早稲田学習研究会
【東証スタンダード:5869】「サービス業」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「生徒第一主義」を掲げ、質の高い授業と面倒見を、未来を担う子供たちに提供し、「生徒の成績を上げる指導を通じて社会に貢献します。」という経営理念を実現するために日々サービスの改良改善を続けております。
(2) 経営環境
小中高校の生徒数は、団塊ジュニア世代の山である1985年度の2,226万人をピークに減少を続け、2024年度には過去最少となる1,198万人にまで減少しております。近年の減少率は加速傾向にあり、2024年は2014年比で11%の減少となっております。今後も小中高校の生徒数は減少が予想され、中長期的に当社のターゲット総数は減少していくことが予想されます(文部科学省「学校基本調査」2024年12月18日公表)。
一方、公立高校無償化や入試制度の多様化といった制度改革に加え、オンライン指導や映像授業をはじめとするICT技術を活用した教育コンテンツが急速に普及するなど、教育業界をとりまく環境は大きく変化しております。
このような状況の中、直近3年間において、学習塾の受講生徒数は減少に転じつつも、売上高は右肩上がりの成長となっていることから、子供に対する教育投資は今後も増加していくことが予想されます(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」2025年3月19日公表データ)。市場は当面拡大していくことが想定される反面、多様化するニーズへ迅速に対応することが求められております。
(3) 経営戦略等
日本の未来を担う次世代の子供たちを育てる教育はその重要性を益々高めていくものと考えております。当社は、成績を上げ志望校に合格させることを通じ生徒の可能性を無限に広げるべく、開校以来「最も生徒の面倒見がよく成績の上がる塾」を目指し邁進してまいりました。経営環境は少子化やオンライン化、学習内容の改革など、今後も刻々と変わっていくものと思われますが、当社はこれまでの経営戦略の方向性を大きく転換するのではなく、今まで築いてきた当社の事業の特徴を今後より深化させ環境の変化に合わせて充実させていくことが、社会のニーズに適合し子供たちの教育に貢献できるものと考えております。
1 基本経営戦略
高い集客力が当社の収益の源泉であり、その集客力は「教師力」「特徴的な提供サービス(学習環境)」「教材品質」が生み出しているものと考えております。そして高い集客力があるからこそ、「大型の郊外型校舎」が実現できるのであり、その結果、収益性の安定に繋がっていくものと考えております。よって、以下の通り、これら全ての当社の特徴を日々改善に取り組み高めていくことが当社の経営戦略の基本となります。
① 集客力の向上
ⅰ 教師力向上の為の体制充実
優秀な教師による高品質な指導こそが事業の根幹であります。当社では、高品質な指導とは、生徒の成績を上げることが先行するのではなく、面倒見が良く生徒と接することで生徒ひとりひとりのやる気を引き出し生徒自らが夢を叶える為に取り組んでいけるように導くことであると考えております。現在ゼミ部門では、厳選採用・入社時及び入社後の研修・実際の授業の本部での品質チェックや指導などを実施しておりますが、今後も日々研鑽を続ける教師のサポート体制の充実に、全社で取り組んでいきたいと考えております。
ⅱ 提供サービス(学習環境)の改善
当社では、季節に応じたイベントやパフォーマンスを実施しており、チラシや塾生の紹介を通じて外部のお子様も招待するケースがございます。それらの機会を通じて、当社の提供するサービスや学習環境に触れて頂き入塾に繋がるケースもございます。現在の当社の提供サービスには、「学力別に細分化したクラス編成」「無料の補習提供」「担任制や保護者会などによる面倒見の良さ」などがございますが、更なるサービスの改善に取り組んでいきたいと考えております。
ⅲ 品質の高い教材の開発
当社では、効率よく成績をあげることに注力した教材が良い教材であると考えております。よって、教材にはあらゆる項目が網羅的に含まれている教材よりも、むしろ厳選された内容で重要な内容が盛り込まれている教材の方が適切である場合がございます。当社での多くのオリジナル教材は原則薄い仕様を意識し、「一冊やり終えた達成感」を生徒が味わえるように工夫しております。当社は今後も、生徒の学習意欲を刺激し理解が深まる教材の開発に努めてまいります。
② 大型の郊外型校舎の開設
