日本精鉱
【東証スタンダード:5729】「非鉄金属」
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企業概要
将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは以下の基本理念と経営理念を事業運営の基本方針として今後も堅持してまいります。
基本理念
当社グループは、環境と安全そして成長を最重要課題と認識し、社会との共存を図り、より豊かで快適な生活環境を創るために必要な物づくりの一翼を担うことに誇りを持って、たゆむことなく挑み続けることを基本理念とします。
経営理念
1.お取引先様の立場に立ったサービスを提供します。
私たちは、お取引先様の信頼にお応えすることを絶えず念頭に置いて、その多様なご要望に、的確かつ迅速に対応いたします。
2.法令・規則を遵守します。
私たちは、法令・規則を遵守し、適時・適切な企業情報の開示を心がけ、公明正大で透明性の高い経営を推進することで、お取引先様や株主様の信用を得られるようにたゆむことなく努力いたします。
3.環境をたいせつにします。
私たちは、環境に配慮した企業活動を通じ、社会の発展に寄与すると共に、次の世代に豊かな地球環境を引き継ぐことを目指します。
4.魅力ある職場を創ります。
私たちは、グループ社員が安全で衛生的な労働環境のもと、いきいきと活動し、自らの能力と使命を存分に発揮することができる機会と職場を創ることを心がけます。
5.安定した収益を確保し、成長戦略を続けます。
私たちは、優れた品質とサービスを提供することで安定した収益を確保しつつ、常に高い目標に向かって成長を続けるように、全員で取り組みます。
(2)目標とする経営指標
前中期経営計画の振り返り
当社グループは、2022年4月より始動した3カ年の中期経営計画において、「グループ力を発揮し、持続可能な 事業の成長に向けて、チャレンジし続けるChallenge for Sustainable Growth」をスローガンとし、「グループ連 携の強化」、「収益力の改善」、「新たな価値を生み出す事業の創出」、「魅力ある会社づくり」という基本方針 のもと、企業価値の向上をめざし、取り組みを進めてまいりました。
アンチモン事業においては、中国当局によるアンチモン製品の輸出管理の実施、さらには対米輸出の原則禁止の 発表により、アンチモン地金の供給が不足し、需給の逼迫が続き、価格が高騰いたしました。当社は原料となるア ンチモン地金のグローバル調達を進めてきたことにより、安定調達に一定の目途を付けることができましたが、地 金供給元のさらなる多様化は今後の課題です。
金属粉末事業においては、子会社の日本アトマイズ加工㈱つくば工場において、工場棟の増築と鉄系合金粉の生産能力増強が完了しました。電子部品向けについては、日々多様化・高度化する市場環境や取引先ニーズに的確に 対応する製品開発が重要な課題となっております。
最終年度である2024年度の連結営業利益は、生産効率の改善や在庫の影響等により、35億98百万円と過去最高を記録し、連結ROEについては23%となりました。これにより、当初設定した経営指標の目標である連結営業利益 24億円以上、連結ROE10%以上を超過達成いたしました。
長期ビジョンと中期経営戦略
当社グループは、日本精鉱創立100周年となる2035年時点の「ありたい姿」を想定し、次の通り長期ビジョンを設定いたしました。
本長期ビジョンの実現に向けて、2025年度からの3カ年中期経営戦略を以下の通り策定し、企業価値の更なる向上をめざしてまいります。
<期間>
2025年4月~2028年3月
<テーマ>
第2の創生(創立100周年)に向けた基盤づくりのための挑戦と変革
<基本方針>
1.グループ連携の更なる強化
2.既存事業の競争力強化とグローバル展開への挑戦
3.最適な事業ポートフォリオの構築と新規事業の創出
4.人的資本の充実とESGへの取り組み
<目標とする経営指標>
同戦略の最終年度である2027年度において、連結営業利益(3年間平均)30億円以上、ROE(3年間平
均)10%以上と設定しております。
(3)経営環境と優先的に対処すべき課題
当連結会計年度における、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
世界の景気の先行きは、全体として緩やかな回復が続くと思われますが、通商政策などアメリカの政策動向による下振れリスク、ウクライナや中東の情勢など地政学リスクの高まり、物価上昇の継続、金融資本市場の変動の影響などにより、不透明な状況となっております。このような状況の中、当社グループは上記の中期経営戦略の基本方針のもと、次の施策を実施し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
アンチモン事業につきましては、安定生産と収益性の改善、高付加価値製品の販売と製品販売のグローバル化の推進により収益の拡大を図ります。中国当局の規制が続く原料アンチモン地金の調達については、供給元のさらなる多様化を進めます。生産プロセスのDX化、省人化などを加速することで原価低減を実行いたします。また、2025年4月より技術開発部を新設し、電池材料向け金属硫化物など、新製品の開発や高付加価値製品の製造技術の確立などを推進いたします。
金属粉末事業につきましては、つくば工場で増設した鉄系合金粉製造ラインの本格稼働を行うなど、電子部品向け金属粉末の生産と販売の拡大を進めます。サーキュラーエコノミーを実現するための金属粉末のリサイクル率向上と再生処理技術の確立や製造工程の改善による製品収率の向上などで、原価低減を促進します。また、MLCC・インダクタ向けに、より微細な粉末、アモルファス合金粉末、粉末の表面改質など、粉末の機能性を高めることや新たな機能性を付与する新製品の開発に取り組んでまいります。
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