企業山喜東証スタンダード:3598】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、創業以来「最大の企業たらんより最良の企業たれ」を社是とし、常に豊かな感性と大胆な発想によって時代の変化に対応した様々なシャツファッションを提案し、生活文化の向上に貢献することを基本理念としております。

 また、「株主・顧客・社員・取引先から信頼される企業」を行動指針とし、収益の向上とともに共存共栄を図ってまいります。

(2)中長期的なグループ経営戦略

2023年度からスタートした「新中期3ヵ年経営計画」に掲げた基本方針を着実に実行することで、売上および収益の拡大に取り組んでおります。

① オリジナルブランドの構築

 百貨店チャネルのドレスシャツ売場におきましては、継続して実施している「CHOYA」ブランドの一社化・ショップ化と、共同運営店舗の幹事化推進の営業政策により当連結会計年度末の既製ドレスシャツのシェアは76%、同じくオーダーシャツのシェアは79%と、前連結会計年度末から既製ドレスシャツは1ポイント、オーダーシャツは3ポイントアップとシェア率を伸ばしております。既製ドレスシャツにつきましては、地域特性・店舗特性に適応した新たなスタイルと価格のバリエーションを提案強化しており、「CHOYA」ブランドの超形態安定シャツ・スリムフィットに加え、2024年9月より新たに展開しました前身頃と後身頃のサイズバランスをアレンジした「クリーンフィット」も好調な動きをキープしております。加えて「CHOYAレディース」を展開することで、更なるFAN獲得につなげております。

 オーダーシャツにつきましては、ライセンスブランドの絞り込みに伴い、「CHOYA」ブランドの品揃えを充実させるなど、店頭フェイスの拡大を図ることで、お客様への認知度をアップさせております。また、2024年10月から展開しております「CHOYA SHIRT FACTORY アポロコット」のサイズオーダーシャツは、展開店舗の拡大に加えて自社ECサイトでも取り扱いを開始しております。更にオリジナルブランドの拡充を図ることで、売上高・粗利益の拡大および粗利率の向上に努めてまいります。

 量販店チャネルの消費者直販型事業である「SHIRT HOUSE」は、量販店ドレスシャツ売場で当社商品によるコーナー展開をしているコンセ店舗です。この「SHIRT HOUSE」におきましては、当連結会計年度末の店舗数は、出退店による増減の結果、前連結会計年度末からは1店舗増の120店舗となり、今後も出店を積極的に進めてまいります。2025年の春物におきましては、ノーアイロンシャツに対する需要は更に高まっており、トリコットニットシャツや超形態安定加工の布帛素材を使用したT/Cスパーノが好調に推移した結果、売上高・粗利益につきましては、前連結会計年度を上回る実績となりました。

 商品政策の中心として進めておりますオリジナルブランドの再構築につきましては、「SHIRT HOUSE」はコンセ店舗のショップ名と位置づけし、展開ブランドを「SWAN」ブランドに切り替えております。2024年夏物から本格的に展開をスタートし、ビジネスカジュアルアイテムの拡充や、デザイン面での差別化に取り組んでおります。2024年秋物は、オフィスカジュアルテイストのSWANグリーンレーベルに加え、クラシックテイストのSWANホワイトレーベル、遊び心のあるデザインを取り入れたSWANブルーレーベル、モノトーンをベースにしたモード感覚のSWANブラックレーベル等のラインナップを揃えた事で、売上高は前連結会計年度を上回る結果で推移しました。今後も既存店舗の売上拡大と新規出店を図り、引き続き、シェアアップにチャレンジしてまいります。

② BtoCの強化による収益アップ

 消費者直販型事業(BtoC)のネット販売におきましては、自社サイト「山喜オンラインショップ」の会員数が、前連結会計年度末の33,144名から当連結会計年度末では、40,122名へと増加し、顧客基盤の拡大が進んでおります。加えて、3月に実施した『春の大感謝祭』の施策も奏功しました。今後は、自社チャネルの更なる強化を図るべく、広告配信やSNSを活用した「顧客接点」の拡充による集客力の向上および需要に即したコンテンツ制作や、操作性・視認性を高めるUI(ユーザーインターフェース)の改善などによる「顧客体験」の向上に取り組み、収益性の改善と持続的な売上成長を目指してまいります。

