川田テクノロジーズ 【東証プライム:3443】「金属製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「安心で快適な生活環境の創造」の経営理念に基づき、安全で高い品質の社会インフラ、サービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、誠実・公正で透明性のある企業活動と社員一人ひとりの高い倫理観に基づいた行動を通じて、あらゆるステークホルダーから信頼され続ける企業となるべく努力してまいります。さらに、安定的な受注と利益を確保し、市場競争力の維持・強化に努め、新しい成長領域の構築に向けた投資を推進しながら、企業価値の向上を目指してまいります。
(2)経営環境
セグメント | 経 営 環 境 |
鉄 構 | (橋梁事業) ○市況 ・新設鋼製橋梁の発注量は、長期的には緩やかな減少傾向を見込むも、暫定2車線で開通している高速道路の4車線化や関西方面での大型案件などがあり、当面は堅調な事業環境を想定 ・大規模更新・大規模修繕については高速道路会社を中心に発注量は増加傾向 ○競合他社との差別化 ・橋梁に関する技術と経験ある人材を多く保有し、長大橋や複合橋梁の実績が豊富 ・グループ内に業界トップクラスのプレストレスト・コンクリート橋梁会社を有していること (鉄骨事業) ○市況 ・首都圏においては大型再開発プロジェクトが再始動し、発注量の増加が見込まれており良好な事業環境 ・西日本地区においても大阪・関西万博と大阪IR関連施設や九州における都市再開発と半導体工場建設など堅調な事業環境 ○競合他社との差別化 ・超高層建築物の柱材として使用される極厚4面ボックスの製作 ・工場製作から現場施工(建方含む)までの一括請負 ・他社製作鉄骨の現場施工(建方含む)を含めた現場総合マネジメント力 |
土 木 | ○市況 ・新設プレストレスト・コンクリート橋梁の発注量は減少傾向 ・高速道路会社による大規模更新・大規模修繕の発注は高水準を維持 〇競合他社との差別化 ・長年の首都高速道路における保全工事を通じて蓄積してきた各種保全技術ノウハウ ・グループ内に業界トップクラスの鋼製橋梁会社を有していること |
建 築 | ○市況 ・建設技能労働者不足や建設資材高騰などにより在来工法からのシフトでシステム建築の需要が拡大 ・ネット通販等の拡大による大型物流施設の需要が旺盛 ・冷蔵・冷凍施設、再生可能エネルギー関連施設をはじめ働きやすく災害に強い持続可能施設(環境性能)、非常用電源設備付き施設の需要も高い ○競合他社との差別化 ・鉄のエキスパートとして企画・提案から設計・施工・アフターメンテナンスまでONE STOPサービス |
セグメント | 経 営 環 境 |
ソリューション | (ソフトウエア関連事業) ○市況 ・防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策などにより建設コンサルタント市場は伸長 ・国土交通省が推進するBIM/CIMが進展し、建設業におけるDX化に対する投資が伸長 ○競合他社との差別化 ・建設業BIM/CIMに対応した土木関連ソフトウエアの創出と提供 ・建設DX推進に対応したシステムインテグレーションサービスの展開 (ロボット関連事業) ○市況 ・電気電子産業界をはじめ業種を問わず生産・製造における自動化ニーズは高まりつつあり、人手不足、生産性向上等のための対策として、協働ロボットの導入ニーズは増加傾向 ○競合他社との差別化 ・双腕とビジョン、コントローラ、ソフトウエアが一つのパッケージになったオールインワンタイプの人のパートナーとなりうるヒト型協働ロボット |
(3)会社の優先的に対処すべき課題
当社グループは、『グループの総合力で進化を遂げ最強企業集団になる』の実現に向けて、2023年5月に第3次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定・公表いたしました。
中期経営計画の主な内容は、以下のとおりであります。
テーマ | KAWADA VISIONの実現を目指し、レジリエント企業に変貌する |
方針 | ①基幹事業の持続的成長 |
②成長事業の拡大・創出 | |
③サステナビリティ経営の推進 | |
④資本効率経営への転換 | |
主な数値目標 | ①売上高(3か年累計※) 3,910億円 ②営業利益(3か年累計※) 186億円 ③当期純利益(3か年累計※) 156億円 ④自己資本当期純利益率ROE(最終年度) 8.0%以上 ※当社グループは複数年に亘る建設工事を行っており、工事の進捗や設計変更の獲得状況などにより年度の数値が変動するため |
中期経営計画の達成のため、各セグメント別課題を設定し、取り組んでまいります。
セグメント | 対処すべき課題 |
鉄 構 | (橋梁事業) ・製作部門をはじめ、コスト競争力の更なる強化 ・土木・海洋構造物など新規分野への継続的な取り組みによる新たな収益源の開拓 ・DXによる生産性の向上(時間外労働削減)とGXによる地球環境対応 ・大規模更新工事を主とした保全工事への対応の促進 (鉄骨事業) ・超高層建築物における中堅ファブリケーターとの競合(コラム化への対応) ・鉄骨以外の工場製作物(制振壁等)への営業・生産体制の強化 ・地球環境を考慮した生産設備の構築 ・DXによる品質向上と省力化 |
土 木 | ・ICTを活用した技術開発やCIM/DXの活用による生産性向上(時間外労働削減) ・全国エリアごとに、新設、更新、保全工事を設計・施工できる体制の確立 ・グループ連携による床版取り替えを中心とした大規模更新案件への対応 |
建 築 | ・設計と見積/積算力の向上による営業力の強化と採算性の改善 ・新たな建築工法の習得 ・「システム建築」の差別化商材の開発 ・協力会社の拡充による販売体制及び施工体制の整備 |
ソリューション | (ソフトウエア関連事業) ・既存事業の実績拡大と生産性向上による成長 ・DXに対応したシステムインテグレーションサービスの展開強化 (ロボット関連事業) ・販売代理店との連携の強化による拡販体制の確立 ・APIソフトウエアを活用した新市場の開拓 ・事業複線化に向けた体制構築 |
各セグメントが展開する事業戦略と一体化した持続可能な社会の実現への取り組みの推進 |
また、上記の各セグメントの課題への取り組みとともに、持分法適用会社との事業シナジーの拡充にも従来以上に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、各セグメント及びその他事業を通じて、「安全は全てに優先される」という強い認識のもと、事故などの根絶に向けた不断の努力を継続してまいります。また、2024年4月からの建設業や運送業における時間外労働の上限規制の適用に向け、法令遵守のもとで、適正かつ生産性の高い事業運営を目指してまいります。
このような取り組みの中から生み出される社会インフラ、サービスについては、高い品質とともに提供していけるよう取り組んでまいる所存です。
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