企業岡谷電機産業東証スタンダード:6926】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「誠意」を社是とし、「ファイネストカンパニー(美しき良き会社)」、「ファイネストワーク(美しき良き仕事)」を経営理念としております。コア事業であるEMC(*)対策で蓄積してきた技術力・ノウハウを更に高め、デバイス単体での価値提供に留まらず、「ノイズ・サージ対策のパートナー」としての地位の確立に向け、さらなる成長を目指してまいります。

(*)EMC:Electro Magnetic Compatibility 電磁両立性を表し、電磁ノイズとも総称されます。

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(当社事業を取り巻く環境)

 アジアメーカーの技術力向上にともなう競争が激化するなか、新たな販売領域の確保と既存品の競争力強化、安定的な商品供給等、様々な対応が求められています。また、中国における不動産市場の低迷等を背景にした景気減速の長期化や地政学リスク、為替の急激な変動、米国新政権発足後の関税措置等の動向等、先行き不透明な状況が継続しています。また、電子部品業界につきましては、空調機器向けにおいて緩やかながらも受注回復の兆しがみられる一方、在庫調整が長期化している産業機器市場の回復は遅れており厳しい状況が続いています。

 このような事業環境下、当社は、多様化するニーズに応える技術基盤の強化、生産能力並びに生産性の向上、コスト構造改革の推進、製品価格の改定等の取組みにより、多様な分野における様々な用途での販売実績を積み上げ、競争力向上と収益基盤の強化に取組んでまいります。

(各セグメントの課題対応)

 コンデンサ製品事業においては、顧客の使用環境の多様化により、耐高温・高湿製品のさらなるラインナップ拡充が求められています。これを実現することで、従来納入が困難であった業界・分野へ進出する足がかりとし、販路拡大、売上増に努めてまいります。また、高周波対応コンデンサの開発にあたっては、ユーザーと実証実験を開発部門にて進めております。この他、国際規格の改版に伴う製品性能の高度化が求められているため、社内検証を進めております。

 ノイズ・サージ対策製品事業においては、機器のデジタル化・高周波化・高速伝送化に伴い電子機器の高機能化が進むなか、電子回路の安定性を確保するノイズ対策技術の高度化要求が強くなっています。基幹技術に加え、従来それぞれの部門において蓄積してきたノイズフィルタ技術、サージプロテクト技術をさらに高めていくとともに、コンデンサ製品事業とのシナジーを高めた一体的な製品戦略並びに提案力を強化していきます。また、新たな国際規格に適応した製品開発も進めながら、「ノイズ・サージ対策のパートナー」としての地位の確立に努めてまいります。

 表示・照明製品事業においては、特定顧客を納入対象とするカスタム品が主軸であり、さらなる拡大のため、独自技術の開発や新たな業界・分野における顧客獲得の必要があります。

 センサ製品事業においては、産業機器向けエンコーダ用や時計指針補正用といった特定分野の製品において高い評価をいただいておりますが、今後はより販路を充実させ、ユーザーの拡大を図る必要があります。

(技術・品質・生産の組織能力の強化)

 当社は顧客からの信頼こそがOKAYAブランドそのものであると認識し、これをより一層高めるべく、技術・品質・生産全体のレベルアップを推進しております。

 当社が成長市場と位置付け注力している産業機器、空調機器、車載関連等の分野では、顧客からの要求事項や安全性に関する国際規格の高度化が顕著であり、これらに適切に対応してまいります。また、当社は多品種にわたる製品の安定供給を実現しながら余剰在庫の発生を回避するため、受注生産方式を採用しておりますが、急激な受注量の変動に対応できるよう、生産工程のより一層の自動化等の生産性向上を加速してまいります。さらに、組織体制の変更や専門人材の集約、受注から納品までを一元管理する基幹システムの刷新に向けた取組みも行っております。また、一部の生産設備についてはIoT化による生産状況のリアルタイム把握やトレーサビリティ向上を図る試みを実施しております。

 新規ビジネス機会の創出や新技術の開発については、技術本部内の開発部署や社長直下の部署にて取組んでおり、多様な部署が協力し合うことでの相乗効果を得られるように進めております。

(生産部門を中心とする緊急時への対応力の強化)

 当社は従前より、緊急事態発生時の初動対応や優先的に実施する諸施策等について、グループ全体でのBCP(事業継続計画)運用に取組んでおります。災害に起因する影響の他、半導体や電子部品の調達困難等、より深刻化・多様化するリスクへの対応として、主力製品の代替生産体制の整備や生産・調達体制の見直し等、BCPの実効性向上に取組んでおります。

(サステナビリティ・CSRへの取組み)

 社会から信頼される成熟した企業を目指し、グループ全体でサステナビリティ・CSRへの取組みを強化してまいります。サステナビリティに関する取組みは、リスクの低減・収益機会に繋がる重要な課題と認識し、営業・購買・生産等の様々な領域で、社会・環境への長期的な配慮を実現した事業活動に取組んでまいります。CSRに関する取組みは、岡谷グループ人権方針を制定し、コンプライアンス体制の強化を図っております。

(社会環境・構造の変化への対応)

 原材料価格の変動やエネルギー価格の上昇に加え、中国の景気減速の長期化や不安定な為替市場等の事象に対し、業務の仕組みやインフラの見直しを図っております。今後も社会の変化に柔軟に対応し、社員の働き方や顧客サービス提供のあり方を見直していく必要があります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2022年4月よりスタートした第11次中期経営計画のもと、基本方針である「コア事業であるEMC対策を軸とした事業の持続的成長」に向けて、「当社の強みを活かした既存事業の強化」「安定的収益基盤の確立に向けた事業ポートフォリオの再構築」「成長分野での堅固な基盤となる製品群の拡充」等の基本戦略を推進してまいりました。

 第11次中期経営計画最終年度となる2024年度の目標とする経営指標は、連結売上高140億円、営業利益3億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億10百万円としておりましたが、まことに遺憾ながら達成には至りませんでした。足元の厳しい業績並びに事業環境の変化を踏まえ、2025年度を構造改革徹底の1年と位置付け、第12次中期経営計画のスタートを2026年4月といたしました。国内外の工場において推進中の生産性向上を企図した生産ラインの再編、コアとなる2つの事業セグメントであるコンデンサ製品、ノイズ・サージ対策製品での新製品供給を着実に進めること等により、成長分野での安定的な収益基盤を再構築してまいります。また、サプライチェーンの見直しや多岐にわたる原価改善等、コスト構造改革を加速していきます。

 なお、2025年度の目標とする経営指標は、連結売上高120億円、営業利益1億40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億25百万円としております。

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