手間いらず 【東証スタンダード:2477】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の経営の基本方針といたしましては、「世界中のモノやコトとの連携で人々の手間を無くし、それによって創出されるたくさんの出会いや時間などが、社会を豊かにしていくことを目指す」を経営理念に、広く有用な存在であり続け、社会と共存する企業であることとしております。
(2)目標とする経営指標
当社は、経営規模に関する指標として売上高、収益性に関する指標として売上高営業利益率を特に重視しております。売上高増大のためには営業力、製品力の強化が欠かせません。そのためにかかる人件費及び開発費用の投下バランスを考慮し、売上高営業利益率の急激な変化がないように見定めながら投資を行ってまいります。
売上高の成長とともにお客様に高付加価値の製品を提供し高い売上高営業利益率を確保することが、株主価値を向上できるものと考えております。
(3)経営戦略の現状と見通し
現在の世界経済は、多くの国や地域において長期に渡り続いた新型コロナウイルス感染症の拡大による影響も緩和され、経済活動も活発化してきております。国を跨いだ移動においても、日本への訪日外客数は増加しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大以前に訪日外客数の約3割を占めていた中国では、新型コロナウイルス感染症の再拡大が危惧されており、経済成長の見通しも鈍化しております。さらにはエネルギー価格の高騰、物価の上昇など景気の下押しリスクも台頭し、世界経済の先行きは不透明な状況が継続しております。
当社の主力事業であるアプリケーションサービス事業と関連性が高い宿泊旅行業界においては、3年ぶりの行動制限のない長期休暇に加え、2022年10月11日から、日本への入国制限緩和と政府による「全国旅行支援」が開始され、また、2023年5月8日から、新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行され水際対策の措置が終了されるなど、宿泊需要の回復が見られました。国内の人流および訪日の増加により、足許の宿泊需要は大きく回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大前と比較し、ビジネスにおける宿泊利用の回復が鈍く、小規模施設も含めた宿泊施設の新設計画も一定水準に留まっております。これらの様々な要因を踏まえ、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで訪日外客数が回復するのは、早くても2025年春以降になると見ております。
宿泊旅行業界において宿泊需要が回復している中、宿泊施設では人手不足の解消や業務効率化が喫緊の課題となっております。その様な状況下において、予約サイトの一元管理ができ、様々な販売チャネルや管理システムと連携をしているサイトコントローラーは必要不可欠な存在となっております。今後も、宿泊施設の売上および利益拡大を図るため、業務効率化・利便性向上に繋がるシステムや販売チャネルとの連携および新機能の開発などの施策を行い選ばれる製品にすること、そして全社一体となってお客様をサポートしていくことで、TEMAIRAZUの更なる普及に努めていきます。
インターネットメディア事業では、比較サイト『比較.com』において、検索エンジンの最適化、ユーザーインターフェイスの改善、モバイルユーザビリティの向上等の対策を継続して行うと共に、コンテンツの充実やカテゴリの追加等により幅広く有意義な情報提供を行い、更に多くの人に利用されるサービスにしていく事で売上高の増加を図っていきます。
間接部門においても、経営管理、営業管理、教育体制の整備、リスク管理を行うための費用の増加を見込んでおります。
なお、翌事業年度において、宿泊業界の回復需要に対応するための組織体制強化を目的とした人的資源への投資およびシステム投資を引き続き行なっていくことを見込んでおります。一層の営業体制の強化および開発力・製品力の強化等を行い売上高の成長・利益確保に努めます。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社が対処すべき課題として認識している点は以下のとおりであります。
① サービスレベルの向上
当社の競争力を強化し、より多くの宿泊施設やインターネットユーザーを獲得するためには、サービスの品質を総合的に高め、充実させることが必要不可欠であると考えております。今後は新規サービスの開発や機能追加も進め、より多くの宿泊施設及びインターネットユーザーのニーズに応えられるサービス作りを目指してまいります。
② 営業力の強化
