企業技術承継機構東証:319A】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、中小製造業の譲受及び譲受企業の経営支援に取り組んでいます。各社の技術・技能が失われることを防ぎ、次世代に繋ぐことをミッションとしております。

(2) 会社の経営戦略

 ビジネスモデルの概要(事業の特徴)

 中小企業の事業承継は日本における社会課題であり、当社は国内事業承継M&Aという成長市場におけるユニークな企業であります。当社が製造業の譲受に特化している理由としては、日本の製造業は世界中で高く評価されており、グローバルに勝負ができる業種であること、国内の製造業には優良企業が数多くあること、他業種に比してM&A市場における買い手候補が少ないと考えていること、といった点が挙げられます。また当社は自社を製造業における連続買収企業(Serial Acquirer)と位置付けており、米国Danaher(ダナハー)社や英国Halma(ハルマ)社、スウェーデンIndutrade(インデュトレード)社を参考にしております。過度の統合に拘らず、個社の自主独立性を尊重する一方で管理・改善はしっかり行う体制を敷いています。

 当社の最大の特徴はM&A遂行能力にあり、経験豊富なチームと徹底した仕組化・マニュアル化により連続的なM&Aの追求を可能とする案件ソーシング能力とエグゼキューション能力を保持しています。当社はM&Aの各ステップで強みを有しており、市場環境の追い風を受けて連続的なM&Aに取り組むための体制を有しております。より具体的には、①合計350社超のアドバイザーから創業から2024年12月までの期間で1,717件の紹介を受け、その中から高収益企業のみをスクリーニングするソーシング能力、②製造業に特化することにより深化した知見と、所属メンバーやグループ会社の業界ネットワークを通じた情報収集に基づく適切な投資判断、③個社の自主独立を重んじ、売却を行わない独自のポジショニングやオーナーの社長続投希望に沿った解決策を提案する柔軟性等により価格以外でも売主に訴求し、結果として適切な水準の企業価値/EBITDA倍率での譲受の実現を狙う交渉力、④金融機関との強固な信頼関係に基づき固定低金利・長期・原則財務コベナンツなしといった好条件を目指す資金調達、といった点が挙げられます。これらの強みにより当社は本書提出日現在までに10社の譲受を完了しております。

 創業から2024年12月までの期間に当社に持ち込まれたM&A案件の数は累計1,717件であり、2024年においては単年で約400件が持ち込まれております。案件ソーシングについてはM&Aアドバイザー、銀行、証券会社等から紹介を受けるだけでなく、当社及び技術承継機構グループ各社でのソーシング活動も推進しています。当社は製造業にフォーカスすることにより、数ある案件の中から蓄積した知見に基づく、適切な投資先選定及び投資判断を行うことが可能になっております。当社は、各社の独立性を維持しながらも、長期にわたる持続的な成長を後押しする事業承継の受け皿として独自の立ち位置を確立していると考えております。これにより、一定期間経過後の売却を前提とする買収ファンド(PEファンド)や従属する親子関係の発生及び組織の統合が必要となる場合が多い一般的な事業会社とはソーシング段階で明確に差別化できております。また、バリューアップノウハウのグループ内での展開やグループ会社間のベスト・プラクティスの共有が容易に可能である点も、売主候補の皆様に好印象を持って頂く一因となっております。この点につき、買収ファンド(PEファンド)においては幅広い業種に投資するため製造業の知見は限定的であることから、当社の差別化ができているほか、事業会社においては同業種・隣接業種であれば経営支援可能であるが、主語は親会社であることが多いことから、同様に当社は差別化できております。これらの結果として、相対での案件組成ができており、仮に他の買い手候補と競合した場合においても価格以外の点を訴求することで譲受先として選んで頂いております。譲受の際は適切な水準の企業価値/EBITDA倍率での譲受を行うことを常に意識しています。

