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企業概要

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、「Be a player.~教育の「意欲」の機会均等をあまねく達成し、前向きなひとをたくさんつくる企業~」を企業理念に掲げ、「教えたいと教わりたいをていねいに紡ぐ」を経営理念としております。この経営理念に基づき、学習塾等教育関連事業者に対し、鉄人講師等と共に制作した映像授業、塾運営の効率化を支援する管理機能を提供する「学びエイドマスター」、教育関連事業者の教材(紙媒体)の映像授業化と映像授業化したコンテンツを配信するための配信サービスを開発・提供する「学びエイドforEnterprise」の開発・運営を行っております。

「教えたいと教わりたいをていねいに紡ぐ」という経営理念の実現にむけて、良質な映像コンテンツの提供、経営管理体制、人材育成を強化し、「教わった」ひとが、次の「教えたい」衝動へとつながり、情報的・経済的・地域的・世代的格差を超えて、教育の「意欲」の力強い循環を達成し、教育の熱き意欲をていねいに紡ぐ企業となるべく取り組んでいく方針であります。

(2) 経営環境及び経営戦略等

 当社の属する業界は大きくは「教育産業市場」となります。また、近年注目されているEdTech(エドテック:Education(教育)×Technology(技術)の造語で、「教育におけるAI、ビッグデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用したあらゆる取組」)という市場にも属するものと認識しております。

 教育産業全体の市場規模は、少子化や直近の新型コロナウイルスの影響はあるものの、矢野経済研究所発表の「2023年版教育産業白書」によると2兆8,000億円程度の横ばいで推移しております。また、同調査では、教育産業全体市場の主「学習塾・予備校市場」は1兆円弱の横ばいで推移していると算出されております。(※1)

 また、文部科学省「学校基本統計(平成29年度)」の調査によると、大学進学時の都道県別流入・流出者数は、東京・神奈川といった大都市圏10都県に進学時に流入しており、それ以外の地域では、他都道府県へ学生が流出しております。学習塾にとっては少子化の影響による生徒の確保のみならず、貴重な大学生講師やアルバイトスタッフ等の人員確保が益々困難になることが予想され、より効率的な経営や教室運営が求められると考えております。

 こうした背景の中で、EdTech市場規模は2024年に3,000億円に達すると算出されており(※2)、特に教科学習コンテンツの市場規模は当社を含む定額制サービスの普及により低価格化が進み、拡大していくと考えております。

 新型コロナウイルス感染症の流行によりパソコンやタブレットを利用したオンラインでの学習が広がり、さらに政府が推進するGIGAスクール構想(※3)により教育業界におけるICT教材導入や、2024年度から学習用デジタル教科書(※4)が導入され、当業界をとりまく経営環境は大きく変化しているものと認識しております。GIGAスクール構想では、「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育 ICT 環境の実現」を進めており、これまでの集団授業から個別最適化された教育へと変化しております。

 エンドユーザーである生徒の学びの環境変化は、文部科学省の発表では、2022年度から採用される高校用教科書の大半にQRコードが掲載されており、小中学校用の教科書では既に導入されています。スマートフォンで読み取ると、英語ではネーティブスピーカーの発音で文章が音読されたり、「物理基礎」では物体が運動する映像が流れるなど、デジタル教科書の将来的な本格運用も見据え、音声や映像を通じた深い理解や、知識を定着させる効果が期待されています。

 こうした紙媒体の変化は、教科書準拠の補助教材や参考書市場にも変化を与えていると認識しております。矢野経済研究所「2023年版教育産業白書」によると、学習参考書・問題集の市場規模は約930億円と微減傾向にあると算出されている一方で、デジタル教科書とデジタル補助教材の潜在市場規模は株式会社シード・プランニングによる2022年5月「デジタル教材市場の拡大の可能性に関する調査」によると2025年には2,500億円規模に達すると算出されています。こうした変化は学習参考書・問題集を取り扱う出版社にとって、紙媒体のデジタル化への対応は他社との差別化や新たなビジネスチャンスとして、捉えられているものと認識しております。

※1 矢野経済研究所「教育産業白書2023年版」

※2 野村総合研究所「ITナビゲーター2020年版」

※3 GIGAスクール構想とは以下を目標に掲げたものであります。(文部科学省GIGAスクール構想パンフレットより)

