品川リフラクトリーズ
【東証プライム:5351】「ガラス・土石製品」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は1875年に創業し、2025年10月に150周年を迎えます。当社はこの節目を、先人が築いてきた歴史をこの先100年、150年と繋いでいくためのスタート地点であると考え、未来に向かって成長を続ける企業を目指すべく2025年10月1日より「品川リフラ株式会社」へ社名を変更することとしました。150年の歴史と伝統を引き継ぎつつ、耐火物を意味する「リフラクトリーズ」から、「リフラ」という造語に変更することで、耐火物以外の断熱材、先端機材、エンジニアリング事業等を含む幅広い事業に注力していくことを表現しています。
社名変更に先立ち、2025年6月に当社グループの企業理念を再構築しました。新たな企業理念は、品川リフラクトリーズグループのコアとなる事業ドメインを明確にし、今後の事業展開の指針となるものです。
<企業理念>
PURPOSE:セラミックスで「最適」を実現する
セラミックス技術でお客様に最適なソリューションを提供し、世界の産業と社会の発展に貢献します
VISION :私たちはグループとして目指す姿を共有し、その実現に努めます
グローバルなソリューション展開によって成長し続ける
従業員が自己の成長と心豊かな生活を楽しめる職場を作る
事業を通じてより良い環境と社会を未来世代に継承する
VALUE :私たちは大切にしたい価値観をグループで共有します
挑戦 失敗を恐れず、勇気を持って挑戦します
迅速 素早く決断し、迅速に取り組みます
柔軟 変化に柔軟に対応し、やり方を見直します
徹底 やると決めたら、徹底して取り組みます
連携 社内外の人や組織と積極的に連携します
PURPOSE(パーパス)とはグループとしての「志」を表しています。
VISION(ビジョン)は、PURPOSEを追求する中で、私たちがどのような企業グループになりたいのかを表明しています。
VALUE(バリュー)は、PURPOSEとVISIONを実現するために私たちが大切にしたい心がけです。
この企業理念をもとに、グループ一丸となって革新と挑戦を続け、持続的な成長と企業価値の最大化を目指していきます。
(2)経営戦略及び対処すべき課題等
2025年度の事業環境につきましては、米国の通商政策動向や中国経済の停滞、さらには地政学リスクの継続による影響等により、世界経済及び国内経済ともに不安定な状況が続くと見込まれます。また、当社グループの主要なお客様である国内の鉄鋼業界においても、鉄鋼需要の先行きは不透明であり、粗鋼生産量の見通しも困難な状況となっています。
当社グループにおきましては、こうした環境下においても持続的な成長と利益の確保に向けて、以下の施策を進めてまいります。
第6次中期経営計画(2024年度~2026年度)の2年目にあたる2025年度においては、昨年度と同様、4つの重点方針に基づき、計画達成に向けた活動をさらに深化していきます。
「第6次中期経営計画 重点方針」
○セクター戦略の深化
・ROICを重要指標とした経営の推進
・各セクターにおける未浸透分野への進出
・セクター間の協業による業容拡大
○生産基盤の整備
・定形耐火物の最適生産体制への移行着手
・断熱材及び先端機材セクターの事業拡大に向けた生産基盤の構築
○グローバル展開の加速
・地域間での人材・技術交流による競争力の強化
・新たなM&Aや事業提携による事業拡大の検討
○サステナビリティ経営の推進
・カーボンニュートラルに向けた取組みの強化
・人的資本の充実
2025年度においては、厳しい事業環境が継続することが予想されますが、生産プロセスにおけるコストダウンの徹底、グローバルサプライチェーンを通じた使用後製品を含む安価原料の調達等により、利益の拡大を図っていきます。また、国内では、非鉄・工業炉分野でのより一層のシェア拡大を図るために2025年4月に営業・開発部門の組織を再編し、同分野への事業拡大に向けた体制を整えました。海外においては、新たにGouda Refractories Group B.V.が加わったことにより当社グループのグローバルネットワークはさらに強固なものとなりました。そのネットワークを駆使した拡販の促進、2025年5月に買収したReframax Engenharia Ltda.との多面的なシナジー発現に注力していきます。中国では、連続鋳造用機能性耐火物の現地製造・販売体制確立のため、子会社・遼寧品川和豊冶金材料有限公司において新工場建設を進めており、2025年度末に操業を開始する予定です。断熱材セクターでは、中国での半導体熱処理炉のメンテナンス事業参入など海外展開の加速、国内のエネルギー設備関連への強断熱製品の拡販、他セクターとの協業による断熱材事業の強化・拡大を進めます。先端機材セクターでは、需要回復が見込まれる半導体製造装置関連製品の確実な捕捉、新規分野へのビジネス拡大を推進します。
中長期的な成長戦略として、定形耐火物の主力工場である岡山工場及び機能性耐火物の生産拠点である湯本工場(福島県)の需要構造の変化に対応した生産体制最適化を検討し、実行に移していきます。海外では、さらなる事業拡大を目指しグローバルマーケットにおける新たなM&A案件等を模索します。断熱材セクターでは、ITも含めた最新技術の導入により、脱炭素化社会を実現する製品など、未来を見据えた新商品の開発・供給を推進します。先端機材セクターでは、ファインセラミックス製品の需要拡大が見込まれる半導体製造装置分野や航空宇宙・エネルギーなどの新成長分野への業容拡大を目標に掲げ、2024年度に増産と新規分野対応のための新工場建設を決定し、2025年度の稼働を予定しています。さらに、グループの経営資源や人材の統合による経営の効率化を目指し、ファインセラミックス事業を担っていた当社の完全子会社である品川ファインセラミックス株式会社を2025年4月に吸収合併しました。
これらの戦略と並行し、気候変動への対応として、当社グループはお客様のCO2排出量削減に繋がる耐火物技術、断熱材技術、さらに築炉エンジニアリング技術の融合による高温プロセスにおける熱ロス低減へのソリューション提供を強化しています。また、使用後製品を回収し再原料化を図ったリサイクル原料を一定量活用した製品を「Green Refractory」とし、お客様への浸透を進めています。リサイクル原料の活用は資源循環による地球環境の保全に繋がるものであり、さらには調達リスクへの対応にも有効な手段となります。お客様やサプライチェーンを通じた気候変動対策を引き続き推進し、事業成長とサステナビリティへの取組みを表裏一体として追求する経営を推し進めていきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの主たる経営指標といたしましては、売上高営業利益率(ROS)及び自己資本利益率(ROE)を使用しています。これらに加え、収益性と効率性を図る経営指標として第6次中期経営計画の初年度である2024年度より投下資本利益率(ROIC)とEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を導入しています。国内外の経済環境が大きく変化する中で、当社グループは事業規模の拡大と経営の効率化を目指します。
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