 エグゼキューションにおいては、初期的リサーチ、スケジュール設定、譲渡オーナーとのトップ面談、ビジネスデューデリジェンス、バリュエーション、株式譲渡契約交渉、銀行からの資金調達を自社で遂行する能力を備えております。意向表明書においては、規律の利いた水準の企業価値/EBITDA倍率に基づいたバリュエーションを記載するほか、オーナーに一緒になった時のイメージを持って頂くべく、譲受した後の具体的な取組についても記載するなどの工夫を行っております。法務・会計税務デューデリジェンスについては外部専門家に委託してリスク調査をしており、デューデリジェンスで検出された内容については譲受価格又は契約書によりカバーしております。クロージングのタイミングについてもオーナーの要望に基づき柔軟に対応しているほか、外部からの新社長の招聘が必要な場合には、クロージング前にサーチを開始することも可能であり、円滑な承継の実現に向けて尽力しております。

 加えて、個人に頼ることなく誰でも当該業務を遂行できるよう、マニュアル化と情報共有を常に進めております。このような仕組化の徹底により、M&Aの各プロセスを少人数で効率的に実行することが可能になっております。

 当社が譲受する会社については、既存グループ企業とビジネス上の繋がりが直接的にあるか否かという点に拘っておりません。グループ全体として安定してキャッシュ・フローを積み上げるため、リスクが高い赤字の再生案件に取り組まず、売上高対比でEBITDAマージンの高い、収益力のある企業を適切なバリュエーション、(企業価値/EBITDA倍率)で譲受することを常に意識しており第一に考えています。そのためには、業績改善実績とレピュテーションが非常に大切であり、実績と評判の積み上げに注力しています。

 また譲受する際は譲受企業の既存銀行からの借入による資金調達を重視しており、地方銀行を中心とした金融機関との信頼関係構築に努めております。当社は収益性に優れた譲受会社の選定、M&Aエグゼキューション・バリューアップ能力に優れたチーム、積み重ねてきた実績に基づく信頼、製造業の技術を承継するという社会的意義といった独自の強みと立ち位置を金融機関に対して訴求し、当社が案件ごとに組成する譲受のための特別目的会社にて長期の返済期間、固定低金利、原則財務コベナンツなしという好条件を目指して資金調達の条件交渉を行っております。連結でのレバレッジ水準としては、純有利子負債/調整後EBITDA3~4倍を適切な水準と考えておりますが、この指標を意識しながら、今後も資本効率が高いストラクチャーで連続的にM&Aを継続する想定です。(なお、ここでいう純有利子負債、調整後EBITDAはそれぞれ以下の定義によります。純有利子負債=長短借入金+長短社債+長短リース債務-現金及び現金同等物-長期預金-投資有価証券、調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+取得関連費用)

 一方で上場後は、上記の投資規律を遵守する前提のもと、適切な機会があればよりEBITDA規模の大きな会社を譲受することも検討しており、そのためにも市場から資金を調達し、更なる成長を目指したいと考えております。

 譲受する会社の選定に当たって既存グループ企業とビジネス上の直接的な繋がりの有無を必ずしも考慮しない点は上記のとおりですが、その結果として、グループ全体として顧客の最終市場は幅広い業界に分散しております。現時点の各グループ企業の概要は以下のとおりですが、既に製造業の中で幅広い分野への分散が進んでおり、特定の業界の浮き沈みに影響を受けにくい構成となっております。

名称

譲受日

主要な事業の内容

主な顧客の業界

株式会社豊島製作所

マテリアルズシステム事業部

2019/11/29

薄膜材料の開発・製造

超伝導、電池、研究機関

株式会社豊島製作所

部品事業部

2019/11/29

冷間鍛造

自動車部品

TOSHIMA(THAILAND)CO., LTD.

