企業大阪製鐵東証スタンダード:5449】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」を経営の基本方針としております。

〈経営理念〉

 大阪製鐵グループは、鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルし、省資源・省エネルギーを通じて地球環境の保全に努めるとともに、社会の発展に貢献する電炉グループです。顧客ニーズを追求し、合理的でオープンな経営により、ゆるぎない競争力を持ち、信頼される企業グループを目指します。私達は、この目標の実現に向け、自らの成長と変革を通じ、挑戦を続けます。

〈行動指針〉

 1.自ら考え、行動します

 2.失敗を恐れず、挑戦します

 3.技術を極め、技術を磨きます

 4.役割を認識し、期待に応えます

 5.対話と信頼を通じ、連携します

(2) 経営環境

 当社の国内事業環境については、主たる需要分野となる建設分野は人手不足・働き方改革による工事遅延や資材高により需要が低迷しており、中長期的にも需要が大きく伸びないことと想定しております。一方、海外市場については、東南アジアを中心に一定の経済成長の持続が見込まれます。

 また、主原料であるスクラップは、長期的にカーボンニュートラル実現に向けた環境変化により需給はタイト化されるとともに、再生可能エネルギー比率の上昇による電力供給構造の変化や少子高齢化の更なる進展等、当社経営を取り巻く環境は、絶え間なく変化するものと想定しております。

2025年度における国内経済の見通しは、個人消費や設備投資は回復の動きが続くものと期待され、インドネシア経済においても堅調な個人消費に支えられて底堅く推移するものと見込まれますが、一方で米国の通商政策を受けた世界経済の下振れリスクがあり、先行き不透明な状況が継続することが想定されます。当社の経営環境は、建設向け需要は大幅な回復が望めず、コスト面においても更なる電力料金等の値上げが見込まれ、一段と厳しさを増しております。また、インドネシア事業におきましては、政府の政策転換によりインフラ開発予算が削減された影響で需要動向が不透明となっており、厳しい経営環境が継続すると想定されます。

 (3) 対処すべき課題

 当社グループは、2021年に公表した2025年中期経営計画の諸施策に継続して取り組んできました。また、2024年1月30日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」を公表した上で、ROEの改善、PBR向上を通じた企業価値向上の検討を重ねてまいりました。今般、事業環境の変化や市場から求められる指標変化も踏まえ、2025年度中期経営計画を見直し、2027年度を目標とした中期経営計画を2025年1月31日に策定致しました。

 その内容は以下の通りであります。

 

大阪製鐵グループ中期経営計画

 

1.収益改善と資本効率化対策

 2024年3月期ROE(株主資本利益率)は2.1%であり、株主資本コスト(7~8%程度)を下回っており、PBR(株価純資産倍率)は1倍を下回る水準で推移しています。

 収益基盤の確立・強化を最優先課題として収益改善に取り組むと共に、併せて資本効率化対策を推進することで、株主資本コストを上回るROEを目指すこととし、そのステップとして、2027年度にROE5%の達成を図る計画を策定致しました。

 更に、株主・投資家への情報開示・対話などのIR、SR活動の強化を図り、PER向上(期待成長率の上昇、株主資本コストの低下)、ひいてはPBR向上に繋げてまいります。

 

 

  (1)収益改善、事業基盤強化対策

    ①国内事業基盤の強化

 当社の主たる需要分野となる建設分野は、人手不足・働き方改革による工事遅延や資材高により需要が低迷しておりますが、今後も需要は大きく伸びないことを想定しています。当社は、当社製品の強みである高品質(寸法精度・直進性)な商品競争力や納期対応力を最大限活かし、お客様からの更なる評価・信頼を獲得し、業界におけるプレゼンス向上を図ってまいります。また、東日本における東京鋼鐵との販売連携等により、お客様のご要望に応えるきめ細かく機動的な製品供給体制の拡充等を通じた営業強化を推進していきます。

