企業兼大株主安川電機東証プライム:6506】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しております。

「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しております。

「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(太陽光発電・電気自動車)およびBiomedical Science分野(ゲノム解析・再生医療の自動化)に焦点を当てて取り組んでおります。

 また、技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまの価値を格段に向上させる新たな製品の開発をタイムリーに行います。

 以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は23,773百万円となりました。

〔研究開発分野〕

 長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めております。

YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。

 また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。国立大学法人東京科学大学においては、「YASKAWA未来技術共同研究講座」にて、超軽量人協働ロボットの実現をゴールとした超軽量アクチュエータの共同研究を継続しています。

 さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。農業生産においては自動化実証などを進め、「きゅうりの葉かき作業」は本格的な現地導入フェーズへと移行しております。

 これらにおける当分野の研究開発費は5,528百万円です。

〔モーションコントロール分野〕

2024年1月より展開している新マシンコントローラ「MPX1000シリーズ」のラインアップとして、自動車関連製造装置で多数使用されている株式会社ジェイテクト製PLC TOYOPUC-Nano 10GXにバス接続できるマシンコントローラ「MPX1012J」を開発しました。「MPX1012J」は、「MPX1310」で実現したモーション処理性能の大幅な向上および制御可能軸数の増加といった機能・性能面の進化は引き継ぎながら、TOYOPUC-Nano 10GXとの親和性を高めることで、PLCを含んだシステムとしての性能を大幅に向上しています。これにより、当社のサーボドライブ製品の性能と合わせ、お客さまの装置性能と付加価値を大きく向上させることが可能です。

ACサーボモータ「∑-Xシリーズ」に、サーボパック側面に取り付けられるアドバンストセーフティモジュール(ASM-X)と、機能安全対応サーボモータの2つを新たにラインアップしました。この2つの製品を組み合わせることで、CEマーキング機械指令にも適合した安全システムの構築を実現します。さらに、安全フィールドバスによるシステムを構築することにより、システム全体の省配線化が可能です。

 インバータ「LA700」(エレベータ専用タイプ)を開発しました。「LA700」は従来機種の「L1000」からオートチューニングなどの基本的性能を向上させるとともに、エレベーター専用のセットアップウィザード(対話方式)により初期設定が容易になりました。お客さまの使いやすさを向上し、セットアップ・試運転時間の短縮を実現します。また、従来機種よりもスムーズに加減速できるようになったことで、エレベーターの乗り心地を更に向上させました。幅広い容量のラインアップを揃えており、多くのエレベーターに適用いただくことが可能です。

 これらにおける当分野の研究開発費は11,204百万円です。

〔ロボット分野〕

 ロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット「MOTOMAN NEXT」が2024年「十大新製品賞」を受賞しました。「MOTOMAN NEXT」はロボット業界で初めて自律制御ユニットをコントローラ内に標準搭載し、今まで人手作業が避けられなかった未自動化領域の自動化実現を目指す戦略製品です。お客さまのノウハウとの融合を実現するオープンプラットフォームを準備することで、人工知能(AI)ベンダーの技術導入の障壁を下げ、継続的な進化を可能にした点などが評価されました。

 アルミ材の摩擦撹拌接合(※)(Friction Stir Welding 以下「FSW」)への適用が可能なロボット「MOTOMAN-GG250(可搬質量250kg)」を製品化しました。本製品は高剛性化に加えて高精度化も実現しており、FSW以外にも切削加工用途(穴あけ、面加工、バリ取りなど)や位置決め用途など、従来はロボットの適用が困難だった領域でも活用が可能です。

 電動自動車(EV)の床面に取り付けられることが多い大容量バッテリー組み付けに対応した業界初となる1t可搬質量を持ち、低床部へアクセス可能(地上同一面まで降下可能)なスカラロボット「MOTOMAN-ME1000」を製品化しました。重量化するバッテリーの車体床面への組み付け作業を支援・自動化するロボットとして従来、ロボットによる自動化が困難だった領域でも活用が可能となります。本製品はEVバッテリー以外の重量物搬送用途への適用も可能です。また、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の「2024年度省エネ大賞」において、最上位の「経済産業大臣賞」(製品・ビジネスモデル部門)を受賞しました。モータ総容量を小容量化することで消費電力を削減し、お客さまの生産設備のトータルコスト削減とコンパクト化が可能となります。ロボット質量あたりの可搬能力を従来製品の1.6倍にするとともに、モータでの消費電力を約45%削減した点などが評価されました。

 これらにおける当分野の研究開発費は6,471百万円です。

(※)摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding):突起のある円筒状のツールを回転、同時に強い力で押し付けて接合部に貫入させ、摩擦熱で母材を軟化させて練り混ぜることで、複数の部材を一体化する接合方法

〔システムエンジニアリング分野〕

 システムエンジニアリング分野においては、変化する市場・顧客要求に対応するため、システムコントローラの新規開発、低圧ドライブ装置の機能強化・拡充開発および誘導モータの高効率化開発などを進めました。

 これらにおける当分野の研究開発費は568百万円です。

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