企業兼大株主堺化学工業東証プライム:4078】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループではSmart Material®認定製品・サービスを2030年度までに5件上市することを目標としています。「自然を守る」、「高度情報化社会の発展を支える」、「人々の健康を支える」ために、環境・エネルギー、エレクトロニクス、ライフサイエンス・ヘルスケア分野において、Smart Material®認定製品・サービスで社会に貢献することを目指します。そのために、継続的な研究開発への投資を行っていきます。

②資本コストを上回るROEの達成・PBR改善

2027年3月期のROE目標8%の達成に向けて、事業ポートフォリオ変革による高付加価値品へのシフト、資産の圧縮、資本効率の向上を進め、PBRの改善へつなげます。

1.事業ポートフォリオ変革により高付加価値品へのシフト

 成長事業への展開を加速し、顔料級酸化チタンの事業を2026年3月期に終了します。

2.資産の圧縮(キャッシュ・フロー改善)

 キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善をすることで、中期経営計画期間(3年間)で運転資金70億円の圧縮を実現します。また、有効活用されていない固定資産の売却を実施します。

3.資本効率の向上

 成長事業へのM&Aを含む積極投資を行います。また、DOE3%を目安として、安定的、継続的な配当を行うとともに、機動的な自己株買いを実施します。

③マテリアリティ推進・非財務面の取り組み加速

1.品質・安全問題の再発防止策の徹底

 子会社のカイゲンファーマにおける薬機法違反、湯本工場の爆発火災事故、小名浜事業所の火災等、重大な品質・安全問題が発生した事を重く受け止め、現在グループ全体で再発防止に向けた取り組みを進めております。

2.人的資本経営の取り組みの推進

2024年4月にサスティナビリティ委員会の傘下に人的資本部会を設置しました。当社は、社員が個人・組織課題の解決に向けて主体的に動くことで、社員一人ひとりが自分・仲間を信頼し、持続的に成長できる強い企業になることを目指します。

④キャピタル・アロケーション

⑤主要なKPI一覧

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「変革・BEYOND2030」を2024年にスタートさせました。当計画は、2030年から更にその先の将来に向けた「変革」のステージの3年間と位置づけております。今後は、収益性、投資効率が高い事業へ設備投資や人的資源を集中的に投下し、事業ポートフォリオを組み換え、高収益な企業へ変革するための構造改革を実施します。

 また、成長事業として位置づけております化粧品材料事業につきましては、海外、特に欧州を中心に化粧品トップメーカーに対し販売を強化するとともに、UVケア商材だけではなくメイクアップ商材への先行投資を行ってまいります。また電子材料事業につきましては誘電体のハイエンド品やミドルエンド品のシェアアップによって、電子材料市場の市場成長を超える成長を目指します。

 なお、2025年3月期末時点においても十分な自己資本を維持しております。加えて、長期借入やコミットメントライン等、金融機関から十分な支援を受けられていることから、当連結会計年度以降の営業キャッシュ・フローを含め、当面の資金繰りについても盤石な体制を維持できると考えております。経営環境の激変に備え全社的なコスト削減、棚卸資産の圧縮、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ資金の運用効率化等の対策を打ち、財務の健全性確保に努めると同時に、今後のビジネス環境の変化を注意深く見極め、適切に対応してまいります。

 中国における景気低迷、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの混乱とそれに伴う景気の停滞が継続していることに加え、アメリカ政権が各国・地域に課した相互関税によるインフレ進行や景気後退が懸念されております。現状は、幅広い用途に使用されている酸化チタンやバリウム製品等がこれらの影響を大きく受けております。加えて、原燃料高騰と円安がもたらす製造コストの上昇は、主要な原料鉱石を輸入している当社にとって免れ得ないものと認識しており、適正な販売価格の設定、収率の改善、製造設備の集約等、更なる製造コスト削減により業績の維持向上に努めてまいります。

電子材料(成長事業)