2019/11/29

冷間鍛造

スピーカー、発電機

株式会社東洋マーク

2020/12/10

樹脂プリント、樹脂加工

アミューズメント、交通、住宅

FAシンカテクノロジー株式会社

2021/2/10

自動はんだ付装置等の開発製造

FA機器、通信

エムエスシー製造株式会社

2021/6/30

シート材・コイル材切断機の製造販売

プレス機械等各種装置

株式会社篠原製作所

2021/9/6

高機能フィルム・金属箔・紙等の加工機・巻取機の設計・製造

光学フィルム、セパレーターフィルム

京和精工株式会社

2022/7/5

各種産業機器・機械の部品の製作加工

産業機器

株式会社キンポーメルテック

2023/4/13

精密板金加工、金属箔加工

工作機器、電車車両等

株式会社エアロクラフトジャパン

2023/6/29

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製品の設計・製造

レーシング(二輪・四輪)等

株式会社天鳥

2023/8/1

各種産業機器・機械の部品の製作加工

電気電子・半導体

株式会社ティオック

2024/1/31

工事用保安機器の製造

工事施工業者

 譲受企業の企業価値向上については、NGTG(注) Growth Program(NGP)の推進による譲受企業の売上と利益のオーガニックな成長(既存事業の拡大や効率化による内的成長)を追求しています。NGPは、米国Danaher社のDanaher Business System(DBS)をモデルにバリューアップ手法を仕組化した140項目以上に及ぶ当社独自のマニュアルであり、譲受先の成功例・失敗例を基に週次でアップデートしております。これにより、担当者が誰であってもEBITDAマージンの向上、企業価値向上に向けた施策の実行が可能となり、効率的かつ効果的な成長支援ができるようになっております。NGPを通じたグループ内でのベスト・プラクティス共有に注力しております。月次社長会、社長大学、設計・切削勉強会などの機能別技術交流、現場相互訪問、グループ合同新卒研修といった譲受企業の役職員が集まる機会を設け、営業から従業員教育まで各分野において、各社で学び合うこと、協力し合うこと、相互に高めあう関係になることを推進しています。グループ内企業同士での顧客紹介や仕入先情報共有、機械の販売、倉庫の空きスペース貸し出し、グループ内機械商社の活用なども行っております。

 また、グループでのシナジー追求の一環として、NGPを通じたグループ内でのベスト・プラクティス共有に注力しております。社長がオンラインで集まって悩み相談を行う月次社長会、次期社長が経営を学ぶ合宿形式の社長大学、設計者が3DCADの使い方を学ぶ設計勉強会、金属部品切削加工勉強会などの機能別技術交流、現場の相互訪問、グループ合同新卒研修といった譲受企業の役職員が集まる機会を設けています。営業から従業員教育まで各分野において、各社で学び合うこと、協力し合うこと、相互に高めあう関係になることを推進しています。グループ内企業同士での顧客紹介や仕入先情報共有、機械の販売、倉庫の空きスペース貸し出し、グループ内機械商社の活用なども行っております。

NGPの具体的な内容については以下のとおりです。

NGPとは当社が譲受企業において提供可能な様々な成長支援施策パッケージであり、既存譲受企業において効果のあった改善の取組等をリスト化したものです。当該リストは、各譲受企業における試行錯誤を通じて、常により効果のある内容へ週次で定期的に更新しています。譲受以降を3つの期間に分けて、それぞれの期間に適した施策を譲受会社の経営陣と相談しながら、譲受企業の状況に応じて導入しています。

 当社は譲受企業の売却が必要な買収ファンド(PEファンド)と違い、超長期目線での会社支援を行っております。一方でスピード感を持って各種の施策を実行していくことが肝要と考えております。

(注)NGTG 当社の英訳名であるNext Generation Technology Group Inc.の略称

 第1ステップ(譲受~半年後):上場企業に必要な管理体制の強化及び、現状把握&現行事業の足腰強化

・全社員との面談により会社の現状把握を最優先しつつも、現状把握と同時進行で打てる施策についても順次導入

・チャットツール、ビデオ会議等のITシステム導入による業務効率化促進

・必要に応じて組織体制の見直し等を実行

・事業計画の策定

 第2ステップ(半年後~二年後):第1ステップで把握した状況を踏まえて策定した事業計画の実行

・管理体制がきちんと機能しているかのモニタリング

・自社の改善を通じた収益力の強化

・会社の強みと課題に応じた、営業強化、製造現場改善、研究開発促進、人材採用強化等の幅広い成長支援メニューを会社の状況に合わせて実行

 第3ステップ(三年目以降):安定的な成長と更なる取組

・海外進出、他社との連携を含む会社の拡大

・NGTGのM&Aアドバイザーとのつながりを活用し、周辺領域におけるM&A対象企業の探索及び提案を推進

 上記の各ステップにおいては多方面から各社のニーズに合致する支援を提供しております。具体的には、①営業における新規顧客獲得のための営業戦略立案やウェブサイト刷新やウェブマーケティング、②開発・製造における製造コストの削減やオペレーション最適化、整理整頓はじめ5Sの徹底、③人事における採用強化、頑張った人が報われる効果的な人事制度策定、従業員教育プログラムの拡充、④経営管理における必要に応じた組織再編、意思決定プロセスの変更、予算や設備投資計画の策定、経営数値の管理強化、⑤ITにおける各種SaaSなど業務効率用ITツールの低コストでの導入、自社の生産管理システムやAIを用いた画像検査装置、IoTを用いた現場管理システムなどの開発・導入などが挙げられます。