当社は、ゼミ部門では1校舎当たり150~200坪規模の大型の自社もしくは賃貸のビルでの出店が主体となっております。また、正社員教師は車通勤であることが多いため、社員が通勤しやすい駅前での出店に拘る必要はなく、対象となる生徒がより多く居住する郊外エリアに出店できることから物件費を割安に抑えることが可能となります。当社は今後の事業拡大にあたって、進出を予定しているエリアにおいて適切な大型物件の確保を確実に行っていけるよう、社内体制を強化してまいります。
2 中期戦略
当社は、基本経営戦略の進捗を確認しながら、中期的にはまずは埼玉県を中心に出店により事業拡大を図っていきたいと考えております。また、小学生低学年の指導や新たな講座の開発、部門間のシナジー効果の実現など、会社の事業価値向上のために努めていきたいと考えております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、質の高い授業と面倒見の良さを子供たちに提供し、生徒の成績を上げる指導を通じて社会に貢献していくことを経営理念に掲げ、日々企業価値の増大を目指しております。現状の当社を取り巻く事業環境を踏まえ、以下を課題と認識し対応に取り組んでおります。
(教師の指導の品質向上)
当社は全国から優秀な人材を正社員として採用し、長年現場で教師職として活躍してきた経験者を中心とした人材開発部において、最低でも2か月、長い場合には1年近くに及ぶ十分な研修を実施しており人材の育成を強化しております。また新人、ベテラン関係なく全教師に対して、生徒からのアンケート評価や本部による講義収録映像を通じた品質チェックを定期的に実施し、その結果を踏まえて改善指導を行っております。現在は新卒採用を強化し、長期的な視点で将来の幹部候補の育成を進めております。当社は最も重要な経営資源を「社員」であると考え、高品質な指導を生徒に提供していくため、今後も教師の品質向上に取り組んでまいります。
(生徒への面倒見の更なる充実)
当社が掲げる生徒第一主義とは、当社に通塾している生徒が満足するサービスを提供していくことにありますが、その中でも「生徒の成績を上げる」ことが重要であると考えております。当社は面倒見の良さを自負しており、生徒の苦手分野について無料補習や定期テスト対策を実施し、数学・英語の授業ではアシスタント教師も加わり宿題や小テストの採点を行うなど、生徒一人一人への個別指導を提供しております。また、クラス毎に担任教師を置き、定期的な電話フォロー及び三者面談の実施など、生徒・保護者との信頼関係構築に努めております。当社は一人でも多くの生徒の成績が上がり当社に満足いただけるよう、サービス品質の向上に取り組んでまいります。
(高い成長性の実現)
当社は埼玉エリアを中心とした大型校舎の出店により事業拡大を進めておりますが、出店にあたっては優良な物件と教師の確保が鍵となります。物件開発力の更なる向上を目的とした開発課の新設や、インターンシップ及び内定者研修等の充実による採用力強化など、本部機能の拡充を進めてまいります。また、育成した社員が自律的にスキル向上に努め長く当社で活躍できるよう、働きやすい職場環境の提供による人材の安定化にも取り組んでまいります。
(企業ブランドの向上)
当社は、競合他社とは差別化した独自のサービスレベルの確立を目指し、企業ブランドの確立に取り組んでおります。生徒への対応をより深化させ成績向上や合格実績を積み重ねていくことのほか、集団と個別部門間のノウハウ共有による相乗効果の拡大やICTを活用したオンライン授業の展開など、新たな事業モデルの開拓も目指してまいります。また、インターネット広告を活用した認知度向上にも取り組んでおります。
外部環境の変化に対してサービス品質の向上に取り組むとともに、コーポレートガバナンスの強化やコンプライアンスの徹底により継続的な事業運営が可能となるよう、引き続き経営体制の強化に努めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、売上高と営業利益を経営上の重要な指標としております。また、事業運営におきましては、収益の基盤であり、当社のサービスに対する顧客からの評価結果の表れと考えている生徒数の動向を注視しております。
収益性の観点におきましては、売上高営業利益率を有効な指標であると考えております。営業活動が効率的に行われたかどうかを見るために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、当社では、18.0%の水準を経営目標の目安としております。
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