日本化学工業 【東証プライム:4092】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は130年以上という長きにわたり、大きな社会変動を乗り越えて良質な製品とより良いサービスを提供してきました。この伝統と実績を受け継ぎ、「人を大切に、技を大切に」を経営理念とし、如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行うことを経営の基本方針としております。
(2)中期経営計画
当社グループでは、中期経営計画(2022年度~2024年度)において「成長戦略の推進と成果の実現」を最重要課題とし、3つの重点施策に取り組んでおります。
①成長事業の拡大
成長事業分野の製品においては、デジタル化社会の実現に貢献する電子材料向け製品への積極的な投資を継続し、事業の更なる拡大に注力します。また、新価値領域のプラットフォームとして「快適性の向上」・「エネルギーマネジメント」・「健康(命)を守る」を掲げております。このプラットフォームの拡充を図りながら社会課題の解決に繋げてまいります。
②グローバル化の推進
東南アジアを中心とした新興国市場のニーズの掘り起こしや海外現地企業とのアライアンス等のあらゆる可能性の探求を行い、海外市場における事業機会の獲得を図ります。また、海外販売拠点の活動を更に進め、新市場の開拓や営業拡販を引き続き強化してまいります。
③経営基盤の強化
原材料調達において、地政学リスクや物流における課題にも対応できる強靭なサプライチェーンを構築いたします。また、工場のスマート化を推進し、品質改善・設備管理及び業務改善に努め、安定操業の実現とコスト競争力の強化を図ります。成長分野や海外展開、製品開発等に経営資源を重点配分するとともに、事業ポートフォリオの最適化を進めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2022~2024年度)の最終年度において売上高400億円、営業利益35億円を目標といたします。また、EBITDA75億円、ROE6.0%を重要経営指標に設定いたしました。
| 中期経営計画 最終年度(2024年度) | |
目標値 | 売上高 | 400億円 |
営業利益 | 35億円 | |
重要経営指標 | EBITDA(※) | 75億円 |
ROE | 6.0% |
(※)EBITDA=営業利益+減価償却費
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、社会経済活動が緩和され、緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く経営環境は、デジタル化の加速、新たな価値観の創出、ニーズの多様化等による需要拡大が見込まれるものの、原燃料価格の高騰や円安の進行等によるコスト上昇が継続する懸念もあり、より慎重な経営のかじ取りが求められます。
当社グループでは、『如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行う』を経営の基本方針に掲げ、「(2) 中期経営計画」で示しました重点施策に加え、以下に示すサステナブル経営の推進に取り組んでまいります。
(サステナブル経営の推進)
当社の経営に影響を及ぼす外部環境として、環境面では脱炭素社会の実現にむけた温室効果ガス削減、社会面では少子高齢化による労働人口減少や多様化するライフスタイル、ガバナンス面ではコンプライアンス、コーポレートガバナナンス等の強化等が挙げられます。このような外部環境の変化に配慮したサステナブル経営をより一層推進するためにサステナビリティ推進委員会を設置しました。サステナブル経営を行うにあたり、まず当社の事業活動における重要課題(マテリアリティ)の特定を行いました。具体的には、CSR・ESGに関する国際的なガイドラインや評価指標等から、当社の事業領域を考慮し、当社が取り組むべきマテリアリティの候補として55の項目を抽出しました。その中からステークホルダーと当社にとって重要度が高いと思われる課題について、サステナビリティ推進委員会において協議を行い、9つのマテリアリティを特定しました。これらのマテリアリティに対し、リスクに関しては回避や抑制を、機会に関しては企業価値の向上や新しいビジネスへと繋げる取り組みを行ってまいります。
当社のマテリアリティ
| マテリアリティ | リスク | 機会 | アプロ―チ |
環境 | 温室効果ガス排出量の削減 | ・地球温暖化に伴う各種規制強化による原料、製造コストの上昇 ・自然災害の激甚化に対応する設備投資の増加 | ・低炭素・脱炭素を実現する新製造技術の確立による製品価値の向上 ・脱炭素社会への積極的な対応姿勢による企業価値やレピュテーションの向上 | 温室効果ガス排出量を把握するとともに再生エネルギーの活用、エネルギーの効率的利用等による温室効果ガス排出量削減に取り組む |
環境保全 | ・環境負荷物資削減の停滞や重大な環境事故の発生による企業価値やレピュテーションの毀損 | ・環境の分析評価や保全活動による企業価値やレピュテーションの向上 | 製造工程の改善・管理強化により環境負荷物質排出量の低減に取り組む | |
社会 | 働きがいの向上 | ・働きがいの低下が組織力の低下に繋がる | ・働きがいの向上により組織力を向上させる | 多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の構築を進める |
健康経営、労働安全衛生の推進 | ・従業員の健康を確保できず、組織力の低下に繋がる | ・従業員の健康確保により組織力を向上させる | 社員とその家族の安全・健康を第一に考えた対応を積極的に進める | |
地域社会への貢献 | ・地域社会との関りが希薄になり、事業活動の継続ができなくなる | ・地域社会と良好な関係を構築し事業活動を安定させ、企業価値を向上させる | 地域社会への貢献活動を通じ、長期的で良好な関係を構築する | |
ガバナンス | コーポレートガバナンスの強化 | ・社会的信頼度の低下 ・収益性の低下 ・投資採算性の悪化 ・資金コストの増大 | ・コーポレートガバナンスの推進により社会的信頼度を向上させる ・コンプライアンスの徹底により社会的信頼度を向上させる ・重要な経営指標のさらなるモニタリングにより収益力が増し、企業価値向上につながる ・投資の将来性や健全性の確保 ・財務健全性に配慮した最適資金調達の検討と政策保有株式縮減等による資金の効率的運用 | 社会から信頼される企業として、ガバナンス体制の強化と適時適切な情報開示を実施する |
コンプライアンスの徹底 | 法令遵守の徹底および社員のコンプライアンス意識の向上に取組み、社会からの信頼と企業価値の保護に努める | |||
提供価値 | サプライチェーンマネージメント | ・地政学リスク、世界秩序の変化、資源ナショナリズム等による原料供給不安が起こる | ・安定供給による顧客信頼度の向上 ・計画的生産による原価低減 | サプライチェーン全体を通じた社会および環境課題への対応に取り組む |
価値を生み出す開発の推進 | ・次世代のニーズを見誤り、持続的売上確保が困難になる | ・次世代のニーズに応じた製品とソリューションの提案 ・技術プラットフォームの拡大による開発の多様化 | 環境に配慮し社会課題の解決に貢献する製品の開発を促進する |
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