東海汽船
【東証スタンダード:9173】「海運業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
創立135周年を迎えた当社グループの主な事業である東京諸島と本土間を結ぶ旅客定期航路は、公共的性格を有する離島・生活航路としての側面と快適性を提供するリゾート航路としての側面を有しており、また、貨物航路も、離島の生活物資を安全、確実に輸送する責務を有し、当社グループは、これらの使命を果たすことを通して地域社会に貢献することを経営の基本方針といたしております。
さらに、当社グループは海運関連事業を基軸として、商事料飲事業、ホテル事業および旅客自動車運送事業を展開しておりますが、今後ともグループ間の連携をより一層強め、「安全運航」と「良質のサービスの提供」を行う総合力の高い社会貢献企業を目指してまいります。
(2) 中長期的なグループ経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、長期的な戦略として、「コストの弾力化、固定費の圧縮等により、収入の変動に左右されないローコストの経営体質を作る」との方針のもとに、収入増加策として、閑散期対策に取り組み、船舶の定期的な代替、船隊再編や燃料油価格の上昇などをカバーできるような収益確保に努めてまいります。
この先、環境の変化にしなやかに対応すべく、高速ジェット船を使った新たな商品開発、島と全国を繋ぐ物流・商流の活性化と振興、島への誘客を展望したECサイト事業の本格展開など、既存の営業方法に捉われない柔軟な発想で営業活動を強化してまいります。
なお、2020年に執行役員制度を導入し、経営の機動性の向上、効率化を図っております。
中期的な事業の活性化策としては、2013年より施策の方向性をスローガンとして掲げ取り組んでおり、2025年は「Safety First 東海汽船グループ 2025」を掲げ全社一丸となって取り組んでまいります。
当社グループの航路は、公共的性格を有する離島・生活航路としての側面があり、また、これらの航路の中には、不採算航路でありながら公共性の観点から航路維持を図らざるを得ない航路(離島航路整備法の対象航路)もあり、一般的な経営指標の向上のみに専念するのは適切ではないと考えております。
(3) 会社の対処すべき課題
近年の人件費や船舶の修繕費等の維持コストの上昇、東京諸島の人口減少などの環境変化により、安全・安心な運航を維持するために、5月に主力の伊豆諸島航路において、旅客及び貨物の運賃改定を実施し経営基盤の強化を図りました。しかしながら、当社グループの置かれた事業環境は引き続き厳しく、コロナ禍で減少した観光客の回復等、営業の再構築、業績の本格的回復が喫緊の課題となっています。また、7月に発生したセブンアイランド愛の事故で、お客様をはじめ関係各方面にご迷惑・ご心配をおかけしたことを深く反省し、再発防止策を講じると共に、今一度、経営理念「安全運航と良質のサービスの提供」の原点に立ち返り、前述の2025年のスローガンに「Safety First 東海汽船グループ 2025」を掲げ、全従業員が誠実に仕事に向き合い、それぞれベストを尽くすことで、安全運航のリーディングカンパニーとなるよう取り組んでまいります。
旅客部門は、東京諸島の観光資源の魅力と集客力を強化し、自然を楽しむツアーの展開など自然環境型観光の商品開発や船旅の魅力を伝え、安全・安心な「東京の宝島への旅行」の提案に注力してまいります。
貨物部門は、工事関連の積極的な受注を図り、あわせて貨物事故防止を徹底し、またコンテナ管理を強化すると共に、国等の補助金を得て製作した冷凍・冷蔵コンテナを最大限活用し、貨物輸送の品質向上を図ってまいります。
商事料飲事業は、早期に収益の第三の柱となるよう、さらに自販機ビジネスの拡大、コンテナ販売など新規ビジネスの推進、ECサイト事業における取扱商品の充実と知名度の向上などに、戦略的に取り組んでまいります。
ホテル事業は、販売チャネルの見直し・強化等により増収を図ると共に、労働生産性の向上などによるコスト低減を図り収益力を高めます。またバリアフリー対応を含めたサービス向上を始め、お客様満足度の向上に一層取り組んでまいります。
旅客自動車運送事業は、貸切バス安全性評価制度の最高評価(現状、三ッ星認定)を維持(2026年更新より、5段階評価に移行)し、観光客のニーズの変化を踏まえつつ、引き続き安全運行と収支改善に努めてまいります。
以上のとおり、各部門に亘って業績向上を図るため、一層の努力をいたす所存であります。
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