日華化学
【東証スタンダード:4463】「化学」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、企業パーパス「Activate Your Life」に基づき、経営ビジョンとして「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーションカンパニー」を掲げております。当パーパス・ビジョンのもと策定した「中期経営計画 INNOVATION25」に取り組む中、より資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2024年7月に「中長期グループ成長シナリオ」を策定しました。2035年までに目指したい姿として「ROE10%以上」を重点目標としたほか、新たな経営目標指標として「PBR」と「DOE」を導入しました。社会課題の解決を通して、着実な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は今後も不透明な状況が続くものと考えております。また、「気候変動問題への世界的対応」、「サーキュラーエコノミーの台頭」、「超スマート社会へ進展加速」、「人はより健康により衛生的に」など価値観が大きく変化してきており、この変化を捉えて社会の期待に応えていくこと、すなわち「規模」よりも「質」的成長を優先することが当社グループの大きな経営課題となっていると認識しています。
(3)全社基本戦略
2025年を最終年度とする中期経営計画では、スローガンとして『INNOVATION25』を掲げ、不確実性の高い経営環境でも着実に成長するため、5つの全社基本戦略に取り組んでいます。
全社基本戦略① 事業構造の大転換:「環境」「健康・衛生」「先端材料」領域への注力
当社グループは、「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「先端材料(Digital)」の3つの領域を注力事業領域と定め(以下、「EHD事業」といいます。)、事業ポートフォリオを大きく転換し、持続可能な社会と循環型経済の実現、人々の健康促進や衛生環境の進化、先端情報技術分野での先駆的な技術や材料提供によるスマート社会の実現に貢献する、個性ある化学メーカーを目指してまいります。
全社基本戦略② メリハリのある投資:注力事業への投資、投下資本収益性向上
当社グループは、不確実性の高い経営環境にあっても、成長投資を機動的かつ安定的に実施するために、継続的に財務体質の強化に取り組み、成長事業かつ社会価値の高い事業に集中した投資を実施してまいります。また、運転資金の適正化や厳選した投資の実行などにより投下資本収益性を高めることで、企業価値の向上に努めてまいります。
全社基本戦略③ 生産性改革:デジタルトランスフォーメーションの積極推進
当社グループは、デジタル技術を積極的に企業活動に取り込むことで、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進し、生産活動、研究開発及び営業活動を飛躍的に効率化し、一人当たりの生産性を大きく向上させてまいります。また、効率化によって生み出された経営資源を、EHD事業の推進及びお客様とのコミュニケーション頻度と質の向上に振り向けていくことで、最重要課題であるイノベーションの創出を加速してまいります。
全社基本戦略④ サステナブル経営の推進:持続可能な社会への貢献
当社グループは、「持続可能な開発目標(SDGs)」が示す世界的な優先課題及び世界のあるべき姿に対し、企業活動を通じて貢献してまいります。また、地球環境、人々のくらし、社会をより豊かにすることを重要課題と捉え、サステナブル経営の取り組みを加速させてまいります。気候変動対策としては、「2030年にグループ全体のCO₂実質排出量30%削減(2018年度比)」を経営目標とし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
全社基本戦略⑤ 大家族主義の進化:社員エンゲージメント向上とダイバーシティの推進
当社グループは、多様な人材が世界中から集い、高いモチベーションで持てる能力を最大限発揮しグローバルに活躍できる企業集団を目指して、「人材」と「働き方」の多様性を高めると同時に、全グループ社員の仕事のやりがいと、貢献度の高い社員の満足度を向上させていくことで、当社グループの重要な経営フィロソフィーである「大家族主義」を進化させてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年以降財務体質を強化し、自己資本比率は約37%から50%超まで増加をしたものの、PBRは近年0.5倍程度の低水準で推移しています。その主たる要因は「ROEを安定的かつ十分に高めきれていないことにある」と認識し、中長期的(2035年まで)に目指したい姿として、売上・利益面での成長に加え、「ROE=安定的に10%以上」を重点目標に設定しました。株主還元策と併せて投資家の皆様の期待に応えてまいります。
<中長期的に目指したい姿(まとめ)>
売上高:750億円(規模より事業PF変革を重視)
営業利益率:10%以上(高付加価値事業に傾注)
ROE:10%以上(株主資本コストを安定的に上回る水準)
ROIC:8%以上(WACCを安定的に上回る水準)
DOE:3%以上(2~3年内に達成を目指す)
PBR:1倍以上(早期達成を目指す)
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