいります。

③ 森下“仁財”の活躍推進

 当社は、事業課題の解決に向けた基盤として、従業員のスキルアップ、モチベーションおよびエンゲージメントの向上が重要であると認識しております。こうした考えに基づき、2023年度に実施したワーク・エンゲージメント調査の結果を踏まえ、若手従業員に対しては、部門横断的なコミュニケーションの活性化を目的としたプログラムを導入し、組織全体における連携強化を目指します。また、シニア層に対しては、リスキリング支援を通じた活躍機会の創出に取り組み、年齢にかかわらず多様な人材が能力を発揮できる職場環境の構築を進めてまいります。

 なお、これらの施策の有効性については、今後も定期的なワーク・エンゲージメント調査を通じて検証と改善を継続してまいります。

④ 持続可能な成長に向けた環境配慮の取り組み

 当社は、「地球環境への配慮」を企業の基本的責務であるとともに、持続可能な成長に向けたマテリアリティの一つと位置付け、重点的に取り組んでおります。

 環境マネジメントの一環として、2001年に滋賀工場および大阪工場において環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を取得し、現在も認証を継続しております。

 また、水資源の保全に向けた節水ノズルへの切り替えや、CO₂排出量の削減にも取り組んでおり、2030年度までに2013年度比で46%の削減を目標に、排熱回収ヒートポンプの設備などの導入や再生可能エネルギーへの置き換えなどを段階的に推進しております。

 今後も省エネルギー施策の継続に加え、再生可能エネルギーの自社活用(創エネルギー)による脱炭素の取り組みも強化してまいります。

⑤ 製品の品質向上に関する取り組みについて

 当社は、製品の品質保証に対する社会的要請の高まりを受け、安全・安心な製品を安定的に供給する責任を一層重く認識しております。

 こうした認識のもと、グループ会社であるMJ滋賀では2025年1月に健康食品GMP認証を取得し、すでに認証を取得している滋賀工場および大阪工場とあわせて、製造拠点全体における品質・衛生管理体制の強化を推進しています。

 なお、当期事業年度に発生した「販売名:仁丹パックシートH」の自主回収については、当社として厳粛に受け止めており、再発防止に向けて品質管理体制の見直しを進めております。具体的には、製品開発フローの見直しおよび確認プロセスの強化を実施いたしました。合わせて、全社教育プログラムに品質に関する考え方も組み込むなど、運用面・組織面の両側面から体制の再構築を図ってまいります。

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