 積層セラミックコンデンサ(MLCC)市場は、中国の景気低迷や車載機器関連市場の減速による影響はあるものの、市場全体としては徐々に回復しております。一方で、誘電体は、ハイエンドからローエンドまで全般的に販売数量が伸び悩みましたが、誘電体材料は、販売数量が増加しました。

 今後は、誘電体材料では引き続き価格改定による採算是正に取り組み、誘電体では、新製品によるハイエンド・ミドルエンド市場でのシェア拡大を図ってまいります。

化粧品材料(成長事業)

 日焼け止め製品市場は、全体としては成長しているものの、中国市場は同国の景気軟化を受け、消費が落ち込んでおります。当社主力のUVケア化粧品材料向け超微粒子酸化亜鉛・酸化チタンも間接的にその影響を受けており、販売数量が落ち込んでいます。そのため、UVケア化粧品材料については、当社酸化亜鉛の高透明性等の特性を活かす処方提案力を訴求し、欧米中心に海外の化粧品メーカーへの拡販に努めてまいります。また新たな柱として、メイクアップ、スキンケア市場に本格進出するために、新たな工場を建設中です。同市場向けに有効な、機能性や意匠性に優れた無機素材を提供し、新工場の早期貢献を実現すべく、立ち上げ準備を進めてまいります。また、引き続き新規材料や処方の開発にも取り組んでまいります。

有機化学品(成長事業)

 有機イオウ製品は、伸長が予想されるレンズ市場への投資戦略の最適化、電子デバイス用接着剤向け等の開発品の量産化と拡販に注力してまいります。

 医薬品原薬・中間体の生産受託は、製薬会社がプロセス開発を含め外部機関に委託するケースが増えており、製薬会社と協働できるような開発体制が必要となっております。数年来、CDMO(開発製造受託)の体制整備、人員、装置、ソフト面の強化を進めてきましたが、2024年9月に新研究所が稼働し、本格的に活動を開始しました。今後は増加する開発案件の引き合いを確実に受託するための設備充実を図ってまいります。

衛生材料(安定事業)

 円安により輸入商材の日本国内での販売が低迷したほか、インドネシアで製造販売している通気性フィルムは、主要顧客の生産数量の伸び悩み、中国品の価格攻勢、インドネシア国内のインフレによる節約志向、少子化による日本国内の子ども向け市場の縮小等の影響を受けております。そのため、輸入商材は、品質とサービス向上による差別化、大人向けやフェミニンケア、ペットケア向け製品の拡販、通気性フィルムについても、環境配慮型製品等の付加価値の高い製品の開発および拡販に取り組んでおります。今後の取り組みとして、中東市場への販売強化、欧州やアフリカ等の未開拓市場への展開、特に通気性フィルムについては、コストダウンを進めてまいります。

受託加工(安定事業)

 顧客からのニーズは、多種多様でより高度なものになってきており、かつ要求事項を超える提案も求められています。これらに確実に対応できるよう、保有設備の拡充、生産管理の高度化、高い技術力の保有を図り、より信頼される受託体制を構築しております。また、新規案件獲得に向け、高い技術力を訴求する製品群をラインアップし、営業活動を進めております。

 混合、ろ過水洗、乾燥、焼成等の工程受託においても、研究開発から事業化への加速、投資リスク低減のため、多様な分野においてニーズが高まっており、潜在的な顧客も多数存在すると考えられます。ウェブサイトやオウンドメディア(自社媒体)の活用により設備や技術力を幅広くアピールしており、さらにウェブマーケティングを強化し、新規顧客の掘り起こしを図ってまいります。

酸化チタン・亜鉛製品(効率化検討事業)

 酸化チタンは、安価な輸入品が流入し国内の市場環境は悪化しております。汎用性の高さ、収益性の低さに加え、生産による環境への負荷や影響も大きいことから、2026年3月期をもって顔料級酸化チタンについては事業終了とすることを計画しております。

