日神グループホールディングス
【東証プライム:8881】「不動産業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、信用を重んじ、有為の人材育成に努め、事業活動を通じて豊かな生活環境を創造し、社会に貢献することを共通理念としております。グループ各社が独自にかつ連携しながら、「住みやすさ」に加え、居住者の資産形成や投資家向けの安定的な投資対象の創出などの複合的な価値提供を行う「総合不動産・建設業」として、グループの発展を図ります。
(2)経営環境
当社グループの属する不動産・建設業界においては、地価や建設コストの高止まりに加え、建設業における時間外労働時間の上限規制による工期の長期化、慢性的な人手不足等厳しい経営環境が続いております。こうした中で当社グループは、売上高の拡大、収益力の向上、人材の確保及び育成を重要な課題と考えております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 不動産事業
不動産事業においては、コロナ後の首都圏への人口再流入が続く中、需要は底堅く推移しております。
新築マンション分譲事業においては、土地・建築費の高騰に加え、建設業における働き方改革による工期の伸長も課題となっております。こうした中でも、20年以上の実績をもつコンパクトマンションと資産運用に特化したワンルームマンションを主力商品として物件の販売価格を抑え、東京近郊(23区及び横浜、川崎、大宮等)を中心に売上の拡大を目指すとともに、コスト削減にも注力いたします。
不動産証券化事業においては、引き続き私募REIT向けを中心に賃貸用不動産の開発を推進するとともに、グループ各社の連携、大手上場投資法人との協業を活かしつつ、物件収集力・取得力・運用力を向上させます。また、日神不動産においてウエアハウジング機能を強化することにより収益の安定化を図ります。
人材の確保及び育成については、人的資本投資を拡大し、新卒社員の教育・研修を強化するとともに、資格取得の支援や手当の拡充により人材の確保を図ります。
② 建設事業
多田建設株式会社は、マンション建設に強みを持つ建設会社であります。
建設事業においては、受注環境は安定しているものの、建設費の高騰、労働時間規制による工期の長期化、技術者の人材不足が課題となっております。
近畿圏に加えて九州営業所・東北営業所での事業展開とともに、非住宅物件の受注を強化します。
建設資材の価格上昇に対しては、利益率の高い工事の選別受注を推進するとともに、集中購買並びに早期発注システムの推進、また部門分野ごと(電気、設備)のコスト検証を強化します。
人材の確保及び育成については、特に技術者の確保が重要であると認識しております。人的資本投資を拡大し、高卒生を積極的に採用する新たな採用方法(求人票デジタル共有システム)の導入にて人材確保を図るとともに、継続して新入社員の1年間の研修期間を設けることにより早期戦力化を図ります。
また、技術研修制度も充実させ、戦力の底上げを図りつつ、資格取得促進の支援策も強化拡充します。
③ 不動産管理事業
賃貸管理・建物管理については、以下の取り組みにより業務効率改善を進めております。
・AIによる自動文字起こし及び要約の作成により管理組合の議事録作成の工程削減
・ワークフローシステムによるペーパーレス化の推進
・居住者からの申請業務をホームページ内からのフォーム申請に変更
・電子契約による印紙税削減や事務作業、保管業務の効率化
これらにより生産性を向上させ、現場視察や居住者とのコミュニケーションに多くの時間を費やし、管理移転の防止を図ってまいります。
外部OEM(マンション開発)、投資用アパート開発事業については、土地や資材高騰のあおりを受けておりますが概ね順調に推移しております。
マンション開発事業は、来期は5棟・約70億円の売り上げを見込んでおり、アパート事業は仕入・建設に集中し10~12棟の着工を目指します。
また、建設業の働き方改革による工期の伸長を勘案し販売計画については年替わりで策定いたします。
人材確保・育成の強化については、採用面では、中途採用について、長期的な募集広告の掲載や短期のスカウトを組み合わせ20名前後の採用実績を上げております。
また、資格手当の対象を従来の宅建士・管理業務主任者に加え、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士にも拡充しモチベーションアップを試みております。
人材確保には、採用のみならず離職の防止も重要な要素であります。
今後は各種勉強会による人材育成やワークライフバランスの充実した職場環境の整備が重要となってくると考えております。
また、当社は、株主の皆様に対する利益の還元を会社運営における重要課題の一つとして認識しております。株主重視の方針に加え、今後の事業展開等を勘案し、内部留保にも意を用い、業績に応じた適正配当を行うとともに、長期的な安定配当を維持することを基本方針としており、配当性向は50%を目安としております。
今後、より一層の企業価値向上を実現すべく、資本コスト・資本収益性や株価を意識した経営を実践していく予定です。
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