ダイワボウホールディングス
【東証プライム:3107】「卸売業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは私たちの存在意義としてパーパスを「バリューチェーンで人をつなぐ、社会をつなぐ、未来へつなぐ」と定めており、また、パーパスを実現するために、会社として大切にする共通の価値観、社員の行動指針、事業活動の判断基準として「パートナーシップ」「多様性と尊重」「感謝と熱意」「誠実と公正」「価値創造への挑戦」の5つをバリューとして選定しております。さまざまな社会活動を構成しているバリューチェーン(価値連鎖)の中で、ビジネスに携わる人々、企業、地域社会をつなぎ、結びつけることが当社グループの存在意義ととらえています。「パートナーシップ」に重きをおき、バリューチェーン全体のブランディングを図り、当社グループの力だけでは解決が難しい社会課題に対しても、有機的に連携・協調することで総合力を発揮してまいります。また、「未来へつなぐ」には、多様で先進的なIT製品・サービスの普及、日々の暮らしや多くの産業に貢献できる研究開発の追求により、常に新しいテクノロジーを探求し実際に触れる中で、それをバリューチェーンに還元していくことで、未来における「快適さ」や「安心と安全」、そして「人と社会の幸せ」の実現を目指すメッセージが込められています。現代社会におけるインフラを支えるだけではなく、事業環境や価値観の変化をとらえ、未来に向けて、より社会を快適に変えていくために幅広く貢献していきます。
(2)経営戦略等
当社グループは、2024年5月に新たな中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を発表いたしました。当社は、本中期経営計画の対象期間を重要な挑戦期間であると考え、「事業ポートフォリオ変革による躍進期」と位置付けております。当社グループの基本方針は、「ホールディングス体制での成長」「“過去最高”へのチャレンジ」「ステークホルダーエンゲージメントの向上」の3点です。「ホールディングス体制での成長」では、持株会社として新たな事業領域への参入を探求し、事業会社においては、セグメント内での強化・再編に着手してまいります。次に「“過去最高”へのチャレンジ」については、売上高、利益における過去最高業績の更新にチャレンジします。さらに会社、組織、事業、個人それぞれのフィールドでベストパフォーマンスを発揮していくことを目指してまいります。「ステークホルダーエンゲージメントの向上」については、株主、取引先、従業員、地域社会などとの信頼関係向上と相互理解による協働を目指します。また、人的資本、システム、ガバナンス面など必要とされる経営基盤のさらなる強化を実施します。特に人的資本政策に注力することでグループ全体でウェルビーイング経営の推進に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性とともにROE(自己資本当期純利益率)、ROIC(投下資本利益率)などの指標を参考に株主資本の効率化に取り組んでおります。
(4)経営環境
当連結会計年度のわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復がみられる一方、地政学的リスクの長期化、資源・エネルギー価格の高止まりや米国の通商政策による影響など先行きについては不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、ITインフラ流通事業では、企業向けは大企業を中心としたWindows10サポート終了に伴うPC更新需要が好調に推移し、官公庁向けにおいてもIT投資需要は底堅く推移しました。産業機械事業では、造船やエネルギー業界など一部好況な業界からの受注は継続しております。主力の航空機業界においては国内及び米国向け市場を中心に受注は回復傾向にありました。なお、2024年3月に大和紡績株式会社の発行済株式の85.0%を譲渡したため、繊維事業は前連結会計年度末より、連結の範囲から除外されており、当期の経営成績に繊維事業は含まれておりません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済見通しについては、引き続き雇用情勢や所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復が続くことが期待されますが、資源・エネルギー価格の高止まりや米国の通商政策による影響が懸念され、当面は不透明な状況が続くと見込まれます。こうしたなか、当社グループは当連結会計年度より3か年の中期経営計画をスタートさせました。対象期間を「事業ポートフォリオ変革による躍進期」と捉え、グループ基本方針として、「ホールディングス体制での成長」「“過去最高”へのチャレンジ」「ステークホルダーエンゲージメントの向上」を掲げ、中長期ビジョン『2030 VISION』の達成に向け、事業ポートフォリオ変革を追求する経営により、2030年までの成長スピードを一層加速させていくよう取組んでまいります。
事業別の施策といたしましては、ITインフラ流通事業においては、2025年10月に予定されるWindows10のサポート終了に伴うPCリプレイス需要とGIGAスクール端末のリプレイス需要が期待されています。この需要に対応すべく、顧客ニーズを的確に把握し、サポート体制を整備するなど、競争優位性を高め、大きな需要のあった2019年度と2020年度よりも高い市場シェアの獲得を目指してまいります。また、セキュリティやクラウドサービスは、依然顧客ニーズが高く、好調な企業収益を背景に底堅い需要は継続すると見込まれておりますので、販売・プロモーション活動を強化し獲得に努めて参ります。さらには、GIGAスクール構想第2期の共同調達は今期に本格化することが見込まれております。加えて、企業や官公庁においても、底堅い需要が期待されているため、これまでに培ったノウハウを活用して、競争優位性を高め、エリアごとにパートナーとともに、エンドユーザーを見据えた取組みを実行することで、これらの需要を着実に獲得し、業績拡大を目指してまいります。
産業機械事業においては、昨年度からの重点施策を継続、強化して推進してまいります。工作機械部門では、汎用製品の在庫生産強化を継続することで、即納需要の取込みを図ってまいります。また、開発した高効率生産システムを活用して、エネルギー業界向け需要に対して提案営業の強化を継続してまいります。自動機械部門では、引き続き、生産の平準化と収益の安定確保を図るとともに、技術力向上のため、教育の充実を図ります。また、中国包装機メーカーとの協業により現地生産を推進し、コスト低減、納期短縮、アフターサービス体制の強化を図ることを継続し、中国市場での競争力向上に取組んでまいります。
◎中長期ビジョン『2030 VISION』
『2030 VISION』において当社が描くエクイティストーリーは、IT分野を軸に新たな事業領域へ経営資源を投入し、バリューチェーンのさらなる発展につながるグループ体制を構築するというものです。また、2030年のあるべき姿として、社会に求められる事業モデルを創造する「なくてはならない企業グループ」となること、ディストリビューションを不動のコアに、IT市場全体を“つなぐ“All-in-One Solution Companyとなること、そして2030年度(2031年3月期)に連結営業利益500億円を目指すことを目標に掲げております。
また、当社は、コーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つとして認識しております。グループ各社との連携のもと、内部統制機能の一段の強化と、より最適なガバナンス体制の確立に努め、株主の皆様をはじめステークホルダーとの良好な信頼関係を保ちながら、サステナビリティ活動の充実など、なお一層の自己変革に取組み、企業の社会的責任を果たしてまいる所存です。
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