大光銀行
【東証スタンダード:8537】「銀行業」
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企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当行は、「経営理念」である次の3項目を経営の基本方針とし、地域密着とお客さまのニーズに沿った金融サービスの提供に努めております。
① お客様に信頼され、親しまれる銀行として地域社会の繁栄に奉仕する。
② 健全経営に徹し、強固な経営体質を築き、安定した発展を持続する。
③ 優れた人材の育成に力を注ぎ、清新はつらつとした行風を確立する。
今後とも、経営体質の一層の強化を図るとともに経営の透明性を高め、地域社会に真に期待され、信頼される銀行を目指してまいります。
(2)経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
① 経営環境に関する認識
当行は、新潟県を主要な営業基盤とし、本店ほか支店(新潟県62カ店(本店含む)、群馬県1カ店、埼玉県5カ店、東京都1カ店、神奈川県1カ店、インターネット支店1カ店)、ローンスクエア(新潟県内に6カ所)において、預金業務及び貸出業務を中心に、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、公共債・投資信託・保険の販売業務及び各種コンサルティング業務などを行っております。
当行の強みは「親しみやすさ」であると認識しております。相互銀行時代からお客さまのもとへ足繁く通うことで、お客さまの懐に深く入り込み、同じ目線で真摯に向き合い、ニーズを的確にくみ取り応えていくというスタイルで営業を行ってまいりました。これが「親しみやすさ」として評価をいただいているものと考えております。
地域金融機関を取り巻く経営環境をみますと、「金利のある世界」への移行が進むなかで、国内外の経済・金融市場を巡る不確実性の高まりや経済社会の構造的な変化に直面しております。そして、これら国内外の経済・金融市場は、グローバルに相互連関しながら、刻々と変化しております。
こうした状況のなか、地域金融機関は、地域にとって重要な社会インフラとして、地域企業の価値向上等を通じて地域経済の回復・成長を支える役割を期待されております。
② 長期戦略方針
当行は2024年3月、経営理念に基づく10年後に向けた長期戦略方針として、ビジョン、ミッション、バリュー、パーパスおよび目標を策定しております。
〔長期戦略方針〕
③ 第13次中期経営計画「Value Up~ワクワクする未来へ~」(2024年度~2026年度)
2024年4月より、3年間の第13次中期経営計画「Value Up~ワクワクする未来へ~」を推進しております。
ア.目標とする経営指標
本計画の経営指標の目標項目は、「財務指標」、「地域活性化指標」、「人的資本指標」、「サステナブル指標(環境目標)」の4つのカテゴリで設定しており、最終年度である2026年度の目標および2024年度の実績は次のとおりであります。
なお、「財務指標」、「サステナブル指標(環境目標)」は連結での計数、「地域活性化指標」、「人的資本指標」は当行単体での計数であります。
カテゴリ | 目標項目 | 最終年度(2026年度) 目標 | 2024年度 実績 | |
財務指標 (連結ベース) | ROE (注1) | 4.0%以上 | 3.28% | |
当期純利益 | 30億円以上 | 24.9億円 | ||
OHR(コア業務粗利益ベース) (注2) | 70%以下 | 68.1% | ||
自己資本比率 | 8%以上 | 8.60% | ||
非財務指標 | 地域活性化 指標 | お客さまの「なりたい姿」 への貢献度 (注3) | 80%以上 | - |
お客さまとの対話等の 活動量 (注4) | 127人分 | 109人分 | ||
人的資本 指標 | エンゲージメントスコア (注5) | 68点以上 | 60点 | |
社外経験割合 (注6) | 22%以上 | 16.7% | ||
スキルポイント (注7) | 75pt以上 | 72.1pt | ||
サステナブル 指標 (環境目標) | CO2排出量(Scope1・2) の削減 | (2013年度比) ▲37% | (2013年度比) ▲42% | |
サステナブルファイナンス 実行額 | (3年間累計) 1,125億円 | 494億円 |
(注)1.株主資本ベース
2.コア業務粗利益は投資信託解約損益を除く