・1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する

・これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す

※4 学習者用デジタル教科書とは、紙の教科書の内容の全部(電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。)をそのまま記録した電磁的記録である教材(学校教育法第34条第2項及び学校教育法施行規則第56条の5)をいう。動画・音声やアニメーション等のコンテンツは、学習者用デジタル教科書に該当しないが、これまでの学習者用デジタル教材と同様に、学校教育法第34条第4項に規定する教材(補助教材)として、学習者用デジタル教科書とその他の学習者用デジタル教材を組み合わせて活用し,児童生徒の学習の充実を図ることも想定されている。

 このような状況の中、当社では、(1)の企業理念等に基づき、以下の取組みを行ってまいります。

イ.基本方針

 学びエイドサービスを通じてより高品質な教育デジタルサービスを多くの「教わりたい人」に提供し、安定的な収益を通じて持続的な企業価値向上を目指します。

ロ.学びエイドマスターサービスの利用者の拡大

「学びエイドマスター」「学びエイドマスターforSchool」サービスの新規顧客の獲得と既存顧客へのサポート体制を強化してまいります。

 新規顧客の獲得については、業界団体や教育関連イベントを通じて新規顧客との接点を増やし契約獲得をすすめ、現状高校生領域への提供が中心となっておりますが、中学生領域へと対象領域を拡大してまいります。

 既存顧客へのサポート体制は、学習イベントや使い方セミナーを実施し、利用生徒数の増加策を行ってまいります。

ハ.教材会社・出版社とのコラボレーションの拡大

 コンテンツ生産数の増強を図り、新規顧客の獲得、既存顧客へのアップセルへつなげてまいります。

 デジタル教科書を始めとする教材のデジタル化のニーズは小中高領域全てに需要があり、多様化しています。こうした多様なニーズに応えられるコンテンツ生産体制を整備し、顧客の幅を広げ、提案活動を行ってまいります。

ニ.日本一のコンテンツ制作工房への整備強化

 コンテンツの生産数の増強のための鉄人講師の増強、人材採用、教育体制の構築を行い、良質かつ効率的なコンテンツ制作体制を整備してまいります。

 当社が提供する「学びエイドマスター」をはじめとする各種サービスにおいては、良質な映像コンテンツの充実が不可欠であります。現状では中学・高校学習範囲を網羅する映像コンテンツを提供しておりますが、時代とともに多様化・変化する教育ニーズに対応していくことが重要であると認識しております。これらに対応していくため、当社とコンテンツ使用許諾を締結している鉄人講師との良好な関係を継続していくことや当社内のコンテンツ制作体制の強化等を通じて、中高生のみならず、小学生まで対象範囲を拡大し新しい良質な映像コンテンツを、継続的に提供していくことに取り組んでまいります。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

① 良質な映像コンテンツの提供

 当社が提供する「学びエイドマスター」をはじめとする各種サービスにおいては、良質な映像コンテンツの充実が不可欠であります。現状では中学・高校学習範囲を網羅する映像コンテンツを提供しておりますが、時代とともに多様化・変化する教育ニーズに対応していくことが重要であると認識しております。これらに対応していくため、当社とコンテンツ使用許諾を締結している鉄人講師との良好な関係を継続していくことや当社内のコンテンツ開発体制の強化等を通じて、新しい良質な映像コンテンツを、継続的に提供していくことに取り組んでまいります。

② 営業体制の強化

 当社が今後さらに成長していくためには、既存顧客との継続的な取引と新規顧客の開拓が不可欠であります。当社の営業部門は、主な顧客である学習塾等教育関連事業者向けの経営上の悩みを解決すべく、これまでの教育デジタル事業の運営により蓄積されたノウハウを活かした提案により、営業活動を推進してまいりました。今後も継続的に事業を拡大し、受注の獲得機会を増大させていくためには、営業人員の採用はもちろんのこと、学習塾の経営上の悩みを解決するための提案力を強化していくほか、業務提携等の他社との連携による販路拡大等にも取り組んでまいります。

③ 優秀な人材の確保と育成

 当社は、今後の事業拡大のための重要な経営資源は人材であると考えており、教育業界の経験者のみならず、多様なバックグラウンドをもつ優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。積極的な人材採用活動を行い、社内における教育体制の強化に取り組んでまいります。

④ 経営管理体制の強化

 当社は、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主やその他ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに健全な倫理観に基づく法令順守を徹底してまいります。

