企業兼大株主山陽特殊製鋼東証プライム:5481】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。なお、以下の記述のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在における当社グループの判断に基づくものであります。

 当社グループは、再生資源である鉄スクラップを原料とした特殊鋼製造で資源循環型社会の一翼を担うとともに、信頼性の高い特殊鋼製品を社会の様々な分野に提供することで産業・経済の発展に貢献しております。また、特殊鋼マーケットのグローバル化に先駆けて対応し、現在では、日本、欧州、インドに特殊鋼の一貫製造拠点を構え、グローバルな特殊鋼需要を捕捉できる体制を整えております。

 カーボンニュートラル(以下、CN)をはじめとする大きな社会・産業の変化においても、信頼性の高い当社の特殊鋼製品は社会の発展を支える重要な素材として、世界中でそのニーズはさらに高まっております。こうしたなか、当社グループは、事業基盤の強化と時代の先を見据えた技術の革新に挑み、需要家のニーズに応えることで「高信頼性鋼の山陽」ブランドの信頼をさらに積み上げていくとともに、“社会からの信頼”、“お客様からの信頼”、“人と人との信頼”の確立を目指す経営理念「信頼の経営」の実践を通じて、経済的価値と社会的価値の創出を図り、持続可能な社会の実現に貢献し続けてまいります。

(1) 気候変動

 当社グループは、気候変動が人類の存続に影響を与える重要な課題であるとの認識のもと、2021年4月に「2050年CNの実現を目指す」方針を取締役会で決議し、同年7月に、その実現に向けたロードマップを策定・公表いたしました。また、同年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」提言への賛同を表明し、それ以降、株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーとの良好なコミュニケーションがとれるように、TCFDのフレームワークに基づき、情報開示(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)を進めております。

   ①ガバナンス

2050年CNの実現に向けた基本戦略やその推進に係る短期・長期テーマの審議等を行うため、代表取締役社長を委員長とする「CN推進委員会」を年4回開催しております。そこでは、これまで2050年CNの実現に向けたロードマップやTCFD提言に基づく気候変動情報開示の対応等を審議し、議論の主要な内容について取締役会で審議・報告いたしております。

   ②気候変動防止への取組み

CO2排出削減への取組みとして、製造工程における省エネとグリーンエネルギーの活用およびエコプロダクト・エコソリューションによる貢献で、自社の製造工程だけでなく、社会のあらゆる段階でのCO2排出削減を目指しております。

・エコプロセス(製造工程でのCO2排出削減)の推進

 当社は、気候変動防止への取組みとして、温室効果ガス(GHG)の一つであるCO2排出量削減に取り組んでおります。2021年度のエネルギー起源CO2排出量は2013年度比13万t減の71万tとなりました。加熱炉のリジェネバーナー化や大型モーターのインバーター化、工場照明のLED化等のエコプロセスを推進しており、今後も更なるエコプロセスの推進、グリーンエネルギーの活用等、2050年CNの実現に向けた取組みを継続してまいります。

・エコプロダクトによるCO2排出削減貢献

 当社は、自社の製造工程におけるCO2排出削減だけでなく、需要家での部品製造や最終製品としての使用段階におけるCO2排出削減に貢献するエコプロダクトの開発に注力しております。CN社会の実現に向けて、風力発電などの再生可能エネルギーの導入拡大や、自動車のEV化進展等に伴う部品の小型・軽量化など、環境負荷低減につながる製品・技術へのニーズがさらに高まってくることが想定されます。当社は、強みである高清浄度鋼の製造技術を軸に、部品の長寿命化や部品製造工程の省略・簡略化等の材料特性をさらに強化したエコプロダクトの実装と一層の普及を図ることで、社会のあらゆる段階でのCO2排出削減とCN社会の実現に貢献してまいります。

・エコソリューションによるCO2排出削減貢献

 当社は、OvakoやSSMIなど海外で特殊鋼製品を製造するグループ会社に、電気炉での迅速溶解技術や、圧延工程における歩留り・生産性向上等、省エネやエネルギー原単位低減に資する当社技術を展開し、日本国内だけでなく、グローバルな製造拠点でのCO2排出削減を推進しております。