3.法人取引先へのアンケートにより、当行の貢献度の評価を5段階で5または4と回答した先の全回
答先に占める割合(アンケートは3年毎に実施しており、2024年度は未算定)
4.営業店・本部の営業担当者がお客さまとの対話等にかける活動量
5.全従業員(産休・育休者を除く)を対象としたエンゲージメントサーベイの総合スコア
(「Wevox」により測定)
6.出向経験が3ヶ月以上ある行員および中途入行の行員の全行員に占める割合
7.「資格規程」に定める検定資格ポイント、通信教育ポイントの行員一人あたり平均値
イ.基本戦略
本計画では、目標とする経営指標の達成に向け、5つの基本戦略を実践しております。
戦略① |
| お客さまへの提供価値の向上 |
お客さまのニーズに応じた最適なチャネルでのご提案により、コンサルティング等の対面営業力をこれまで以上に強化し、お客さまに提供する付加価値を最大化してまいります。特に、対面営業のニーズの高い法人のお客さまに活動量を振り向け、お客さまのニーズに応じた付加価値の高いサービスの拡充、お客さま支援態勢の高度化、多様な人材の育成などに取り組み、お客さまの「なりたい姿」の実現、企業価値の向上に貢献することで、その対価として適正な金利やソリューション手数料を収受することとしております。
また、個人のお客さまの多様なニーズにお応えするため、専門性の高いマネーアドバイザーによる対面営業力の強化や非対面取引の利便性向上・提案力強化に取り組むこととしております。
〔重点施策〕
■ 法人コンサルティングの強化
■ 個人コンサルティングの強化
■ 預金の増加
2024年度における主な取組みは次のとおりです。
(ア)法人コンサルティングの強化
・当行の子会社である大光キャピタル&コンサルティング株式会社が2024年8月に認定支援機関を取得し、同年10月より405事業を活用した経営改善計画策定支援サービスを開始
・両手型人材マッチング、「誰でもDCプラン」、「“にいがた”の結び目」など、事業の成長・改善につながるソリューションメニューを拡充
・SBIグループとの共同ファンド「大光SBI地域活性化ファンド」では、第1号案件を含む3先に対し投資を実行
・「デジタルサイネージサービス」、「OFFICE DE YASAI」などのソリューションメニューを拡充
(イ)個人コンサルティングの強化
・長岡地域について、各店に配置していたマネーアドバイザーを3拠点に集約(2025年4月より)
・営業推進にデータ分析システムを活用
・相続・信託に関する専担者の増員
・消費者ローンの推進に向け、コールセンターを増員し、拠点を長岡市から新潟市に移転
・ローンスクエアでの資産運用相談を開始(土日・予約制)し、預り資産相談チャネルを拡充
(ウ)預金の増加
・ブランドCMの放映を開始
・法人の決済口座としての利用促進のため、インターネットバンキング利用先の拡充を図る「たいこうデジタル化応援キャンペーン」を実施
・魅力的な預金商品として、サステナビリティ定期預金キャンペーンを始め各種キャンペーンを実施
戦略② |
| 業務改革 |
AIの活用とデジタル化の促進、BPR施策の拡充により、業務の効率化と組織のスリム化を図り、人は付加価値の高い業務に専念する体制を構築するほか、お客さまへの提供価値の品質を高めることとしております。
また、リスクアペタイト方針のもとで、とるべきリスクとコントロールするリスクを明確にしたうえでリスクテイクし、健全性の維持と収益の最大化を図ることとしております。
〔重点施策〕
■ DX・デジタル化戦略
■ BPR施策の拡充
■ 店舗政策
■ 経費コントロール
■ リスクコントロール
2024年度における主な取組みは次のとおりです。
・投資信託業務における内部管理責任者を各店配置からエリア配置への段階的変更
・新たなグループウェアを導入し、ペーパーレス化と事務効率化を促進
・営業店組織の統合・スリム化に向けた試行店での運用を開始(2025年4月より)
戦略③ |
| 人的資本の価値向上 |
人材は銀行経営の礎であり、価値を生み出すための大切な財産という考えのもと、人材への適切な投資や社内環境の整備を通じてやりがい・働きがいを高め、「各自のキャリアデザイン」と「戦略と連動した将来の人材ポートフォリオ目標」の両方向の視点から、お客さまの「なりたい姿」の実現に貢献できる多様な人材を育成することとしております。
また、経営体質の強化に向け、行員数の減少トレンドは維持しつつ、業務改革の実践によりお客さまとの対話等の活動量を拡大していくこととしております。
〔重点施策〕
