四国電力
【東証プライム:9507】「電気・ガス業」
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企業概要
文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 基本方針
当社グループは、「エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する」というグループミッションを掲げており、お客さまから最も信頼されるパートナーとして、エネルギーから情報通信、ビジネス・生活サポートまで、多様なサービスをワンストップで提供できる「マルチユーティリティー企業グループ」への変革・成長をはかっていく。
(2) 経営環境および対処すべき課題
ロシアのウクライナ侵攻を契機としたエネルギー危機の発生に伴い、これまで国内ではエネルギーセキュリティの確保と経済成長のバランスがより重視されてきたが、2030年が近づくにつれて、脱炭素の重要性を再認識する国際的な流れの影響が出始めている。また、データセンターや半導体工場の新増設等による中長期的な電力需要の増加が見込まれており、こうした状況も踏まえ、本年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画およびGX2040ビジョンにおいても、電力の安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すという方向性が示されている。
さらには、生成AIの急速な普及や関連するデジタル技術の著しい進歩、電力の脱炭素化・高度化利用のニーズに伴い、情報通信事業のみならずエネルギー事業においても新たなビジネスチャンスが到来しつつある。
当社グループは、こうした事業環境の変化を次なる成長ステージに向けたチャンスと捉え、中核である電気事業においては、エネルギー供給を支える責任ある事業者としての安定供給はもとより、売上・コスト両面の改善による収益力の向上をはかっていく。また、海外での発電事業や国内でのエネルギーソリューションサービス、情報通信事業などを中心とする成長事業の拡大にも全力で取り組んでいく。さらに、DXの推進やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みなどにより、企業体質の変革と価値創出の基盤強化を積極的に進めることによって、持続的な企業価値の向上を実現していく。
① 電気事業における売上・コスト両面の改善による収益力の向上
発電・販売事業においては、伊方発電所3号機をはじめとした自社電源の安全・安定運転の継続を徹底するとともに、火力発電の低炭素化・脱炭素化や再生可能エネルギーの開発拡大に向けた取り組みを着実に推進していく。また、電源調達コストを踏まえたうえで他事業者との競争環境も意識した小売料金水準の設定やお客さまニーズに応える料金メニュー・サービスの提供、卸販売における収益拡大、非化石電源を含めた電源調達の最適化、資材調達プロセスのさらなる効率化等に取り組み、売上・コスト両面の改善による収益力の向上をはかっていく。
送配電事業においては、高経年化設備の計画的な更新など、レベニューキャップ制度下において策定した事業計画を着実に遂行するとともに、より一層の効率化施策の深掘りを進めていく。
また、災害対策については、大規模自然災害への備えに終わりはないとの考えのもと、絶えず情報の収集や分析に努めるとともに、新たな知見や方策を適時適切に自らの対策に反映させるなど、万全を期していく。
② エネルギー事業・情報通信事業を中心とする成長事業の拡大
デジタル化・脱炭素化の進展を足掛かりとした新たなお客さまニーズの発掘やエネルギーソリューションサービスの推進、国際事業における再生可能エネルギーを中心とした新規優良案件への参画拡大、また、情報通信事業における既存事業の収益性の向上と新たなサービスの開発・事業化に向けた取り組みの推進など、エネルギー事業・情報通信事業を中心とする成長事業の拡大に努めていく。
さらに、建設・エンジニアリング事業における受注機会の拡大や送配電資産を活用した新たなサービスの開発を進めるとともに、地域の課題解決を起点とする事業や多様なパートナーシップを活かした事業の展開にもグループを挙げて取り組んでいく。
③ 企業体質の変革と価値創出の基盤強化
資産のスリム化や設備投資の厳選など資本効率の向上に向けた取り組みを徹底するとともに、引き続きDXを強力に推進し、ビジネスモデルや業務プロセス、組織風土などの改革や生産性向上はもとより、新規事業・新サービスの創出など新たな価値の創造にも取り組んでいく。また、電力の需給両面の取り組みによる2050年カーボンニュートラルへの挑戦や、経営戦略と連動した人材戦略に基づく人的資本経営、四国地域の活性化に資する地域共生活動やコンプライアンスの推進など、持続的な価値創出の基盤強化につながる取り組みを積極的に進めていく。
当社グループは、こうした取り組みを通じて、2025年度を最終年度とする現行の中期経営計画に掲げた経営目標の達成に全力を尽くしていく。
また、現在、2026年度以降の新たな中期経営計画の策定を進めており、ステークホルダーの方々に、今後の持続的な価値創出・拡大に向けた具体的な道筋をお示しできるよう努めていく。
(3) 経営目標
上記のような取り組みを通じて、2021年3月に策定した「よんでんグループ中期経営計画2025」で掲げた、以下の経営目標の達成を目指していく。(一部経営目標について2024年4月に見直し)
| 2025年度経営目標(連結) |
ROA | 3%程度(ROE:8%程度) |
経常利益 | 400億円以上 |
自己資本比率 | 25%以上(有利子負債倍率:2倍以下) |
営業キャッシュ・フロー | 1,100億円程度 |
※ ROAは「事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)」にて算定
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