   ③想定されるリスクおよび当社の対応・戦略

 当社は、気候変動に関するリスクといたしまして、EV化進展に伴う自動車1台当たりの特殊鋼使用原単位の減少を想定しておりますが、その一方で、EV化進展による自動車部品等の小型化・軽量化ニーズに貢献する特性を持つ当社特殊鋼製品の需要増につながる機会とも考えております。当社といたしましては、強みである高清浄度鋼を軸に、社会・産業構造の変化に伴う新たな顧客要求や環境問題への的確な対応を行うとともに、需要家との連携強化によるサプライチェーン競争力の強化を図ってまいります。電力・蓄電池需要の増加等に伴う鉱物資源(合金鉄)の獲得競争激化というリスクに対しましては、合金鉄調達ソースの確保・拡大、調達サプライチェーン管理の更なる充実を図るとともに省希少資源高機能商品の開発・提供を推進してまいります。炭素税等のカーボンプライシングの導入に伴う電力や燃料等に対するコスト負担増懸念に対しましては、上述、エコプロセス(グリーンエネルギーの活用含む)、エコソリューションにより当社グループのCO2排出量削減を推進するほか、安価なカーボンフリー電力等の調達推進および鋼材の低(脱)炭素化価値やそのために必要なコストについて需要家の理解を得て販売価格に反映し適正マージンを確保するなどの取組みを進めてまいります。鉄鋼生産が電炉法へシフトすることによるグローバルでの上級スクラップ獲得競争激化懸念に対しましては、鉄スクラップ調達ソースの確保・拡大および原料配合最適化等の施策を実施してまいります。

 また、気象災害の多発、激甚化による生産設備への影響懸念等に対しましては、損害保険の加入やグループCMS活用による復旧資金調達策を講じるとともに防災管理の充実や自然災害対策を含むBCM(事業継続マネジメント)の継続的な改善を進めてまいります。

   ④指標及び目標

当社は、気候変動に関する取組みを管理するための指標として、CO2排出量(Scope1、2)を指標と定め、中長期的なCO2排出量削減目標を設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。

項目

基準年

基準年実績

目標年

目標値

CO2排出量

(Scope1、2)

2013年度

 

84万t

 

2030年度

2013年度比50%以上削減(42万t未満)

2050年度

CN(実質ゼロ)

 また、上記の外数として、エコプロダクトおよびエコソリューションの取組みによって、2030年度において2013年度のCO2排出量の約2割の削減貢献を目指してまいります。

(2) 人的資本(人材の多様性の確保を含む)

   ①戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針)

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

(イ)人材育成方針

 当社グループでは、「人を育て、人を活かす」を基本方針に、きめ細やかな教育・研修制度を整備しております。解決すべき課題を自ら設定し解決する能力といった主体性とチャレンジ精神を持つ「自律考動型」の人材の育成に向け、日常業務を通じた教育に加え勤続年数・役職に応じた階層別研修や、女性活躍推進に向けた教育ならびに社内の意識改革を実施しております。また、社員の視野拡大や結束力強化を図るべく、顧客工場の見学や各種外部研修への派遣等を通じて外部と交流する機会を提供するとともに、他職場との意見交換会や社員同士による職場見学会などを通じて相互コミュニケーションの活性化に取り組んでおります。そのほか、資格・免許を取得した場合の報奨金制度や多岐にわたる通信教育など、自己啓発のための支援制度や各種研修も実施しております。加えて、事業環境のグローバル化に伴い、国際舞台で活躍できる人材の育成を加速しており、総合職新入社員を対象とした海外語学研修や、選抜型の短期語学留学等によりグローバル志向の醸成を図るとともに、海外グループ会社との技術連携や人材の相互派遣等を通じた国際交流やイノベーションの促進、育成モデルに基づいた海外グループ会社への赴任や海外留学を実施しております。