 百貨店チャネルの既製ドレスシャツ・オーダーシャツ売場の消費者直販型事業におきましては、昨今の原価高騰の影響等もあり、粗利率は前連結会計年度比で0.2ポイントダウンしましたが、店頭フェイスの拡大、取引形態の消化売上移行による条件改定、小売価格のアップ等により、収益は堅調に推移しております。引き続き、都心大型百貨店を中心に、販売体制の強化によるシェアアップを図り、当社一社化による「CHOYA SHIRT SHOP」、洋品メーカー連合型の当社直営店である「STYLE WORKS」の新規出店、および共同運営店舗での代表会社としての幹事を積極的に行い、収益拡大に努めてまいります。

 量販店チャネルの消費者直販型事業である「SHIRT HOUSE」におきましては、小売価格の見直し、コーディネイト販売の強化、店頭販売員へのスキルアップ研修の実施により売上・収益面ともに堅調に推移しております。引き続き、店舗数の拡大および既存店舗のフェイス拡大を図り、1店舗あたりの運営効率を向上させることで、売上と収益の最大化を目指してまいります。

③ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大

 ドレスシャツにおきましては、前期から継続して実施している納品価格交渉の成果と、為替予約方法の見直しにより粗利率は改善できたものの、原価高の影響と受注不足により売上高・粗利益につきましては、前連結会計年度を割り込む結果となりました。2025年夏物に向けては、吸湿・吸熱冷感機能を備えたキシリトール・ドットコーティング加工素材「ひやっとクール」シャツや、日傘のようなUVカット・熱遮断効果を持つ「ヒートガード」シャツなど、新たな商品展開を開始しております。今後も引き続き、新商品の提案を強化し、受注拡大に努めてまいります。

 カジュアルにおきましては、2025年春物商戦は、天候の影響もあり、売上高・粗利益は前連結会計年度を下回る実績となりました。今後は、ビズポロを中心としたオフィスカジュアルアイテムのトータル展開により、受注拡大を図ってまいります。

 レディースにおきましては、リアル店舗で販売している商品をECサイトでも販売する販促連動型商品については、引き続き好調を維持しておりますが、全体的には受注不足の影響もあり、売上高・粗利益は、前連結会計年度を下回る実績となりました。今後の商品政策といたしましては、合繊ソフトブラウスやTブラウスの企画提案を強化し、「着回し易い」「映える」「機能性を謳える」のポイントを押さえたブラウスを、素材から縫製までを短サイクル生産することによりOEM・ODMビジネスで取引をしている得意先のEC業態に向けた提案を行い、受注強化を図ってまいります。

 ユニフォーム関連におきましては、イージーケア性に優れたトリコット素材を使用した制服やスクールシャツが好調なことから、新商品の提案を強化することで、売上の拡大を図ってまいります。

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 国内アパレル業界をめぐる環境は、原材料価格の高騰や物価高の長期化により消費者の節約志向が更に強まる中、衣料品の買い控えが顕著に見られるなど、依然として厳しい経営環境が続いております。

 国内小売市場は、オムニチャネル化の進展、デジタルマーケティングの拡大、消費者ニーズの多様化に加え、サステナビリティへの取り組みや、SDGsなど、環境配慮に対する考え方は、ますます重要になっております。

 また、世界的なエネルギー資源の高騰や、日米金利差等による円安ドル高の影響により、原副材料価格の上昇や、生産拠点における製造原価の高騰などが予想されます。また、国内におきましては労働需給の逼迫による人件費、物流費などの上昇により販売・流通コストはさらに上昇傾向にあります。加えて、世界的なエネルギー資源の高止まりや、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる海外情勢などにより生産拠点における製造原価の高騰などが予想されます。

 このような状況に対応すべく、2025年度に最終年度を迎える「新中期3ヵ年経営計画」を継続的に実行することで、売上高および収益のさらなる拡大を目指してまいります。

 また、今後の運転資金需要に備えて、取引金融機関とシンジケート型のタームローンを引き続き契約し、手元流動性の高い現金及び預金を確保するとともに、当座貸越枠も継続しており、短期間での手元流動性の問題は生じないと考えております。さらに、キャッシュ・フローの改善策の一環として、仕入抑制と在庫販売の強化による製品在庫の削減も引き続き実行していくことで、有利子負債の削減にも努めてまいります。

(4)目標とする経営指標

 当社グループは、転換期を迎えているアパレル業界において、事業戦略の見直しや新規事業の検討、BtoCの強化による収益アップの対策を講じ、中期経営計画の最終年度である2025年度(第74期)には、売上高150億円、経常利益4.3億円を目標として、業績の回復と収益基盤の安定化に努めてまいります。

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