大研医器
【東証スタンダード:7775】「精密機器」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「我々は現在の医療を見つめ明日の医療の創造を通して社会に貢献します。」という企業理念の下に、新しい医療の世界を切り開くべく未知なる技術と価値ある製品開発に全知全能を傾けております。
一.私たちは医療現場と協力し常に新しい医療機器の開発と需要の創造に努めます。
二.私たちは一人ひとりが不可能を可能にできるよう挑戦的に仕事にあたります。
三.私たちは社会人として又企業人として全人格的な成長を通して企業の発展のため励みます。
以上の基本方針3項目を掲げて当社事業運営の目的としており、全役職員が徹底実行し、医療を進化させ社会貢献できるよう日々取り組んでおります。また、当社製品ブランド名であるクーデック(COOPDECH)はクーデターバイテクノロジーという意味を持つ造語であり、独創の技術でドラスティックな医療革命を目指すという想いを表現しております。安易に時流に乗らず、常に新しい可能性に挑戦し続け、人が誰もやらない、しかも人類の生命に関する極めて価値の高い仕事を、当社の研究開発製品を通して形にしていきたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社の研究開発の特徴は、麻酔・手術室関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場の潜在ニーズをできるだけ同じ目線で開発担当者が捉えるように努め、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。また、当社は研究・開発から製造・販売に至るまで、基本的に全て一貫して行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づき管理運営しております。今後とも現場第一主義を貫き、革新性・安全性を担保した新製品を確実に上市できる体制を維持強化してまいります。
以上のことを今後も継続させていきつつ、既存のトップラインの製品については更なるシェア向上を目指し、また、価格競争が激しい海外市場でも拡販でき、かつ新たな領域への進出を可能にする新製品の研究開発を進め、飛躍的な業績及び企業価値の拡大をできるだけ早い時期に実現させていく所存であります。
(3)目標とする経営指標
当社は、医療機器製造と医療機器販売が事業のほとんどであるため、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に計るための有用な指標であると考えております。
新製品開発においては、ターゲットとする売上高総利益率を一律に定め、増加する研究開発費等の将来の成長に向けた投資を抑えることなく、会社全体として売上高経常利益率20%を念頭においた経営戦略の検討、活動を基本としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足による医療人材確保等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきている中で、国内外のメーカーとの価格競争及び原材料価格の高騰や円安進展による仕入価格の高騰等により、引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。
このような状況のもと、当社の営業・技術・製造が一体となって、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるよう市場競争力を高め、さらなる業績の向上、企業価値の増大に向けて邁進するとともに、顧客にとって不可欠なパートナーであり続けることを目指して取り組んでまいります。また当社が対処すべき課題として以下のことに取り組んでまいります。
① 既存製品の拡充・新製品の開発とその拡販
当社は、国内市場のマーケットリーダーとして「サクションの大研(吸引器…フィットフィックス、キューインポット)」、「ポンプの大研(注入器…シリンジェクター、バルーンジェクター)」のイメージをより一層定着させるとともに、独創的な製品の研究開発活動をさらに強化し、最先端医療を支える当社のイメージを確立するよう取り組んでおります。
中長期的な成長戦略として注力している「マイクロポンプ関連製品」の第1弾となる、「クーデックエイミーPCA」は、注入器の次世代製品であり、ポンプの大研医器として注入器分野でのさらなる医療現場のイノベーションを創出することを期待しております。医療現場からの評価が高く、急性期の術後疼痛緩和から無痛分娩や在宅分野まで着実に売上を伸ばし、普及が進んでおります。
今後も「クーデックエイミーPCA」に続く「マイクロポンプ関連製品」の早期開発、早期上市を実現することで新たな市場開拓、市場創出を推進し、新たな事業の柱へと育成してまいります。
② 海外販売の拡充
当社の売上はそのほとんどを国内販売に依存しており、海外売上高の割合は、2025年3月期において3.2%となっております。国内だけでなく「世界で戦える競争力のもった医療機器メーカー」への変遷を掲げる中で、「クーデックエイミーPCA」の海外での拡販に向けた体制準備につきましては、欧州への展開を最優先事項として進めており、欧州での販売に向けた有力パートナーとの強固な関係性を維持しながら、遅れておりますMDR(欧州医療機器規則)の認証取得に向けた取り組みを推進、強化しております。
今後も海外市場における製品ラインアップ及び販売網の拡充に努め、海外での競争力をより一層高めていけるよう取り組みます。
③ サプライチェーンの更なる高度化
インフレ局面における原材料価格の高騰や2024年度までの円安の進展による為替変動に伴う製品・原材料等の仕入価格の上昇が顕著となっている中、製造コストの低減を図っていくことが大きな経営課題となっております。2024年度から生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めるべく取り組んでおります。具体的には、リードタイムの短縮及び在庫量の適正化による物流改革、複社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め継続的に取り組んでおります。
④ 優秀な人材の確保、教育の強化
当社の企業価値は個々の従業員から創出されるものです。当社の競争力を高めるため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用も積極的に活用すると同時に、人材育成として教育・研修プログラムの刷新を実施し、優秀な人材の確保に取り組んでおります。
加えて、従業員の給与水準の向上及び効率的な働き方を実践するなど、競争力確保のための人的投資強化施策を積極的に実施しております。
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