⑤ 安定的な収益と持続的な企業価値向上

 当社は、2018年12月期に外部資金調達を行って以降、2019年に中規模学習塾または大手全国展開学習塾向けに「学びエイドマスター」の「映像授業」と「管理機能」を顧客仕様へとカスタマイズして提供する「学びエイドマスターforSchool」、2021年には教育関連事業者向けに、教材の「映像授業化」とそれを配信する「配信サービス」を提供する「学びエイドforEnterprise」の提供を行う等、数年ごとに提供機能や顧客セグメントの拡大することで成長してまいりました。今後も新たなニーズを捉え、新サービスや学校向けデジタル教科書への対応、企業研修等の新たな顧客セグメントを拡大することで成長を目指し、安定的な収益と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の売上高は主に、主力サービスの「学びエイドマスター」、「学びエイドマスターforSchool」、「学びエイドforEnterprise」で構成されております。安定的な収益を通じて持続的な企業価値向上を目指すためには、これらのサービスの競争力を維持し、既存取引先との信頼関係を構築し、アップセルやクロスセルといった提案力を強化することで取引額が増加していくことが重要であると認識しております。こうしたことから、当社の経営指標は売上高成長率、営業利益率を使用し、参考指標として「顧客数」「顧客単価」を確認しております。各サービスの「顧客数」「顧客単価」の定義、及び経営指標等の推移は以下の通りです。

 各サービスの「顧客数」「顧客単価」の定義

サービスの名称

顧客数の定義

顧客単価の定義

学びエイドマスター

顧客数は契約教室数と定義しております。当社では、契約教室数の拡大は、利用生徒数の拡大につながること、契約教室数は、現在の売上だけでなく、今後学習塾向けに新たな機能やサービスを提供する際の基盤となるため、指標として設定しております。

学びエイドサービスの売上高を顧客数(契約教室数)で除して算出しております。当社では、学びエイドマスターの利用者数の増加、付帯サービスのアップセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。

学びエイドマスターforSchool

顧客数は契約法人数と定義しております。契約法人数の拡大は、利用生徒数の拡大につながることから当サービスの指標として設定しております。

学びエイドマスターforSchoolの売上高を顧客数(契約法人数)で除して算出しております。当社では、学びエイドマスターの継続利用に加えて、映像授業やシステムのカスタマイズ受注等のアップセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。

学びエイドforEnterprise

顧客数は契約法人数と定義しております。契約法人数の拡大は、案件数の増加につながることから、当サービスの指標として設定しております。

学びエイドforEnterpriseの売上高を顧客数(契約法人数)で除して算出しております。当社では、契約法人に対し既存の受注に加え、映像コンテンツやシステム開発のアップセル・クロスセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。

 経営指標等の推移

セグメントの名称

経営指標

2023年4月期

2024年4月期

教育デジタル事業

売上高成長率(%)

72.6

25.4

営業利益率(%)

22.2

23.3

サービスの名称

参考指標

2023年4月期

2024年4月期

学びエイドマスター

顧客数(契約教室数)

525

458

顧客単価(千円)

249

213

学びエイドマスター

forSchool

顧客数(契約法人数)

8

7

顧客単価(千円)

25,111

20,786

学びエイドforEnterprise

顧客数(契約法人数)

21

30

顧客単価(千円)

7,651

12,644

・「教育デジタル事業」

 2024年4月期は、「学びエイドマスターforSchool」は大手学習塾からの開発等の受注が減少したものの、「学びエイドforEnterprise」の成長が牽引し、売上高、営業利益共に伸長いたしました。サービス別の状況については、以下のとおりです。

・「学びエイドマスター」

 個人~中規模学習塾は引き続き、①個人学習塾の経営環境の悪化、②少子化や後継者不足による閉業、③サービスを利用していた生徒が退塾したという理由で解約が増加し、顧客数が減少しております。学習塾の新たな収入源となる新サービス、「総合型選抜対策 添削道場」「テツヨビ」を中心に顧客単価、顧客数の増加を目指しております。

・「学びエイドマスターforSchool」

 中~大手規模学習塾は、コロナ禍以降も増収増益企業が多く、ICTへの投資意欲も高い傾向にありますが、2024年4月期は、学びエイドマスターの継続的な利用もある一方で、コンテンツ制作・システム開発のアップセルの受注の獲得が2023年4月期に比べ減少したことにより、売上高は減少しております。引き続き、大手学習塾の新規契約の増加、コンテンツ制作・システム開発によるアップセルに注力してまいります。

・「学びエイドforEnterprise」

 2024年4月期は映像解説動画の作成や、配信システム等のニーズを捉え、新規顧客の獲得、既存顧客からのアップセル・クロスセルに成功し、顧客数、顧客単価を伸ばしております。今後も教材の映像授業化は、およそ4年、10年ごとに改訂される教科書・教育指導要領への対応をするため、一部もしくは大半の映像コンテンツを定期的に制作しなおす必要があり、継続的な受注が期待されます。

より抜粋
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