企業栗田工業東証プライム:6370】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、本年度新たに企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する「水の新たな価値」の開拓者」を定めました。また、当社グループの経営の中核的概念を、現行の「CSR」から「サステナビリティ」に広げ、企業活動と自然環境や社会システムが相互に影響し合った持続的な成長を指向し、サステナビリティを標榜した「企業ビジョン」の実現に向けた当社グループの重要課題を「クリタグループのマテリアリティ」として定めました。

 当社グループは、企業価値の向上と競争優位の創出に邁進し、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対する適正かつ迅速な情報開示を通じ、より透明性の高い経営の実現を目指しております。

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

①中期経営計画

 当社グループは、2018年4月より5カ年の中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)において、CSRを経営の中核に位置付け、「既成概念を壊し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高め、顧客親密性を最大化する」を基本方針に掲げ、収益性の向上を目指して取り組んできました。価値創造ストーリーの実現に向け、激変する事業環境下でも価値創造の源泉となる人材の重要性を強く認識し、育成や活躍推進に注力しています。海外事業では世界四極体制の基盤を確立し、グローバルにグループ連携が進みつつあります。

 しかしながら、ビジネスモデルの変容は道半ばであり、既存ビジネスの中には収益性や強靭性に課題を残すものもあり、新たな収益の柱となる新規事業の創出には至りませんでした。地域特性・市場特性に合わせた製品・サービスの展開を加速させていく必要があります。

 これらを踏まえ、2023年度より新中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)をスタートさせました。PSV-27 計画最終年度(2027年度)の業績目標は次の通りです。

 売上高                                 4,500億円

 売上高事業利益率                       16%

 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)  12%以上

 投下資本利益率(ROIC)                 10%以上

※事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の指標であります。

「PSV-27」では「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」を基本方針とし、次の重点施策に取組んでいきます。

(重点施策)

・電子産業への重点化

 超純水供給事業で蓄積した「水に関する知」をバリューチェーン全体で活用し、併せて営業・設計・調達の変革を実現することにより、圧倒的なスピードで深い顧客理解に基づくソリューションを提供し、世界の電子産業市場に対する事業展開を加速していきます。

・多様な産業を通じた社会との共通価値の創出とグローバル展開

 各国・地域の顧客動向やニーズを一元的に把握し、CSVビジネスをはじめとした社会との共通価値を創出するソリューションをグローバルに展開します。また、サーキュラーエコノミーの視点で、企業と企業、企業と地域をつなげるソリューションを開発し提供していきます。

・社会課題を解決するイノベーションの推進

CO₂排出削減、節水、資源循環などで社会に貢献する新たな領域の開発に中長期的な視点で取り組みます。また、外部機関との協業を推進し、新たな領域で確固たる競争優位性を確立していきます。

・技術立社としての基盤強化

 技術立社を支える多様な分野の人材の獲得と育成を強化するとともに、世界の知財のビッグデータを駆使し、イノベーションや事業の方向付けを行います。また、デジタル技術を駆使した「水に関する知」の蓄積と利活用を進めていきます。

・グループ経営基盤のさらなる強化

 当社の経営体制を変革し、コーポレートガバナンスの水準を一層高めていきます。また、多様な人材の育成

 と活躍の支援によるエンゲージメントの向上、生産プロセスの変革とサプライヤーとの共存共栄に基づく強固

 なサプライチェーンの構築、デジタル技術の早期確立と業務プロセスの変革によるデータドリブンな経営に取り組んでいきます。

②価値創造ストーリー

 当社グループは、企業理念の実現に向け社会と共に持続的、長期的に成長していくための道筋をクリタグル

ープの価値創造ストーリーとして言語化しました。当社グループの一人ひとりが価値創造ストーリーの担い手となることで、企業理念の実現を目指してまいります。

(クリタグループの価値創造ストーリー)

 私たちクリタグループは、世界の様々な現場で日々変化する水の課題に対しソリューションを提供しております。

 現場から得られる水に関する課題や情報は、私たちの知として集約、蓄積されます。私たちはこの知の活用により、お客様の真の課題を理解し、お客様と共有できる形での価値の予測とともに最適なソリューションを提供します。

 私たちは、予測した価値の実現により、お客様と社会との共通価値を創造(Creating Shared Value:CSV)し、社会と産業を変えていきます。そして、創造した価値にふさわしい収益を得るとともに、お客様と社会からの信頼を基に更なる現場と新たな知を獲得していきます。

(3) 会社の対処すべき課題

 当社グループは、2018年4月より5カ年の中期経営計画「MVP-22」に取り組み、品質とスピードを飛躍的に高めた新しいビジネスプロセスの変革と、顧客価値および社会との共通価値を創造・提供するビジネスモデルへの変容を加速することで、高い収益性と成長力ならびに社会課題の解決力を備えたグループになることを目指してきました。この結果、買収効果も併せ海外を中心に売上高は伸長しました。利益面では、目標としていた売上高事業利益率15%は未達となったものの、サービス契約型ビジネスの拡大や低収益事業からの撤退等により収益性は着実に改善しました。一方でビジネスモデルの変容については、全ての事業において従来のモノ売りから価値提供型のサービスへの転換を進め、サービス契約型ビジネスの拡大は着実に進展したものの、市場特性を踏まえた柱となる新たなビジネスモデルの創出・提供には至らずに課題を残しました。

 これらを踏まえて、2023年度からスタートした新中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)の

 策定にあたっては、企業ビジョンを「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」に改め、経営戦略の中核を、これまでの「CSR(Corporate Social Responsibility)」から「サステナビリティ」へと拡大し、企業活動と自然環境や社会システムが相互に影響し合った持続的な成長を指向しました。本計画では、顧客を取り巻く事業環境や顧客にとっての競争優位性など、市場特性を一層深く考察したうえで、市場ごとに付加価値の高い製品・サービスをスピード感をもって展開していきます。また、ビジネスモデルの変容・ビジネスプロセスの変革によるサービス事業の多様化と深化、社会価値起点のビジネスを強化することで、顧客層や既存顧客との現場接点を拡大し、収益性の向上を目指します。

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