当社は小規模組織であることから営業部門も少数精鋭の体制で運営しております。営業部門は、蓄積されたノウハウを活かした提案により営業活動を推進しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により落ち込んでいた宿泊需要に回復の兆しが見えてきたことを背景に、受注の獲得機会が増加することが予想され、営業力の強化、営業人員の早期育成が必要であると考えております。
具体的には、教育研修制度の充実、営業ツールやマニュアル等の整備、営業活動に集中できるようにサポート部門の充実、また、既存営業人員の育成と同時に、即戦力となる営業人員の採用を行い、営業力の強化を図ってまいります。
③ 優秀な人材の確保及び育成
当社が展開しているビジネスは、従業員一人一人がユーザーの視点でニーズを感じ取り、企画し、ビジネスへと昇華することのできる知識と経験、ビジネスセンスが求められております。すなわち、個人の感性や経験等が事業展開の確実性、スピード、サービス内容の質に影響を及ぼすため、優秀な人材を確保することが経営の重要な課題と認識しております。そこで、優秀な人材にとって魅力ある企業となるため、労働基準法等の関連法令に従った労務管理の実施はもとより、公正な評価基準及び成果に連動した給与体系の構築や教育研修の充実に力を入れてまいります。採用においては、ビジネス経験を重視した中途採用に重点をおきつつも、将来的に会社を担う人物を発掘するために新卒採用も積極的に実施し、人員体制の拡充を図ってまいります。
④ 組織体制の整備
当社は、高成長を維持し、継続的に企業価値を拡大していくために、事業の規模に見合った経営管理体制の充実が不可欠であると認識しております。そのため適時必要な組織改編を行い、優秀な人材の確保とバランスの取れた組織体制の整備に配慮してまいります。
⑤ 内部統制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、企業価値を継続的に高めていくために不可欠な経営統治機能と位置づけており、コーポレート・ガバナンス体制の強化及び充実に努めております。その一環として、当社は2021年9月17日、監査等委員会設置会社へ移行し、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員である取締役を取締役会の構成員とすることで、取締役に対する監視・チェック機能を強化し、コンプライアンス及びリスク管理の徹底を図ることで、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に取り組んでおります。
また、当社はいかなる場合においても反社会的勢力及びその関係者とは取引や交際をせず、金銭その他の経済的利益を提供しないこと、また、反社会的勢力に対しては組織的に対応することとしております。
社内体制としましては、反社会的勢力による不当要求が発生した場合の対応を統括する部署が、反社会的勢力に関する情報を一元管理し、反社会的勢力との関係を遮断するための組織的取組みを行うとともに、警察庁・都道府県警察本部等との連携等を行うこととしております。反社会的勢力からの不当な要求に対しては、対応を統括する部署が上記機関に相談し対応することとしております。
⑥ 新型コロナウイルス感染症拡大に対する取り組み
新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行されるなど、国内の状況は落ち着き始めております。当社では、感染再拡大のリスクも考慮し、お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に、時差通勤や在宅勤務、オンラインを活用した営業活動を取り入れハイブリッドな組織運営を継続しております。今後も、慎重に状況を見極めながら感染症予防対策を講じた組織運営を行ってまいります。
⑦ ITシステムのリスクと対策
当社のビジネスはITシステムを基盤として収益を生み出しており、当社のビジネスの根幹をなしているとも言えます。それゆえに外部からのサイバー攻撃、個人情報等の情報漏洩や人的・物的要因によるシステム障害のリスクが高いと認識しております。そのため、アプリケーションサービスの顧客である宿泊施設やインターネットユーザーに安心安全に利用してもらうためには従業員一人一人への高い情報リテラシーの植え付けやシステムの開発・保守・運用を担っている開発部員の技術力の向上、セキュリティ対策などによりリスク対策の強化が重要であると考えています。引き続き人的要因によるセキュリティリスクを防ぐ対策を取っていくとともに、完璧なシステムはないという事を念頭に置いて災害によるシステム障害や外部からのサイバー攻撃等の突発的な事象にも対応していける更なる対策を行ってまいります。
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