■ 多様な人材の育成と活躍促進
■ 営業担当者のお客さまとの対話等の活動量の拡大
■ ウェルビーイングの向上
2024年度における主な取組みは次のとおりです。
(ア)多様な人材の育成と活躍促進
・従業員が自身のなりたい姿を描く「キャリアデザインシート」を新設し、上長始め周囲のサポートを受けながらキャリア形成を進める態勢を構築
・社外経験機会の公募制を導入
・社外交流機会として、日本精機株式会社・長岡市との合同研修「長岡市未来共創プロジェクト」を開催
(イ)営業担当者のお客さまとの対話等の活動量の拡大
・営業担当者の増員に向けたリスキリングプログラムを開始
・2025年度の新入行員より「営業コース」を新設
(ウ)ウェルビーイングの向上
・ワクワク感の向上に向け、頭取直轄の組織として、若手行員で組織された「ワクワク向上委員会」を立ち上げ、2024年度は11施策を立案し順次実施
戦略④ |
| サステナビリティ経営の実践 |
地域の活性化と中長期的な企業価値の向上を目指す持続的経営を基本方針とし、重要課題(マテリアリティ)を起点に策定した「たいこうSDGs宣言」に従い、事業活動を通じた課題解決にグループ一体で取り組むこととしております。
特に、環境への対応については、当行グループ自身の取組みに加え、取引先企業の脱炭素化のステップに応じたさまざまなニーズに対し、最適なソリューションを提供していくこととしております。
〔重点施策〕
■ サステナビリティ経営の実践
本項目については、年度毎に「サステナビリティ推進プログラム」を策定し、PDCAによる管理を行っております。
2024年度における主な取組みは次のとおりです。
・SDGs関連ソリューションの推進
・「人権方針」に基づく人権デューデリジェンスの実施
・「サステナブル投融資方針」の遵守状況のモニタリング
・退職者の復職制度の導入
・取締役会の実効性向上に向けた役員アンケートの実施と結果に基づく改善対応
戦略⑤ |
| 株主価値の向上 |
第13次中期経営計画の施策を着実に実践することで、企業価値の向上を図ってまいります。
また、株主還元方針に基づき株主還元に取り組むとともに、株主・投資家の皆さまとの積極的なコミュニケーションや非財務情報を含めた情報開示の充実などにより、株主資本コストの引下げに取り組むこととしております。
〔重点施策〕
■ 株主還元の取組み
■ 株主資本コストの引下げに向けた取組み
2024年度における主な取組みは次のとおりです。
・株主還元方針に基づき、2025年3月期の年間配当を1株当たり65円00銭(うち中間配当30円00銭。2024年3月期から1株当たり15円00銭の増配)とすることを2025年6月24日開催の第123回定時株主総会の議案として提出
・株主資本コストの引下げに向け、統合報告書の記載内容を充実
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
地域金融機関を取り巻く経営環境をみますと、「金利のある世界」への移行が進むなかで、国内外の経済・金融市場を巡る不確実性の高まりや経済社会の構造的な変化に直面しております。そして、これら国内外の経済・金融市場は、グローバルに相互連関しながら、刻々と変化しております。
こうした状況のなか、地域金融機関は、地域にとって重要な社会インフラとして、地域企業の価値向上等を通じて地域経済の回復・成長を支える役割を期待されております。
このような環境認識のもと、当行は、長期戦略方針に基づく第13次中期経営計画「Value Up~ワクワクする未来へ~」を鋭意、推進しております。誰にも負けない高い熱量でお客さまに親身に寄り添う「大光らしさ」に磨きをかけ、本計画に掲げる施策を着実に実践することで、地域から信頼され、地域とともに成長し、地域の未来を創造する銀行、また、働く全ての人が互いに高め合い、いきいき・はつらつと輝いている銀行を築き上げてまいります。その過程においては、SBIグループとの資本業務提携を通じてオープン・イノベーションをさらに加速させ、地域企業の生産性向上と地域のお客さまの資産形成をサポートすることにより、地域社会・経済の活性化を力強く支えてまいります。
併せて、お客さまから信頼いただき、安心してご利用いただくため、コンプライアンスの徹底やリスク管理の高度化に引き続き取り組んでまいります。
当行は、こうした取組みにより、地域に根差した金融機関としての社会的責任と公共的使命を果たしてまいります。
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