 亜鉛製品は、一定の堅調な市場環境が継続すると想定しております。一部では安価な輸入品の国内市場への流入、主要用途であるタイヤ市場において環境配慮型仕様への移行もあり、将来的には徐々に販売数量が減少することも想定し、操業の安定化と効率化に継続的に取り組んでまいります。

樹脂添加剤(効率化検討事業)

 塩ビ安定剤は、環境に優しい非鉛系安定剤を日本、ベトナムおよびタイの3拠点から需要の拡大が期待できる海外市場(特に東南アジア地域)へ展開してまいります。得意とする配合技術を駆使し、グローバル市場での新規採用、シェア拡大に努め、安定事業への移行を図ります。海外展開での課題は現地での迅速な試作対応であり、現地スタッフへの教育をはじめ、技術支援体制を強化してまいります。一方、国内取引の課題は収益性の改善であり、鉛系安定剤の終売、原材料の高騰に対応した適正価格への値上げを推進してまいります。

触 媒(効率化検討事業)

 光学フィルムや紙おむつ向け接着剤等で用いられる水添石油樹脂は、堅調な需要が見込まれており、その製造工程で使用されるニッケル触媒は、拠点の集約化を進め、生産体制の効率化を図っております。今後は、集約化した拠点での稼働を高め、販売構成にも留意し、高品質な製品の販売割合を増やしながら、収益確保に努めてまいります。

 脱硝触媒は、火力発電所やごみ焼却施設で長年使用されており、クリーンな環境の実現に貢献しております。積み上げてきた実績や知見を活かし、排出ガス規制が厳しくなることが想定される東アジア等の海外市場での営業活動を進めてまいります。

 その他、低炭素化社会の実現のためカーボンニュートラル関連事業に取り組む企業と協業し、新規触媒の開発と拡販にも注力してまいります。

無機事業(効率化検討事業)

 塗料やインキなどに使用される硫酸バリウム製品は、中国品の価格攻勢を受け、国内の市場環境は厳しさを増しております。化学合成で製造する沈降性硫酸バリウム製品は、国内で唯一のメーカーであること、複数の製法および製造ノウハウを保有していること等を強みとし、特に製品供給の安定化、コストダウン、価格是正を進めながら、新たな用途展開に取り組んでおります。

医療事業

 医療事業は、品質問題を受けてGQP・GMP体制の立て直し、組織文化の変革を目指した業務改善を最優先事項として推進しております。また、健診領域、消化器領域、美容領域を重点領域として取扱商品の拡充に努めるとともに、薬価改定の影響を受けない新規事業の育成、推進に努めてまいります。

 医療用医薬品については、一部バリウム造影剤の薬価引き上げがあったものの、治療薬の大幅な薬価引き下げのトレンド、原材料価格の高騰による利益の減少が続いており、価格転嫁や業務の効率化を図り、利益確保を目指しております。今後は、注力分野である健診領域の取扱製品の拡充に努め、売上と利益の増加を目指してまいります。

 内視鏡洗浄消毒器は、市場での周知を図るため講演を行う等の啓発活動に取り組んでおります。また、耳鼻咽喉科領域等新たな領域への展開を開始しており、自動視野計「アイモscan」は、視野検査の認知向上を推進しながら、拡販を目指しております。さらに、協業先の医療機器の拡販、診断支援AIの取り扱いを開始しております。

 その他、入浴剤やのど飴、しょうが湯、中高年の方の記憶力、注意力を維持する機能性表示食品「メモエル」等は、Amazonのカイゲンファーマオンラインショップでも展開しております。製品ごとに新たな販路を開拓し、バラエティショップやスーパーマーケットで展開しております。美容医療向け製品においても、さらなる利益確保と業務効率化のため、特定の医薬品卸を経由した販売ルート構築の検討、「ソルプロ」ブランドで展開する紫外線対策サプリメント等の商品ラインアップ拡充を目指した開発に注力しております。

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