 生産体制につきましては、国内4拠点の有機的な連携を更に強めると共に、省エネ、省人化対策を通じたコスト削減を強化してまいります。主力工場である堺工場においては、省エネ・省CO2型電気炉を2025年度に稼働させ、CO2削減を図るとともに国内トップクラスのコスト競争力を構築します。これまで実施してきた圧延工程の体質強化対策(Sプロ)の効果、今後実行予定の納入対応力向上を目的とした倉庫能力強化対策を加え、堺工場の製鋼~圧延~出荷までの一貫体質強化を図ります。また、輸送業界の働き方改革や輸送時CO2を削減の観点からも、各地区における倉庫能力強化対策を実施してまいります。

 調達面では、主原料であるスクラップの上級屑を中心にした需給タイト化が見込まれる中、安価屑の利用拡大を含めた調達ソースの多様化やスクラップの保管対策をはじめとしたスクラップ調達力の強化を図ります。

 

    ②海外事業の状況

 当社のインドネシア子会社(KOS:PT.KRAKATAU OSAKA STEEL)は、2021年に黒字化しましたが、2022年以降、当期損益赤字が継続しており、2023年期末には▲18億円の債務超過に陥っています。2024年1-9月は▲16億円の当期損益赤字であり、同期末も当期損益赤字の見通しのため、債務超過状態が継続する見通しです。

 5%程度の経済成長が続き、引き続き安定した鋼材需要が見込まれるインドネシアにおける事業改善に注力することとし、その一方で、事業価値を減耗させないために、在庫増減や与受信増減等の一過的な要因を除いた構造的なFCFを四半期ごとにフォローし、それが継続的にマイナスとならないことを基準として事業継続性を総合的に判断していくこととしています。

 仮に事業撤退をする場合には、その時期や方法によっては、200億円規模の損失発生の可能性があります。

 製販連携強化によるプロジェクト向け拡販、大阪製鐵と一体となった事業運営(営業連携強化による販路拡大、ビレット調達)等、実効的な諸施策の継続・強化により事業改善を図ってまいります。

 

 

  (2)資本効率化対策

 今回、ROE向上のため、上記収益改善策の検討と併せ、資本効率の改善策を検討いたしました。その過程で、手元資金について、今後3年間に必要な商品競争力強化、カーボンニュートラル、スクラップ調達力強化等に資する戦略投資、基盤強化投資や老朽更新投資による必要資金を算出するとともに、上記収益改善策により見込まれるキャッシュフローや運転資金を検証した結果、配当性向30%を目途とした配当に加え、今後3年間で300億円を上限とする株主還元策が可能と判断し、これを実施することと致しました。

 その一環として、今般、ROEの向上に加えて、当社の流通株式比率の向上にも資する施策として、自己株式の公開買付けおよび当社が保有する自己株式を消却致します。

 

 

2.サステナビリティ課題の取り組み

 (1)カーボンニュートラルに向けた取り組み

 当社はCO2排出量削減目標として、2030年度に2013年度比46%の削減目標、2050年度のカーボンニュートラルをビジョンとして取り組みを進めています。2024年度には「カーボンニュートラル推進委員会」を設置し、具体的施策・計画の策定、着実な実行に向けたマネジメント強化を図っています。

 CO2削減対策に加え環境認証取得を進め、グリーン商品の拡販に繋げてまいります。

 

 

 (2)人的資本への取り組みとDX推進

 人材の確保・育成および社員のエンゲージメント向上、D&I推進、健康経営の推進に資する人的資本対策は経営の重要課題と位置づけ、継続した取り組みを進めてまいります。また、社員がより生産性の高い職務で能力発揮できるようグループシステム統合やデジタル技術を活用した業務効率化、および操業関連プロセスの省力化投資を積極的に推進してまいります。

 

 

3.経営指標

   以下の経営指標に基づき、持続的な成長と企業価値の更なる向上を目指してまいります。

 

 

2024年度実績

2027年度目標

連結売上高

1,164億円

1,250億円

連結経常利益

49億円

95億円

ROE

2.1%

5%程度

株主還元

配当性向41.0%

配当性向30%程度

+300億円上限/3年

(2025~27年度)

 

 

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