 当社は譲受会社のバリューアップを通じたオーガニック成長と、新規譲受を通じたM&A による利益成長の両輪で、今後も連続買収企業として中長期にわたる成長を目指しております。①新規M&Aによる利益取り込み、②バリューアップによる収益性改善、③安定した利益確保という一連の流れを連続的に行うことで、当社事業規模は時間の経過とともに多層的に積み重なり、増大していくと考えております。

(3) 経営環境

 高齢化により後継者不足に直面する企業は依然として数多く存在し(中小企業庁の「中小企業白書(2024年版)」による)、事業承継は大きな問題となっておりますが、買収ファンド(PEファンド)への忌避感は未だ多くある状況で、適切な解決策が十分にあるとは言えません。売り手候補のニーズに応える解決策を提供することさえできれば、需給ギャップを捉えることで好条件での譲受を連続的に実現できる環境にあります。日本の中小企業336万社(注1)のうち、黒字の中小製造業は12万社(注2)存在しており、製造業に特化する連続買収企業としての当社の譲受先候補のプールは十分大きいと考えられます。

 また、長年にわたり日本の貸出利率は他国に比して極めて低水準で推移しております(財務省の「国債金利情報」及びFederal Reserve Bank of St. Louisの「Market Yield on U.S. Treasury Securities 」における過去の金利推移の比較による)。さらに、地方では優良な貸出先が少ないため、調達する側に有利な条件を許容しやすい環境です。M&Aの連続的な実現に当たっては資金調達が必要になりますが、現在の日本においては良好な調達環境が存在すると考えられます。

 さらに、当社がフォーカスする製造業においては、ものづくりが日本の基幹産業であることもあいまって、技術力が優れた高収益の優良企業が数多く存在しております(経済産業省の「企業活動基本調査(2023年)」において、製造業内で営業利益率7~9%の業種が複数存在することによる)。製造業だからこそ海外への販路拡大可能性も十分に秘めており、日本発グローバル企業が生まれる可能性があるセクターだと考えております。

 以上から当社の事業領域においては、日本発の連続買収企業である当社に強い追い風が吹いており、また日本発の強みを最大限発揮できる条件が揃っていると考えております。

(注1) 中小企業白書(2024年版)(中小企業庁)より。中小企業数は2021年時点、中小企業の範囲は中小企業基本法において中小企業又は小規模企業として扱われる企業の定義による。

(注2) 令和4年度分会社標本調査結果(国税庁)において、製造業かつ黒字企業の割合である37%を中小製造業数34万社(2022年度時点)に乗ずることで試算

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社のミッションの実現及び持続的な成長と企業価値向上を表す指標として、それぞれ下記の算式で計算される調整後EBITDA及び調整後当期純利益を経営上重要な指標(KPI)として位置付けております。

(注)1.調整後EBITDAの概要及び計算式は下記のとおりであります。

   (概要)EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)に取得関連費用を足し戻した数値

取得関連費用はM&Aのアドバイザーに支払った手数料であり、新規のM&A実行に際して発生した一時的な費用であるため、当該一時的費用による利益のぶれを取り除き定常的なキャッシュ・フローを表示するための指標として調整後EBITDAを用いております。

当社は、取得関連費用については連結決算では費用計上されるものの単体決算では取得原価に含まれ、かつ、税務上損金算入されない概念上の費用とみなしております。また、当社では企業を譲受する際の株式価値算定においても取得関連費用を控除して計算しており、キャッシュ・フローの観点においても当該費用は譲受する株式価値に織り込まれているものと考えております。

   (計算式)営業利益+減価償却費+のれん償却費+取得関連費用

  2.調整後当期純利益の概要及び計算式は下記のとおりであります。

   (概要)親会社株主に帰属する当期純利益からのれん償却費、負ののれん発生益、のれんに係る減損損失及び取得関連費用の影響を除いた数値

会計上の差異を控除した、株主に帰属する利益を表す指標として調整後当期純利益を用いております。

   (計算式)親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却費-負ののれん発生益+のれん減損損失+取得関連費用

