企業兼大株主日本ペイントホールディングス東証プライム:4612】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において予測できる事情を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

(1)経営方針、経営戦略等

① 会社の経営の基本方針

 当社は、顧客、取引先、従業員、社会などへの責務を果たした上で残存する株主価値の最大化(MSV)を経営上の唯一のミッションとしております。

 例えば、下図の通り、P/L(損益計算書)項目をステークホルダーとの関係で対比させると、売上収益は顧客、製造・販売費は取引先、人件費は従業員、金利は金融機関、税金は政府にそれぞれ対応します。MSVにおいては、まず全てのステークホルダーに対するそれぞれの責務を充足することが大前提となります。なお、「責務の充足」には法的な契約だけでなく、社会的、倫理的責務も含まれており、サステナビリティの概念も包含されています。そして、各ステークホルダーへの責務を果たした上で残存する価値を最大化し、株主に報いることがMSVです。各ステークホルダーへの責務は上限がありますが、残存する株主価値には上限がありません。

② 経営モデル「アセット・アセンブラー」

「アセット・アセンブラー」モデルは、オーガニック、インオーガニックの両方にわたる「持続的なEPSの積み上げ(Sustainable EPS Compounding)」を目指すものです。

 マクロ経済の先行きは今後も不透明であるとの前提に立ち、グローバルに今なお存在するローリスク・グッドリターンであるアセットを積み上げていきます。また、日本円が持つ低金利の優位性のみならず、日本企業が買収側に立つことへの信頼感なども含めた「日本の優位性」をM&Aでは生かしていきます。

 このようなオーガニック、インオーガニックの両方にわたってEPSを安全に、安定的に積み上げる「アセット・アセンブラー」モデルに対して、資本市場からの理解・評価を獲得していくことによって、PERの向上へとつなげ、MSVの実現を目指します。そして、買収したアセットのポテンシャルを最大限に引き出すことで、オーガニックでも成長を加速し、それがまた新たなアセットを呼び込むという好循環を作り出すことで、株主価値のアップサイドを無限に追求していきます。

・アセット・アセンブラー https://www.nipponpaint-holdings.com/about/asset_assembler/

③ 経営体制「自律・分散型経営」

 アセット・アセンブラーを構成する重要な要素である「自律・分散型経営」は、優秀なタレントやブランドの集合体をもたらす当社の強みの一つです。塗料市場には「地産地消」という特徴があるため、持株会社である当社が中央集権的にグループ全体を統制するよりも、各地域の市場特性を深く理解し、MSVを熟知しているパートナー会社のマネジメントが、グループ間で有機的な連携・協働を進め、自律的(Autonomous)に成長していく経営体制を志向しています。

 単独でも強いものが、グループ内のブランドやノウハウ・技術を共有することで想定以上のシナジーが期待できます。それは決して欧米型の標準化やコスト・カット・シナジーではありませんが、ローカル色の強い業界にあって各社の強みを最大限生かせる経営体制であり、だからこそ当社グループへの参画を希望する会社も増加すると見込んでいます。

④ 中長期的な会社の経営戦略・財務目標

 当社は2024年4月、「アセット・アセンブラー」モデルの優位性を改めて見直し、オーガニックとインオーガニックにわたる「持続的なEPSの積み上げ(Sustainable EPS Compounding)」に焦点を当てた「中期経営方針」を発表しました。オーガニックには2023年の事業ポートフォリオを前提とした中期連結CAGRとして売上収益で8~9%の成長、EPSで10~12%の成長を目指していく一方、インオーガニックには安全かつ継続的にEPSを積み上げるM&Aを志向し、併せてその積み上げ能力や実績に対する資本市場からの信認を獲得することによって「PERの拡大」につなげることで、長期視点でMSVの実現を目指します。

 当社グループの中期経営方針の詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。

・中期経営方針 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/management_plan/

⑤ 主要な地域・事業における中長期的な取り組み

 上記中期経営方針の達成に向けて、各地域・事業にて成長戦略を推進しています。主要な地域・事業の取り組みや業績は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。

・統合報告書 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/annual_report/

・説明会資料・動画 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/materials/

(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 経営環境

 グローバルの塗料市場は成長産業であり、過去の傾向から判断しても、人口の増加につれて塗料の需要も着実な増加が見込まれます。また、一般的な化学産業のように市況の大きな変動はなく、安定した成長が見込まれるという特徴があります。

 世界人口は、国際連合の発表によれば今後60年間で82億人から103億人への増加が見込まれます。特に、アフリカやインド、米国、アジア地域が成長のけん引役となる見通しです。

 なお、足元の状況としては、建築用市場は先進国や中国を中心に前期並みの推移を見通すとともに、中国を除くアジア各国においては塗り替え需要の拡大などによる成長が見込まれており、人口増加や都市化率の高まりなどを背景に今後も塗料市場は堅調な成長を遂げるものと予想しております。

・グローバル市況データ https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/results/market/

② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を通じてMSVを達成するため、以下の課題に取り組んでまいります。

(a)積極的なM&Aの継続

「アセット・アセンブラー」モデルのもと、当社が現在、塗料・周辺分野でM&Aを推進しているのは、リスク・リターンの優位性が高い市場であるためです。

 塗料市場の過半を占める建築用市場は地産地消のビジネスであり、原材料の調達や消費者の嗜好、販売ネットワーク、環境規制に至るまで、国や市場ごとにビジネスモデルが大きく異なります。また、塗料は代替製品の脅威が低いことに加え、特に建築用塗料においては地域特性が強いことから、①強いブランド力、②充実した流通網、③現地に精通したオペレーションの確立などが成功の鍵となります。したがって、これらをベースに市場シェアNo.1を獲得すれば、競合他社による逆転は容易ではなく、No.1の会社は市場シェアを更に伸ばして収益を享受できるなど、好循環サイクルを生み出すことが可能です。

「アセット・アセンブラー」モデルにおける当社グループのM&Aにおいては、①業態や地域にとらわれずリスクの低い安定収益事業でMSVに資すること、②強いブランド・優秀な経営陣を擁すること、③初年度からEPSへのプラス貢献が見込まれ、適切なリスク・リターンが得られることを重視しています。2014年以降に当社が買収した主要パートナー会社のパフォーマンスは、高成長国・成熟国のどちらの市場でも高い成長を遂げています。

 今後もM&A案件の成功実績(トラックレコード)を数多く積み上げることで、M&A対象企業に対して、当社グループ傘下に入ることのメリットを幅広く伝えていく一方、株式市場に対しても、当社が今後も継続的に高いEPS成長が可能な企業であるという期待値を醸成していきます。

 なお、当社グループのM&Aの詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。

・M&A https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/ma-strategy/

(b)サステナビリティへの取り組み

 本社主導ではなく、サステナビリティとビジネスとの結び付きをよりいっそう強化する自律的なチームを構成しております。代表執行役共同社長の直下に、マテリアリティをベースとした5つのグローバルチーム「環境&安全」「人とコミュニティ」「イノベーション」「ガバナンス」「調達」を構成し、5人のビジネスリーダーが中心となりながら、グローバルで取り組みを進めています。

 サステナビリティに関するガバナンスの観点では、各リーダーは代表執行役共同社長に向けてダイレクトにレポートし、代表執行役共同社長はその進捗や提案を取締役会に随時報告することで、取締役会がサステナビリティを監督しています。

 なお、当社グループのサステナビリティの詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。

・サステナビリティ https://www.nipponpaint-holdings.com/sustainability/

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