企業兼大株主東亜道路工業東証プライム:1882】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

当社は技術力の充実を企業戦略上の重要施策の一つと認識し、SDGs及びESGの視点から、道路舗装の耐久性向上、コスト縮減、安全性向上、環境負荷低減、並びに社会的要請に応える技術の研究開発に努めています。

研究開発テーマは、道路舗装の新材料・新工法や舗装の総合的な調査・評価システムなど、道路分野が中心ですが、他業種への活用についても検討しています。また、大学、官公庁、民間企業の研究機関との共同研究も行っており、その成果は新材料・新工法の普及や特許取得に反映され、さらに国内外の学術会議で発表するなど、情報発信に努めています。

 当連結会計年度中の研究開発費の総額は275百万円ですが、当社の研究開発は、建設事業と建設材料等の製造販売事業の両部門に密接に関連させて実施しているため、その内容をセグメント別に分類することは困難です。

 研究開発活動の主な内容及び取り組み状況は以下のとおりです。

(1)開発技術の普及・改良

①道路舗装の路盤を高耐久化するアスファルト乳剤「プライムファイン」

 近年の舗装維持管理におけるライフサイクルコスト(LCC)低減と耐久性向上のニーズを背景に、より高付加価値な材料として「プライムファイン」を開発しました。プライムファインは、アスファルト舗装の路盤上に散布して使用する高浸透性改質アスファルト乳剤であり、従来のプライムコート用アスファルト乳剤(PK-3)に比べて浸透性と被膜形成力が高く、強固な含浸層を形成します。これにより、養生砂の使用量を軽減しつつ、重交通路線や薄層舗装でも長寿命な舗装構造の実現に寄与します。

②道路橋床版を延命化する床版防水技術

 近年、全国の道路橋の老朽化が懸念される中、当社では各種の床版防水技術を開発してきました。その一つである樹脂防水一体型アスファルト舗装「タフシャットRA工法」は、環境に配慮した植物系樹脂を原料とした防水材を用いて、床版・防水層・アスファルト混合物を強固に一体化する工法であり、従来のグースアスファルト舗装の課題を克服した“床版防水性能を有する舗装”です。また、従来のグースアスファルトの性能を向上させた改質グースアスファルトも開発しております。今後、これらの技術の普及に努め、老朽化した橋梁床版の延命化に貢献してまいります。

③道路舗装の構造的強度(たわみ量)を迅速かつ安価に計測する技術

 近年、道路舗装マネジメントの効率化・合理化が求められる中、当社は国立研究開発法人土木研究所を中心とした大学・企業と共同で「移動式たわみ測定装置(MWD)」を研究開発し、さらに路面性状測定機能を付与した新型車両(MWD plus)を開発・運用しています。

MWDは、走行中の車両荷重によって発生する舗装表面のたわみを連続的に計測する装置で、交通規制なしで広範囲の調査が可能です。この技術は、舗装の健全度を面的に把握し、維持管理の効率化と高度化を図るための有力な手段として期待されています。

 今後、地方自治体等に対して積極的に提案し、舗装点検の迅速化、道路舗装マネジメントの効率化・合理化に寄与してまいります。

(2)新材料・新技術の開発

 アスファルト混合物を製造する合材プラントの統廃合が想定されることを背景とし、運搬に約5時間要しても品質を確保可能な中温化アスファルト混合物を開発しています。これまでに実道等で試験的に施工しており、今後、その耐久性等の確認を進めてまいります。

 脱炭素の機運が高まる中、加熱することなく常温で製造するアスファルト混合物(常温混合物)、石油を原料としない植物由来の「Bioバインダー」、電気自動車の普及を見据えた電気供給システムなど、カーボンニュートラルやESGを意識しながら、他分野も含めた新たな舗装材料・技術について研究開発に取り組んでいます。常温混合物の開発においては、茨城県つくば市に建設した常温混合物用のプラントを用いて、実路での検証作業を行っています。

(3)既存材料・既存技術の改良

 アスファルト乳剤および改質アスフアルトをはじめとする既存製品について、更なる「品質・耐久性の向上」、「省人化」、「コスト低減」、「新たな機能の付与」を目指して改良研究を継続しています。

(4)施工技術の開発

①情報化施工技術の活用およびICT舗装への取り組み

 当社では、舗装工事にTLS(地上型レーザースキャナ)やUAV(無人航空機)を導入し、3次元データを起工、施工、出来形管理の各段階で活用するICT舗装工として全国の施工現場で実施してきました。今後も最新技術を取り込みながら、ICT舗装による効率化、施工精度の更なる向上に取り組みます。

②DXへの取組み

 当社ではDX推進部を設置し、ICTや人工知能(AI)などのデジタル技術を舗装工事現場や製品・合材工場における各種作業の自動化、品質管理・出来形管理などへの活用を強力に推進し、「生産性向上」「就業者不足」「事故抑制」といった課題の解決に取り組んでまいります。

(5)その他

SDGs達成に向けフランスのColas社は太陽光発電パネルを道路の路面に敷設する「路面太陽光発電技術 Wattway(ワットウエイ)」の実用化に向け、全世界で実証実験を行っています。一方、日本への導入にあたり厳しい気象条件や交通条件などの課題も顕在化しています。当社はこの取り組みの趣旨に賛同し、Colas社と共同して様々な課題に取り組み、持続可能な成長を目指します。

Wattwayは、自然環境を損なうことなく設置でき、従来の太陽光発電に比べ台風などの災害にも強く、被災時には非常用電源として機能し、住み続けられるまちづくりの実現に貢献します。また、当社が培った技術は、将来的に東南アジアをはじめWattwayの世界展開に寄与するものと考えています。

PR
検索