 連結KPIの推移

① 調整後EBITDA                                    (単位:百万円)

 

2023年12月

2024年12月

期間

(自 2023年1月1日

2023年12月31日

(自 2024年1月1日

2024年12月31日

営業利益

879

1,517

+のれん償却費

45

71

+減価償却費

540

542

EBITDA

1,463

2,129

+取得関連費用

232

26

調整後EBITDA

1,696

2,155

② 調整後当期純利益                                 (単位:百万円)

 

2023年12月

2024年12月

期間

(自 2023年1月1日

2023年12月31日

(自 2024年1月1日

2024年12月31日

親会社株主に帰属する当期純利益

1,613

901

+のれん償却費

45

71

+のれん減損損失

151

▲負ののれん発生益

1,069

107

+取得関連費用

232

26

調整後当期純利益

820

1,042

2024年12月期においては、譲受会社の増加等に伴い営業利益が増加したことにより調整後EBITDAは2,155百万円(前年同期比27.1%増)、調整後当期純利益は1,042百万円(同27.1%増)となりました。

(5) 会社の対処すべき課題

 当社グループでは、経営戦略を推進するために、主に次のような課題を認識し取り組んでおります。

① M&A体制の強化

 課題:M&A新規案件パイプラインの拡充

 対応策:当社グループの成長には、連続的なM&Aの実行が必須となることから、M&A新規案件パイプラインを常に拡充していくことが求められます。M&A仲介会社や銀行・証券会社といった金融機関を中心とした案件紹介ルートを開拓し、関係深化を引き続き追求していきます。当社の譲受企業を売却しない方針、個社の独立性を維持しつつも必要な支援は行う体制、既存の譲受企業のバリューアップ実績、をM&Aアドバイザーにご理解いただくことで、更なる案件紹介が見込めると考えております。

 必要に応じて、M&A遂行能力の維持・強化を目的としたソーシング及びエグゼキューションの人員補強も進めてまいります。

② バリューアップ施策の充実

 課題:既存譲受企業のEBITDA向上
対応策:譲受企業のEBITDA向上のために、支援プログラムであるNGTG Growth Program(NGP)を通じたバリューアップを常に行っております。ウェブサイト更新を通じた新規顧客開拓、外注仕事の内製化による利益率改善、仕入先の見直しによる経費削減、教育制度拡充による従業員の能力底上げ等、様々な取組を行っています。今後もNGPの充実を図り、個社のEBITDA向上に努めていきます。加えて、グループ内でのベストプラクティスの共有に注力し、譲受企業の役職員同士の交流機会を促進してまいります。

③ 譲受企業の人材採用強化

 課題:譲受企業における人手不足
対応策:譲受企業の企業価値向上のためには、譲受企業における経営人材から管理系人材、技術者、製造人員に至る様々な職種の人材確保が必要になることから、採用力を強化する様々な施策に取り組んでまいります。

 具体的には、ウェブサイトで仕事や製品や社員の紹介を行うことで求職者に魅力を感じてもらうことを重視しております。加えて、電子媒体やハローワークや高校大学を含め、あらゆる採用経路に求人を出すことで、応募数を増やすことに取り組んでいます。

④ 内部統制の充実

 課題:譲受企業の管理強化
対応策:上場企業グループとして、企業経営の透明性と開示情報の正確性の確保、各種法規制の遵守が非常に大切であると考えております。不正が起きない体制を構築し、安定した企業グループ運営のため、内部統制システムの整備・充実を継続的に推進し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。具体的には、人為ミスが起きないように紙ではなくITを活用すること、規定やマニュアルの素早い整備、といった施策を行っています。

⑤ 財務上の課題

 課題:財務基盤の更なる強化

 対応策:当社グループは、多くの金融機関から借入及びリースを行っておりますが、営業活動による安定的なキャッシュ・フローを源泉として強固な財務基盤を築いているため、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はございません。しかしながら、今後当社の成長戦略であるM&Aを実施した際、一時的に有利子負債が増加する可能性があるため、営業活動による安定したキャッシュ・フローの確保に加え、金融機関との一層の関係強化や資金調達の多様化により、財務体質の更なる強化に努めてまいります。

より抜粋
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