 人事考課制度においては、従業員一人ひとりが能力を積み上げ、入社から定年を迎えるまで能力をフルに発揮し、「誇り」と「やりがい」をもって活躍することを下支えしながら、課題に果敢にチャレンジし成果を出した人材に報いるものとし、人材面の総合力を高めております。結果としての成果はもちろんのこと、それ以上に「高い目標を掲げ、その達成に向けて果敢に挑戦したか」あるいは「目標達成のためのプロセスを確実に実行したか」に重点を置いて評価し、社員の主体性とチャレンジ精神を育んでおります。加えて、「部下・後輩の育成・マネジメント」や「働きやすい職場づくり」を評価項目とし、人材育成の重要性を社内に示すとともに従業員のエンゲージメント向上にも努めております。さらに、スキルアップのテーマや課題を明確にするための上司との対話や、人事担当者による長期的な視点でのキャリア面談等を通じて、社員一人ひとりの自己実現を支援しております。

(ロ)社内環境整備方針

 中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人による共創であります。当社グループでは専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティに積極的に取り組むことが必要となると考えております。また、社員がワーク・ライフ・バランスを実現し、一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりや、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境、時間や場所にとらわれない働き方ができる環境の整備に努めております。具体的には以下の環境を整備しております。

 (女性活躍の推進)

 当社は、女性社員比率を25%に引き上げることを目標に掲げ、女性社員の計画的な採用や職域の拡大により活躍できる職場を増やすとともに、育児休業、短時間勤務など、ライフイベント期の負担を軽減し、女性が継続して働くことができる支援制度を導入しております。また、社外研修等を通じた女性社員自身の意識づけや、活躍しやすい組織風土作りを推進しております。

 (シニア世代の活躍推進)

 当社は、2021年4月から定年年齢を満60歳から満65歳に引き上げました。あわせて、65歳到達者の雇用延長制度として「シニアパートナー制度」を設けております。65歳到達時に業務遂行や技術・技能伝承の観点から必要とされた社員を「シニアパートナー」として雇用延長しております。

 当社グループでは、技術・技能伝承や後進育成を推進する環境を一層充実し、モノづくり力の維持向上による競争力強化を図っております。

 (障害者の安定雇用)

 誰もがいきいきと働ける社会の実現に向け、当社および国内グループ会社では障害者雇用を推進しております。ハローワークや特別支援学校などと連携した採用活動を進めるとともに、障害者の就労を支援するため、障害者職業生活相談員が中心となってハード・ソフト両面の環境改善にも継続的に取り組んでおります。また、入社後に障害者認定を受けた社員についても、業務内容・時間の配慮を行い、働き続けるための支援を行っております。

 (ワーク・ライフ・バランスの推進)

 フレックスタイム制や短時間勤務制度、在宅勤務制度の導入による働き方の多様化への柔軟な対応をはじめ、毎週水曜日の「ノー残業デー」、残業時間削減に向けた生産性向上のほか、有給休暇取得率向上にも取り組んでおります。また、連続有給休暇やリフレッシュ休暇の取得を促進し、産休・育休・介護休業など法定水準を上回る制度を設けるとともに、これらの休暇が取得しやすい職場環境・風土を作ることで、社員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスの実現を支援しております。

 (健康経営の推進)

 社員の安全と健康が事業活動の大前提であり、経営上の重要課題であるとの認識のもと、2021年8月に「山陽特殊製鋼 健康経営宣言」を策定し、代表取締役社長を最高健康責任者とする健康経営体制を整備いたしました。運動習慣の定着を支援するウォーキングイベントなど社員の生活習慣改善やメンタルヘルス不調の未然防止に向けた取組みを推進し、2023年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度において、健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されました。今後も健康経営を一層推進し、社員一人ひとりが毎日充実して働くことのできる職場環境づくりに取り組んでまいります。

   ②指標及び目標

 当社グループでは、上記「①戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標および実績は、提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績
(2022年4月1日から
 2023年3月31日まで)

管理職に占める女性社員の割合

2023年3月までに1ポイント増加
(2020年4月比)

5.3%(1.4ポイント増加)
(2020年4月比)

配偶者が出産した男性社員の育児休業取得率

2023年3月までに7%以上

74%

女性社員の育児休業取得率

2023年3月までに80%以上

100%

年次有給休暇取得率

2023年3月までに70%以上

83.6%

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