東京通信グループ
【東証グロース:7359】「サービス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「創造によって世界中のエモーショナルを刺激する」というパーパスの実現に向けて、ビジョンに「Digital Well-Being」を掲げ、インターネットを通じて人々の心を豊かにするサービスを創造し続けることによって企業価値の持続的な向上を図っております。既存事業の拡大とM&Aの戦略的活用を図り、世界を代表するデジタルビジネス・コングロマリット経営を追求し続けてまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の最大化のための経営指標として、営業利益及びEBITDAを重視して事業運営を行っております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループが事業展開するインターネット広告市場においては、社会のデジタル化を背景に、2024年のインターネット広告費は前年比9.6%増の3兆6,517億円となり、継続して成長を続けております。また、インターネット広告費のうち、インターネット広告媒体費は、動画サービスにおける利用者数・利用時間が増加したことで、前年比10.2%増の2兆9,611億円となっております(注)。
出所(注)株式会社電通「2024年日本の広告費」
このような経営環境の中、中長期的なグループ成長戦略として、『当社は既存事業の連続的な成長に加え、M&Aの「継続的な非連続な成長」により、事業拡大及び株式価値向上を図る。』を推進することで、事業拡大と株式価値の向上を目指してまいります。
従来のビジネスモデルは既存事業の成長及び新規事業開発・M&Aによる事業拡大を想定しておりました。
M&Aは完全子会社化した株式会社ティファレト及び株式会社テトラクロ―マが業績に大きく貢献しており、一定の成果が得られたものと考えております。
一方、新規事業開発は、事業計画との乖離が生じており、一部の不採算事業の整理を決断いたしました。
2025年12月期を初年度とする3カ年計画では、成功事例のあるM&Aを主要戦略と位置付け、M&Aを推進していくために、先ずは財務基盤の強化に取り組んでまいります。
① 事業ポートフォリオの最適化
収益性の低い事業の規模を縮小、又は、撤退を推進し、主力事業へのリソース配分の最適化を図ります。
② 既存事業のオーガニックグロース
経営資源やノウハウを有効活用することで、新規顧客を獲得し、既存市場でのシェアを拡大してまいります。
③ 財務基盤の強化
キャッシュ・フローの改善を優先課題とし、フリーキャッシュ・フローを重視した戦略的資産配分を実施するとともに、財務健全性の向上を目的とした負債構造の見直しを進めてまいります。
④ M&A戦略の強化
事業ポートフォリオの補完と競争力の向上を図り、既存事業とのシナジーを最大限に引き出すことで、競争優位性を高めてまいります。
⑤ 既存事業のM&Aグロース
サービスラインナップの拡充を図り、既存市場でのプレゼンス拡大を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
① 中長期的に成長可能な事業の確立
中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を実現するためには、グループ企業各社に対するマネジメントを適切に実行し、グループ企業各社との連携を強化することで各事業の競争力を強化していくことが重要であると考えております。2023年4月には、事業推進における意思決定の迅速化及びグループ経営機能の強化並びに将来を見据えた経営体制を構築することを目的とし、持株会社体制へ移行いたしました。一層の成長を目指し、グループ経営資源の有効活用とグループシナジーの最大化を図り、中長期的に成長可能な事業の確立に取り組んでまいります。
② 海外における事業展開の強化
当社グループが中長期的に収益規模の拡大を目指すうえで、国内にとどまらず海外市場に向けた事業展開が重要であると考えております。主力事業であるメディア事業においては、言語に依存せず直感操作で手軽に遊べるアプリケーションの開発を複数手掛けており、さらに世界中のユーザーに親しまれるようサービス向上を目指しております。また、アプリケーション開発事業を展開するベトナム拠点のTT TECH COMPANY LIMITEDを連結子会社化したことで、当社グループにおけるエンジニアリソースのシームレスな開発体制を構築しました。本拠点を契機とした海外事業展開に果敢に挑戦してまいります。
③ 事業ポートフォリオの拡充
当社グループは、特定の事業領域に偏ることのない事業ポートフォリオの形成が重要であると考えております。メディア事業では、ハイパーカジュアルゲームアプリ等への取り組みを積極的に推進する一方で、2024年12月期はハイブリッドカジュアルゲームアプリという新しいジャンルに積極的に挑戦をいたしました。また、2023年12月に株式会社テトラクローマを連結子会社化することで新しいテクノロジー及びユーザーの獲得が実現しました。その後、2024年6月には同社の画像メーカーサービス「Picrew」のスマートフォンアプリ版を新規リリースする等、事業シナジーを発揮し、2024年12月期の連結業績に貢献いたしました。
プラットフォーム事業では、既存の電話占いサービス「電話占いカリス」及び「SATORI電話占い」に加えて、2023年10月に新規リリースした「恋愛相談METHOD」が大きく成長しました。新規事業領域では、推し活メッセージアプリ「B4ND」における参加アーティストの拡充に努め、その他の新規事業では、立ち上げが遅れている事業を早期に立ち上げるべく、経営資源の配分について見直しを行いました。引き続き、既存事業の事業領域を拡大していくとともに、新規事業開発やM&Aを慎重に実施していくことで、さらなる成長を図ってまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成
他社との競争に負けない独自性のあるサービス提供を行い、新しい収益基盤の構築を通じた事業ポートフォリオの拡充を目指すためには、専門性に優れた優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。人員計画に基づく採用活動に当たっては、当社グループの経営理念に賛同し、ともに成長しようという意欲と行動力のある人材の確保に努めてまいります。また、社内教育制度の充実を図り、社員の成長をサポートする体制を強化してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
中長期的な企業価値の向上と持続的な成長の実現に向けて、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制のさらなる強化が重要であると考えております。経営環境の変化に対する迅速な対応、経営の透明性の確保及び健全な倫理観に基づくコンプライアンス体制の充実に継続的に取り組むことに加え、当社に対する株主、顧客、ユーザー及び従業員等の各ステークホルダーからの信頼を確保し、説明責任を果たすことに努めてまいります。
⑥ 新技術の活用
当社グループが属するスマートフォン向けゲーム業界を含むインターネット業界は、技術革新が絶え間なく行われております。このような事業環境のもと、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を実現していくためには、様々な新技術に適切に対応していくことが必要不可欠であると考えております。適切なリソース配分のもと、技術研究活動を行い、新技術を活用できる人材獲得・育成に努めてまいります。
⑦ M&Aへの対応
当社グループはデジタル領域における事業ポートフォリオの拡充を行っていく上で、M&Aの機会があった場合には、既存事業とのシナジーを考慮した上で、ターゲット企業に対して事業の評価を行い、企業価値の向上に資するM&A戦略を推進してまいります。また、買収後には、ガバナンス強化を行い早期にグループシナジーが実現できる体制を図ってまいります。成功事例のあるM&Aを主要戦略と位置付け、今後のM&Aを推進していくために、先ずは財務基盤の強化に取り組んでまいります。
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