企業兼大株主日本坩堝東証スタンダード:5355】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、高機能化する金属やガラスなどの高温溶解プロセス向けに、要求品質に適合したルツボなどの容器、定形および不定形耐火物、その設備・プロセスの研究開発を行っております。

 主な取引先である自動車及び関連産業、機械、重機に使用されるアルミニウムや鉄および電気・電子を中心とした銅合金などの鋳造市場、高炉・電炉などの鉄鋼市場、環境・リサイクル市場を対象とした製品の開発改良を行っております。日本国内だけではなく、中国、東南アジアおよび北米を中心に、それぞれの国の要求品質にあった製品を開発し輸出しております。また、技術供与によるロイヤリティーを確保するための技術開発も継続的に進めております。

 鋳造市場では、当社グループの代表的製品である黒鉛ルツボ「フェニックス」について、他社との差別化を図る材質改良を継続し、積極的に拡販を進めております。また、大型製品への対応、量産効率向上を目的に、成形装置である大型CIP(冷間等方圧プレス)に続いて大型焼成炉を新規導入しており、生産性、品質性能が大幅に向上しております。

 不定形耐火物では、環境にやさしい炉材の開発に注力し、将来の環境規制を先取りするなど時機を逸しない研究開発活動を行っております。断熱不定形材(パッチング材)「ライトテックス(LITETEX)」シリーズは、RCF規制(特定化学物質予防規則の一部)に抵触しない断熱不定形材として、多数のお客様よりご好評を頂き、順調に販売を伸ばしております。また、CO2削減、工期短縮、省力化につながる新製品群として、①易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)、②取鍋用不定形耐火物(VELOXシリーズ)を開発・製品化いたしました。これらの製品は、養生~乾燥~使用開始までの時間について、従来不定形耐火物対比1/3(VEシリーズ)、1/8(VELOXシリーズ)と、大幅な時短を実現しております。さらに、構造体にした際に割れ難く亀裂が進展し難い高靭性流し込み材「W2シリーズ」も開発・製品化を完了しており、逐次市場へ投入してまいります。

 自動車の電動化が進む中で、使用される電池や磁石、MLCC製造には高機能の定形ルツボをはじめとする定形耐火物や不定形耐火物が必要であり、こうした顧客ニーズに応えるべく、活性金属に抵抗性の高いカルシアルツボの開発に着手し、既に製品化(大型化)の目途が立っております。また、超高温用途としてジルコニアルツボ(ZIRCONIX)の用途別の改良を継続し、適用範囲も拡大しております。今後も一層の品質安定化、新規開発を進めてまいります。

 原子力発電所で発生した低放射性廃棄物処理を目的とした特殊ルツボ「キャニスタ」についても、引き続き品質のレベルアップに努めております。

 鉄鋼市場では、高炉から高温で溶解される銑鉄、スラグを受ける出銑樋およびその周辺で使用される製銑用不定形材およびレンガについて、要求の厳しい国内顧客にきめ細かく対応するとともに、徹底した品質管理と継続的な技術開発を行っております。こうして国内で培った最新技術と品質管理手法を、海外の技術供与先ならびに現地顧客へ紹介・提供し、ロイヤリティー収入に繋げております。

 工業炉市場では、炉内の酸化物発生を大幅に抑え、酸化物清掃作業の回数を削減できる新型溶解炉「Freedom (フリーダム)」を展開、新機能を付与するなどの改良を行い、特許申請とともに拡販を進めております。1年以上のメンテナンスフリーを実現するなど、これまでにない画期的な性能を有する工業炉であります。また、ルツボを使用したルツボ式連続溶解炉「MK炉」も、引き続き高い評価を頂いております。取鍋の分野でも、CO2削減効果や高い温度制御性という特徴を持つ取鍋電気加熱装置「エレマックス」をさらに改良し、ガス加熱方式に比べ格段の省エネ性を実現するとともに、作業現場の酷暑対策に貢献しております。この製品は、電気故の蓄熱特性も有しており、今後こうした特徴をさらに深く追求してまいります。

 環境・工事市場では、焼却炉・溶融炉向けに、技能経験が浅くとも施工が可能な不定形耐火物が改めて脚光を浴びていることから、従来製品の機能向上に向けた開発を積極的に進めております。また、築炉作業の工数低減に寄与できる炉材(易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)等)・工法の開発にも注力しております。

 研究開発活動については、製品開発部、鋳造技術部、鉄鋼技術部、工業炉技術部が連携し、高い顧客満足を得るための取組を進めております。今後はこれまで以上に産学連携の枠組みを充実させ、より研究環境の整った中で、将来を見据えた礎を構築して参ります。

 当連結会計年度の主な活動は次のとおりであります。

(1) 耐火物事業(鋳造事業、鉄鋼事業)

 ①省エネ、省メンテ性、省力化を加味した関連製品の開発改良、市場展開

  ・環境および高断熱不定形耐火物(製品名:LITETEX)シリーズ化

  ・易乾燥性流し込み材(VEシリーズ)

  ・取鍋用不定形耐火物(VELOXシリーズ)

  ・高靭性流し込み材(W2シリーズ)

  ・縦溝付き省エネルツボ(製品名:ゼブラックス)

 ②カルシアルツボ(チタン等活性金属用途)、

 ジルコニアルツボ(超高温用途、製品名:ZIRCONIX)

 ③黒鉛ルツボの性能向上と品質安定(製品名:フェニックス)

 ④浸漬型溶融金属保温チューブの高付加価値化(製品名:サーモチューブ、ゼブラサーモ)

 ⑤放射性廃棄物処理用高性能特殊ルツボの高品質化と安定生産の継続

  (製品名:キャニスタ)

 ⑥特殊耐熱性合金用、鋳鋼および新合金、高周波誘導炉ルツボの改良

  (製品名:ホワイトフェニックス、アルミナルツボ、ジルコニアルツボ、

 プリシェイプルツボ、ゲルキャストルツボなど)

 ⑦高炉用不定形耐火物の性能向上

 当連結会計年度における耐火物事業の研究開発費の金額は、167,911千円です。

(2) エンジニアリング事業(工業炉事業、環境・工事事業)

 ①軽作業、高歩留まり、省エネ型、酸化物抑制炉(製品名:Freedom(フリーダム))

 ②電気式取鍋加熱装置の開発改良(製品名:エレマックス)

 ③メンテナンス性能向上型、アルミニウム連続溶解兼保持炉の開発改良(製品名:NM炉)

 ④ルツボ式高性能アルミニウム連続溶解兼保持炉(製品名:メルキーパー)

 ⑤焼却炉用耐火物開発とエンジニアリング活動(ゴミ焼却炉、灰溶融炉等)

 ⑥直接通電式アルミニウム溶解兼保持ルツボ炉の開発(製品名:エレクリンキーパー)

 当連結会計年度におけるエンジニアリング事業の研究開発費の金額は、138,952千円です。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、306,863千円であります。

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